司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

邦銀の海外支店に係る会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面

2016-12-21 12:30:17 | 会社法(改正商法等)
「会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面について」(平成28年12月20日法務省民商第179号民事局長通達)が発出されている。
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00098.html

「株式会社の設立の登記の申請において,発起設立の場合には,設立時代表取締役又は設立時代表執行役の作成に係る払込取扱機関に払い込まれた金額を証する書面に,払込取扱機関における口座の預金通帳の写し又は取引明細表その他払込取扱機関が作成した書面のいずれかを合てつしたものをもって,会社法第34条第1項の規定による払込みがあったことを証する書面(商業登記法第47条第2項第5号)として取り扱って差し支えないものとされているところ,この払込取扱機関には,銀行法第2条第1項に規定する銀行が,同法第8条第2項の規定に基づき内閣総理大臣の認可を受けて設置した外国における当該銀行の支店(以下「邦銀の海外支店」という )。も,同法第2条第1項に規定する銀行としてこれに含まれると解されることから,発起設立の場合には,設立時代表取締役又は設立時代表執行役の作成に係る払込取扱機関に払い込まれた金額を証する書面に,邦銀の海外支店における口座の預金通帳の写し又は取引明細表その他邦銀の海外支店が作成した書面のいずれかを合てつしたものをもって,払込みがあったことを証する書面として取り扱って差し支えない。」
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預貯金は遺産分割の対象(最高裁決定)

2016-12-19 16:29:39 | 民法改正
毎日新聞記事
http://mainichi.jp/articles/20161219/k00/00e/040/214000c

 本日,最高裁が判例を変更した。

最高裁平成28年12月19日大法廷決定
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=86354

【裁判要旨】
共同相続された普通預金債権,通常貯金債権及び定期貯金債権は,いずれも,相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはなく,遺産分割の対象となる
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特例有限会社の商号変更と会計監査限定の登記

2016-12-17 16:01:10 | 会社法(改正商法等)
 平成18年5月1日の会社法施行時において,監査役を置く旨の定款の定めのある特例有限会社の定款には,会社法第389条第1項の規定による定めがあるものとみなされた(会社法整備法第24条)

〇 会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年7月26日法律第87号)
 (監査役の監査範囲に関する特則)
第24条 監査役を置く旨の定款の定めのある特例有限会社の定款には、会社法第389条第1項の規定による定めがあるものとみなす。

 ところで,平成26年改正会社法(平成27年5月1日施行)においては,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社であるときは,その旨が登記事項とされた(会社法第911条第3項第17号イ)が,特例有限会社については,この規定は適用されない(整備法第14条の規定による改正後の会社法整備法第43条第1項)。

 したがって,特例有限会社においては,監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めは登記事項ではないのであるが,それでは,監査役を置く旨の定款の定めのある特例有限会社が商号変更により通常の株式会社に移行した場合(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めは存置するものとする。)は,如何?

 平成26年改正会社法(平成27年5月1日施行)前から定款の定めがあったものの,登記事項ではなかっただけのことであり,商号変更により会社法第911条第3項第17号イの規定の適用を受けることになったわけであるから,商号変更の登記の申請と同時に会計監査限定の登記を申請することになろう。整備法第22条第1項の規定は,形式的には適用されないから,同時に申請しなければ,もちろん過料の問題が生ずることになる。

 ところが,この場合に,「会計監査限定の登記は不要」と指導している登記所があるらしい。

 不可解な話だと思ったが,法務局HPの登記申請書例において,おそらく誤っているのであろうが,別紙「登記事項」に載っていないのである。
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/content/001188898.pdf

 整備法第22条第1項の規定は,単に登記申請に関する猶予期間を定めているに過ぎない。特例有限会社が商号変更により通常の株式会社に移行した場合には,もちろん会社法第911条第3項第17号イの適用があるのである。

 早々に訂正すべきである。

 余談ながら,特例有限会社の監査役の権限に関して,業務監査権限ありと変更することができるかについては,議論があるところであるが,

cf. 平成26年11月30日付け「特例有限会社における監査役の権限」

 そもそも論から言えば,「会計に関するものに限る」というのであれば,会社法整備法にその旨の明示の規定が置かれているはずであり,そのような規定がなく,単に定款のみなし規定のみが置かれているに過ぎない以上,「みなし規定」については定款変更が可能(業務監査権限ありに変更することができる。)と解するのが,当然の理であろう。
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相続税の課税対象は8%に

2016-12-17 09:35:52 | 税務関係
国税庁ニュースリリース
https://www.nta.go.jp/kohyo/press/press/2016/sozoku_shinkoku/sozoku_shinkoku.pdf

「平成27年中に亡くなられた方(被相続人数)は約129万人(平成26年約127万人)、このうち相続税の課税対象となった被相続人数は約10万3千人(平成26年約5万6千人)で、課税割合は8.0%(平成26年4.4%)となっており、平成26年より3.6ポイント増加しました。」

 やはりと言うべきか,存外に少なかったと言うべきか。

cf. 朝日新聞記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161216-00000024-asahi-soci
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可分債権も遺産分割の対象に

2016-12-14 11:30:43 | 民法改正
 注目の最高裁判決は,平成28年12月19日(火)10:30から,第1小法廷で。
http://www.courts.go.jp/saikosai/kengaku/saikousai_kijitsu/index.html
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節税目的の養子縁組について最高裁で弁論

