山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

国産ワインコンクール 2

2010-08-08 14:38:37 | ワイン四方山話
 日本最大のコンテスト「国産ワインコンクール」の結果が発表されました。

全13部門の結果を見ると、山梨以外のワイナリーが、どんどん入賞しています。他県のワイナリーのレベルアップが急速です。山梨のワイナリーも刺激されます。
 
 全13部門の第1位のみ見ると、山梨のワイナリーは4部門のみでした。その4部門の中には、他県のワイナリーの応募がほとんどない甲州種部門が2つあります。この点、山梨のワイナリーは苦しかったですね。
 
 部門は関係なく、評価点20点満点で、17.5点以上獲得した金賞ワインは、全部で13銘柄ありました。そのうち、山梨のワインは8銘柄が獲得しました。この8銘柄のうち、甲州種辛口部門で5銘柄です。山梨のワイナリーが、甲州種に重点を置き、成果が出てきています。

 また、金賞13銘柄のうち、甲州種辛口から5銘柄出ている事から、ワイン全体の中での甲州種ワインのレベルの高さが示されました。
 
 甲州種は白ワインなので、山梨のワインの課題は、赤ワインです。赤ワインでは、日本特有の品種マスカットベリーAや、ヨーロッパ系品種のカベルネソービニヨン、カベルネフランやメルローなどがありますが、これぞ山梨の赤ワインの品種、というものが育っていません。甲斐ノワール種がありますが、今回奨励賞に2銘柄が入ったのみです。山梨の全ワイナリーが納得して栽培するほど良い葡萄品種が欲しいですね。

 さて、甲州種辛口部門ですが、金賞を受賞した5銘柄のうち、現在普通に買えるのは、蒼龍葡萄酒(勝沼)の「勝沼の甲州2009樽熟成」だけです。価格も5銘柄中最も安い1592円。この価格で、金賞を獲得する素晴らしいワインです。

 山梨の特徴である一升瓶ワインは今回のコンテストはどうだったのでしょうか。一升瓶ワインの基本はリーズナブルということなので、一升瓶ワインをコンテストに出す稀有なメーカーはほとんどありませんが、入賞してしまったワインがあります。原茂ワイン(勝沼)の「ハラモワイン甲州」とモンデ酒造(石和)の「甲州辛口」です。出品は720mlでしたが、一升瓶サイズも発売しています。安いのに入賞した恐るべきワインです。

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