青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

土木技術のいまむかし

2010年06月08日 22時39分17秒 | 日常

(画像:なんと言うブラックジョーク)

八ツ場ダムが完成し、湛水されると水没してしまうのが吾妻の名湯・川原湯温泉。
ちょいと熱めの透き通ったいい温泉なんだがなあ。
それにしても、この看板を見た瞬間麦茶噴いたw
友愛によって友愛されるゆうあい、ってブラックジョークにも程がある。
まあ、こちらのゆうあいは「湯愛」なのかもしれないが…

林地区にかかる国道145号線の橋脚は、Y字型の特徴ある形をしている。
この橋で、国道は長野原に向かって吾妻川の左岸から右岸へ渡るようだ。
手前に走る架線とレールは、JR吾妻線。
当然ですが、この位置にある線路もダムが出来たら水没します。
って事で、岩島~長野原草津口までの区間は10kmに亘って線路を付け変える予定。
ほとんどトンネルで、吾妻川の右岸の山中をぶち抜く予定らしい。

現在は、国道と平行して吾妻川の左岸を走っているJR吾妻線。
川原湯温泉付近は吾妻渓谷と言われ、深いV字谷に沿った峡谷は新緑と紅葉の名所でもあります。
国道も線路も崖をへつって桟道を通しているのだが、こんな所に日本一がある。
その日本一も、ダム建設の進捗いかんによっては過去帳入りとなってしまうのだ。

日本一短い鉄道トンネル・樽沢トンネル。
この辺りは鉄ヲタにとっては常識の常識でしょうか(笑)。
日本一長いトンネルは上越新幹線の大清水トンネルで、日本一長い橋は東北新幹線の第一北上川橋梁。
日本一高い位置にある駅は野辺山で、日本一低い位置にある地下駅は総武線の馬喰町。
地上にあって一番低い位置の駅が関西本線の弥富駅。
私がケイブンシャの大百科シリーズを詠みあさってた時期はこんなラインナップだったと思う。
昭和の時代の話ですがね。

ただ、今は青函トンネルが出来ているし、都内ではもっと低い地下駅だって出来ているだろうし、色々変わってるんだと思います。
青函トンネルは海底トンネルなんで除外するとしても、
今度新青森まで新幹線が開通すると八甲田トンネルと言う30km弱の長大トンネルが出来るらしいしね。
道路だと一番長いトンネル=中央道の恵那山トンネル(8,190m)ってのが常識でしたが、
そんな常識も関越トンネルが塗り替えてしまいましたしね。

土木技術の進歩によって、長い橋や長いトンネルを作る事が容易になった現在。
もちろん八ツ場ダムにもそんな日本の土木技術の粋が集められているものと思うのですが…
まあそんな近代土木技術によって、日本一短いトンネルがなくなると言うのも何の因果なんだかねえ。
日本一短い樽沢トンネルの長さは7.6m、まばたきしてれば通過する程度の長さです。
今だったら岩ごとぶっ壊して法面を吹き付けちゃうかな?
そもそもこんな狭い場所に線路なんか引かず、山の中を長いトンネルでぶち抜いちゃいますかね。
日本の鉄道で今後わざわざこんな短いトンネルを作るとは思えないんで、
ひょっとしたら、ここは永遠に日本一の称号を抱いたまま姿を消すのかもしれない。

列車が来るまでトンネルの下で待ってみた。
分かってはいたのだが、み、短い(笑)。
頭隠して尻隠さず、みたいなw

コメント
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