2016-12-14 11:15:57 | 家事事件(成年後見等)
日経記事(有料会員限定)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25HA4_T11C16A2CC1000/

 12月20日10:30から,第3小法廷で弁論が開かれる。

 主観的要件として,養子であることの法的効果を全面的に享受する意思があるかどうかで判断されるとの考え方に立てば,有効ということになりそうである。

cf. 最高裁昭和46年10月22日第2小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52022

【判示事項】
 過去に情交関係があつた当事者間における養子縁組につき縁組意思が存在したと認められた事例

【裁判要旨】
養子縁組の当事者である甲男と乙女との間に、たまたま過去に情交関係があつたが、事実上の夫婦然たる生活関係が形成されるには至らなかつた場合において、乙は、甲の姪で、永年甲方に同居してその家事や家業を手伝い、家計をもとりしきつていた者であり、甲は、すでに高令に達し、病を得て家業もやめたのち、乙の世話になつたことへの謝意をもこめて、乙を養子とすることにより、自己の財産を相続させあわせて死後の供養を託する意思をもつて、縁組の届出に及んだものであるなど判示の事実関係があるときは、甲乙間に縁組を有効に成立させるに足りる縁組の意思が存在したものということができる。
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商業・法人登記の申請書様式

2016-12-14 10:31:49 | 会社法(改正商法等)
商業・法人登記の申請書様式 by 法務局HP
http://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html#1-1

 丁寧過ぎるぐらいの解説です。
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印鑑カードの保管方法について

2016-12-14 10:23:26 | 会社法(改正商法等)
【印鑑カードの保管方法について by 山口地方法務局
http://fol.skr.jp/file/page000095.pdf

「印鑑カードに磁石を使用した製品を近付けることで,磁気データが 消失することがあります。」

cf. 印鑑カードを紛失(又は破損)してしまいました。再発行の手続はどうすればよいですか。by 東京法務局
http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/static/kaisyahou-qanda.html#05
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今年の漢字は「金」 

2016-12-13 08:04:18 | いろいろ
京都新聞記事
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20161212000160

 「金」とは読めませんね。
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京都市「空き家等対策計画(素案)」を公表

2016-12-13 05:02:11 | 空き家問題&所有者不明土地問題
【広報資料】「京都市空き家等対策計画(素案)」に関する市民意見の募集について
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000212048.html

 意見募集は,平成29年1月23日(月)まで。
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「会社法研究会」の審議状況

2016-12-12 15:54:06 | 会社法(改正商法等)
「会社法研究会」の審議状況
https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/corporatelaw

 暫くフォローを怠っていましたが,議論が進みましたね。


第7回
「株主代表訴訟に関する検討」

第8回
「追加論点に関する検討」
  第1 利益供与の禁止規定の見直しの要否
  第2 議決権行使書面の閲覧謄写請求権の濫用的な行使の制限の要否
  第3 募集株式の募集事項の決定についての通知又は公告の要否
「社外取締役の在り方に関する検討」
「議決権付種類株式の発行について」

第9回
「取締役の報酬に関する検討」
「取締役会の決議事項に関する検討」

第10回
「株主総会資料の新たな電子提供制度に関する検討」
「社債の管理に関する検討」

第11回
「役員責任に関する検討」
「株主提案権の濫用的な行使に関する検討」
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茨城県常陸大宮市の高校生が株式会社を設立

2016-12-12 13:53:33 | 会社法(改正商法等)
朝日新聞記事
http://digital.asahi.com/articles/ASJD53J8DJD5UJHB002.html?rm=428

 全国で3例目だそうだ。

 12月5日に登記申請したそうであるが,完了は,未だのようである。
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愛媛県司法書士会,住民票等の法定保存期間5年の見直しを松山市に対し要望

2016-12-12 12:03:15 | いろいろ
愛媛新聞記事
https://www.ehime-np.co.jp/article/news201612107919

 すばらしい。

cf. 意見書
http://shiho-shoshi-ehime.or.jp/pdf/20161212.pdf

 法務省も,「相続登記の促進」の観点から,障害の一つである「住民票等の法定保存期間5年」の見直しに関して,総務省と調整していただきたいものである。
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株式併合,全部取得条項付種類株式,株式等売渡請求に対しても組織再編税制が適用

2016-12-11 17:18:41 | 会社法(改正商法等)
 平成29年税制改正により,株式併合,全部取得条項付種類株式,株式等売渡請求に対しても組織再編税制が適用されることになる。
https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/133810_1.pdf
※ 70頁最終行 ⑥(まる6)

 また,組織再編の対価に金銭が混在した場合においても,税制適格と認定される場合があるようになる(ただし,一定の限度がある。)。

 上記は,平成29年10月1日以降の組織再編から適用が開始されるようだ。


 経済産業省から改正要望があった「スピンオフ税制」についても,税制適格とされるようである。
http://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2017/zeisei_r/pdf/1_02.pdf
※ 15頁
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インターネット接続契約の解約手数料条項の差止請求が認容

2016-12-10 12:59:57 | 消費者問題
京都新聞記事
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20161209000178

 消費者契約法の消費者団体訴訟制度による差止請求が認容された。適格消費者団体である京都消費者契約ネットワークが提訴していたものである。

 詳しくは,こちら。
http://kccn.jp/mousiire-keibulterebi.html
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