司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

最高裁,民事判決で判決要旨を朗読

2016-12-06 17:55:46 | 民事訴訟等
毎日新聞記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161206-00000047-mai-soci

 よいことであるが,「例え」がなんとも。
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鈴木商店のその後~会社継続はあり得る?

2016-12-06 12:56:32 | 会社法(改正商法等)
神戸新聞記事
http://news.goo.ne.jp/article/kobe/nation/kobe-20161205008.html

 「合名会社」と「株式会社」の2つの「鈴木商店」の復活(会社継続)は,あり得るのか?

 ネット上の情報からは,解散の時は,昭和8年頃と推測されるが,解散の事由は,明らかではない。以下,検証してみよう。

1.合名会社の場合
 合名会社については,明治32年の商法制定当時から「会社の継続」に関する商法第75条の規定が置かれていた。ただし,当時,会社の継続が可能であるのは,「存立時期ノ満了其他定款ニ定メタル事由ノ発生」(第74条第1号)による解散の場合に限られていた。

〇 商法
第74条 会社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
 一 存立時期ノ満了其他定款ニ定メタル事由ノ発生
 二 会社ノ目的タル事業ノ成功又ハ其成功ノ不能
 三 総社員ノ同意
 四 会社ノ合併
 五 社員ガ一人ト為リタルコト
 六 会社ノ破産
 七 裁判所ノ命令

第75条 前条第1号ノ場合ニ於テハ社員ノ全部又ハ一部ノ同意ヲ以テ会社ヲ継続スルコトヲ得但シ同意ヲ為サザリシ社員ハ退社シタルモノト看做ス


 その後,昭和13年商法改正(昭和15年1月1日施行)により,旧第75条は,第95条に改まり,「存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生」(第94条第1項第1号),「総社員の同意」(同項第2号)及び「社員ガ一人トナリタルコト」(同項第4号)による解散の場合には,会社の継続が可能であるものとされた。ただし,いわゆる「経過措置」については,附則に定めはなかった模様である。

〇 昭和13年改正後商法
第94条 会社ハ左ノ事由ニ因リテ解散ス
 一 存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生
 二 総社員ノ同意
 三 会社ノ合併
 四 社員ガ1人ト為リタルコト
 五 会社ニ付テノ破産手続開始ノ決定
 六 解散ヲ命ズル裁判

第95条 前条第1号又ハ第2号ノ場合ニ於テハ社員ノ全部又ハ一部ノ同意ヲ以テ会社ヲ継続スルコトヲ得但シ同意ヲ為サザリシ社員ハ退社シタルモノト看做ス
2 前条第4号ノ場合ニ於テハ新ニ社員ヲ加入セシメテ会社ヲ継続スルコトヲ得

 その後,会社法制定(平成18年5月1日施行)に至るまで,会社の継続に関する規律の改正はなかった。

 会社法の施行に伴う経過措置は,次のとおりである。

〇 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
 (合名会社等の継続及び清算に関する経過措置)
第73条 施行日前に生じた旧商法第94条各号(旧商法第147条において準用する場合を含む。)に掲げる事由により旧合名会社等が解散した場合における新合名会社等の継続及び清算については、なお従前の例による。ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項については、会社法の定めるところによる。
2 【略】


2.株式会社の場合
 株式会社については,明治32年の商法制定当時は規定が存せず,昭和13年商法改正(昭和15年1月1日施行)により,商法第406条の規定が置かれた。ただし,いわゆる「経過措置」については,附則に定めはなかった模様である。

商法
第406条 会社ガ存立時期ノ満了其ノ他定款ニ定メタル事由ノ発生又ハ株主総会ノ決議ニ因リテ解散シタル場合ニ於テハ第343条ニ定ムル決議ニ依リテ会社ヲ継続スルコトヲ得

 その後,会社法制定(平成18年5月1日施行)に至るまで,会社の継続に関する規律の改正はなかった。

 会社法の施行に伴う経過措置は,次のとおりである。

〇 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
 (株式会社の継続及び清算に関する経過措置)
第108条 施行日前に生じた旧商法第404条各号に掲げる事由により旧株式会社が解散した場合における新株式会社の継続及び清算については、なお従前の例による。ただし、継続及び清算に関する登記の登記事項(施行日前に清算人の登記をした場合にあっては、本店の所在地における登記事項のうち清算人及び代表清算人の氏名及び住所を除く。)については、会社法の定めるところによる。


3.まとめ
 法改正に際して,附則又は整備法等で経過措置が定められることが多いが,経過措置の定めがない場合には,改正前の事象についても改正後の新法が適用される。したがって,昭和13年商法改正当時,経過措置が定められていないのであれば,改正後の商法の規定が適用されることになり,会社法施行後は,「なお従前の例による」ものとされたことになる。すなわち,解散の事由にもよるが,合名会社も株式会社も,「復活」(会社の継続)が可能であるということになりそうである。

4.社員の地位の相続等
 問題は,解散後80年超を経て,合名会社の無限責任社員の地位又ハ株式会社の株主の地位の承継がされているのかという点であろう。

 合名会社については,合名会社が清算中に社員が死亡した場合,死亡した社員の持分が当然に相続人が相続されるものとされていた(旧商法第144条参照)。

〇 商法
第144条 社員ガ死亡シタル場合ニ於テ其ノ相続人数人アルトキハ清算ニ関シテ社員ノ権利ヲ行使スベキ者1人ヲ定ムルコトヲ要ス

 ちなみに,会社法施行後も同様である(会社法第675条前段)。

会社法
 (相続及び合併による退社の特則)
第675条 清算持分会社の社員が死亡した場合又は合併により消滅した場合には、第608条第1項の定款の定めがないときであっても、当該社員の相続人その他の一般承継人は、当該社員の持分を承継する。この場合においては、同条第4項及び第5項の規定を準用する。

 株式会社が清算中に株主が死亡した場合,株主の地位が相続されるのはもちろんである。

 よって,合名会社については,総社員の同意により,株式会社については,株主総会の特別決議により,会社の継続が可能となるかもしれない。
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「消費者被害防止救済基金(仮称)」とは

2016-12-06 00:57:12 | 消費者問題
「消費者被害防止救済基金(仮称)」とは by 全国消費者団体連合会
http://www.shodanren.gr.jp/about/fund.php

「消費者被害の回復や拡大防止に取り組む消費者団体を支援し、消費者の正当な権利が擁護され泣き寝入りがなくなる社会を、健全な事業者と消費者が結び付く公正な消費市場をつくりあげていくための基金です。

 全国消団連理事会で約1年検討を重ねた上、2017年度中にNPO法人としての認証を得るべく、現在設立に向けて準備中です。」
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税理士白石桜がんばってます!

2016-12-06 00:51:27 | 税務関係
Webコミックを配信~税理士のことを知ってもらうため by 日税連
http://www.nichizeiren.or.jp/whats-new/p161014/

 ちょっと堅いもしますが,おもしろいかも。
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キーエンスが株式分割

2016-12-06 00:05:10 | 会社法(改正商法等)
日経記事
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO10316410V01C16A2DTA000/?n_cid=TPRN0004

 1株を2株に分割しても,理論上は,1単元で380万円。東証が推奨している望ましい投資単位50万円未満のラインからすれば,やはり高過ぎですね。

cf. 売買単位の統一 by 日本取引所グループ
http://www.jpx.co.jp/equities/improvements/unit/02.html
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