写真師の「新カメラ日記」

JRP会員の橘が日々の事、撮影日記などを記録していきます。

3つの写真展

2007年11月29日 | 写真
11月28日は北陸としては珍しく青空が広がる好天だった。(もっとも午後からは雲が広がってきたが・・・)
お隣の富山県礪波市美術館に「写真に見る戦後日本ー山口県立美術館コレクションー」という写真展を見に行った。
木村伊兵衛、林忠彦、金井精一、福島菊次郎、濱屋浩、奈良原一高、川田喜久治、細江英公、東松照明、高梨豊、柳沢信、森山大道、内藤正敏、須田一政、牛腸茂雄、田村彰英という戦後の日本の写真界を代表する16人の作品130点が一堂に揃うというなんとも豪華な写真展だった。
木村伊兵衛が秋田県大曲の農家で赤ん坊に乳を飲ませている若い嫁を撮った「秋田より」(1959)、金井精一が戦後の陰と復興の兆しが交差する1951年に街角に立つ傷痍軍人と彼を見上げている子どもの瞳を撮った「浅草にて」、林忠彦は1946年に上野駅で精も根も尽き果てたように路上に眠る家族の姿を撮っている「引き揚げ 上野駅」、そして福島菊次郎・濱屋浩・奈良原一高・川田喜久治・東松照明などの戦後の陰を濃く残す1945年から1960年代にかけて民衆の切なさや憤り、喜びなど暮らしの中の哀歓を切り撮った作品が展示され
1960年代以降の高度成長期に日本社会を覆う光と影を独自の視点から切り撮った、細江英公の一連のヌード写真「おとこと女」、街の光景を通して社会の動きにカメラを向けつづけていた高梨豊、柳沢信、現代写真界に荒々しくモノクロ写真の可能性を世に問うた森山大道、独自の視点で人を撮り続けた内藤正敏・須田一政・牛腸茂雄、そして76年から81年にかけて定点撮影によって時代の急激な変化を現出した作品「道」の田村彰英。
天井が高くゆったりしたスペースにモノクロ作品130点を展示した静かな会場を独り占めしての2時間ほどはなんとも贅沢な時間でした。
展示作品のほとんどは写真集や雑誌で見たことがあるかないか、でも一度はオリジナルプリントで見たいと思っていた作家の作品で、ある意味夢がかなったような時間でした。
この美術館では同時に写真集団「マグナムフォト」でジャーナリズム写真を発表、その後モノクロのファッション写真を中心に高い人気を得たフランスの写真家「ジャンルー・シーフ」の写真展も常設館で見ることができました。これも素晴らしい写真の数々が並んでいました。
そのほか「砺波市民写真展」も同館の市民ギャラリーで開催されていました。

写真は会場の砺波市立美術館
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リコーGRD

2007年11月21日 | 写真
あこがれていたデジテルの高級コンパクトカメラ「リコーGRD」が後継機(GRDⅡ)発売の発表で、在庫一台限り特価の値札がついたので財布をはたいて購入した。
定評のある単焦点(35mm判換算28mm相当)レンズを使ったこのカメラは高倍率ズーム全盛のコンパクトデジカメ界では孤高の位置を占める、すこしマニアックなカメラです。
発売は2005年、半年から一年もすれば旧型とみられるこの世界で、いまだにハイエンド機としてコンパクトデジカメの最高クラスの価格を維持しているのは、やはりその高い描写力の賜物だといわれています。
発売当時他を圧倒した813万画素は1000万画素クラスが珍しくなくなった現在としてはとりたてていうほどのものではないが、A4サイズのプリントにはその描写力とあわせて十分な力を持っている。
このカメラを使いこなすにはまだまだ時間が要るだろう、長い付き合いになりそうです。写真はGRDで撮った蔵ケ嶽の大池です。
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