山梨のワインのブログ

山梨の酒屋の4代目が、ワインを中心に、山梨の酒を、愛を込めて書き溜めます。

価格が上がる720mlワイン

2011-01-05 18:37:02 | ワイン四方山話
 最近、甲州種ワインの価格が上がっていますね。

720ミリサイズで、一昔前まで1000円前後だったのに、今は2000円弱くらい。樽などを使った甲州種ワインは2000円を超えています。

 甲州種や赤の在来品種マスカットベリーA種のワインはまだこれくらいですが、世界共通品種のメルローやシャルドネを日本で栽培、醸造したワインは、3千円から5千円のものもあります。高額ワインは生産量も少ないので、高額ワインほど手に入らない事もあります。
 
 一方、海外のワインの価格は下がっています。チリ産やスペイン産、南アフリカのワインは600円前後で売られています。オーストラリア産ワインは近年劇的に下がりました。千円以下の海外ワインも意外と美味しい。

 山梨のワイン愛飲家は悩むところです。地元のワインも飲みたいが、このご時世、そうは言っていられない。
ただ、山梨のワイナリーが、べらぼーに儲かっている訳ではありません。むしろ、80社ある山梨のワイナリーは、中小企業ばかりなので、なかなか大変です。
 
 しかし、山梨のワインの価格上昇は、質的向上が伴わっています。一昔前の1000円前後の頃の甲州種ワインは、海外のワインに負けていました。現在は、各ワイナリーが新たな製法の導入、葡萄栽培の改良、樽の使用などのあらゆる努力、研究を重ね、海外のワインに匹敵する評価を得ています。
 
 今後はどうなるのか。山梨県が主導している甲州種ワイン輸出プロジェクト(KOJ)が興味深い動きをしています。海外の日本食ブームで、海外でも甲州種ワインの販売チャンスですが、ネックは価格です。現在の甲州種ワインの価格では、KOJの成功は見込めないと感じたワイナリーは、コストの見直しをしています。
 
 コストの見直しで価格が下がり、KOJは成功、日本での販売価格も下がり、愛飲家は嬉しい、という流れになればベストですね。それまでは、お得価格の一升瓶ワインで晩酌しましょう。

写真は、KOJ輸出第1号の、中央葡萄酒(勝沼)の「グレイス甲州」です。

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