かつて農村ではどこででもおこなわれていた害虫駆除のためのもよおし「虫送り」。
いまでは子どもたちが手にカンテラなどの火をもって田の畦道を練り歩く季節の催しとして一部の地域に残るのみとなっています。
ここ石川県白山市や野々市町では少なくなったとはいえ、子どもも大人も参加する勇壮な夏祭りとして地域ぐるみで楽しんでいます。
なかでも「横江虫送り」は代表的な夏の祭りとして多くのカメラマンが集まります。
夜7時過ぎから神社に人が集まり始め7時半から地区を大きな虫送り太鼓を若者が背負い叩きながら先導、そのあとを地域の人たちや子どもたちがカンテラをもって続きます。
そのゆらゆら揺れる灯りの長い列が暗い田んぼの畦道を進むさまは「キツネの婚礼」を思い起こさせてくれます。
小一時間ほどの練り歩きのあと主会場に到着するといよいよクライマックス。
赤々と燃えるかがり火に照らされて若者達が主役となる「虫送り太鼓」の乱打です。
加賀の農村部ではまだこんな祭りが残っています。