7月31日に、日本ワインコンクールの結果が発表されました。
ことしで16回目です。
参加のワイナリーは104、日本のワイナリーは、280を超えているそうです。
参加率は4割弱。
山梨の参加ワイナリーは33社。山梨のワイナリー数は80数社なので、参加率は4割弱。
毎年同じような数字なので、参加ワイナリーは大体固定されています。
受賞ワインは、大手5社(メルシャン、サントリー、マンズ、サッポロ、サントネージュ)が目立ちますが、金賞受賞ワイン22のうち、大手5社のワインは10です。
意外と、中小ワイナリーが健闘しています。
山梨は、甲州種とマスカットベイリA(国内改良品種の赤)の産地ですので、その2つに注目します。
甲州種では5つの金賞ワインのうち、秩父ワイン(埼玉県)と月山ワイン山ぶどう研究所(山形県)の2つの県外ワインが金賞受賞です。
島根ワイナリーも銀賞です。
甲州種は、日本で唯一のワインに適しているとされるヨーロッパ系品種ですので、日本固有のワイン品種として、全国で作ってほしいと思います。
山形では戦前から甲州種はあるそうですが、長野や北海道でもどんどん作ってほしいですね。
甲州種では、中央葡萄酒やフジッコワイナリー、蒼龍葡萄酒が、例年通り、高い品質のワインを産出しています。
中央葡萄酒のグリド甲州は、5万本の生産ワインで金賞受賞です。
サントリーの銀賞受賞のジャパンプレミアム甲州が1.8万本、サッポロの銅賞受賞ワインのグランポレール甲州辛口が2.2万本ですから、大手の生産数より多く、品質も高いのですから、大手を凌駕するワイナリーです。
小さいところでは、五味葡萄酒(甲州市塩山)が銀賞トップですね。醸造家の近藤さんがほぼ一人で頑張っているワイナリーです。
イケダワイナリーも社長が孤軍奮闘の小さなワイナリーですが、甲州種で5つ入賞しています。
まるき葡萄酒、白百合醸造、シャトー酒折、丸藤葡萄酒、大和葡萄酒、マルスワインといった常連ワイナリーも複数入賞しています。
一方、入賞常連だった、ダイヤモンド酒造、アルプスワイン、モンデ酒造は今回参加していないようです。
残念です。
マスカットベイリAでは、蒼龍葡萄酒が金賞ですが、8/1の発注で、すでに売切れでした。
発表後、瞬時に売切れだったのでしょうか。金賞受賞は注文が殺到するようです。
老舗ワイナリーのサドヤワイン(甲府市)のオルロージュが銀賞です。
サドヤが経営困難から古名屋ホテルに買収され、見事に復活です。もっと頑張ってほしいですね。
銅賞ですが、錦城ワインは一升瓶も販売されています。
錦城ワインは急死された高埜さんの奥様が社長として頑張られています。
組合員の多いワイナリーを経営されるのは大変でしょうが、今回マスカットベイリAで2つ銅賞です。
マスカットベイリAは、明治時代末期に新潟の富農、川上善兵衛氏が莫大な金額を賭けて品種改良した品種の一つです。
日本在来品種として全国で栽培されています。
甘い香りは、ヨーロッパ品種とは違いますが、日本の醤油やみりんを使った料理にマッチします。
ワイナリーによっては、まったく栽培されていませんが、もっと評価されても良いと思います。
ヨーロッパ品種を日本でワインにされると、平気で3千円から5千円の値になりますが、マスカットベイリA種は千円台で販売されています。
そこが甲州種と似ていて、常時ワインを飲む方にとって、千円台で良いワインがあるのは嬉しいですね。
品質向上のため、価格の高いワインはそれで意味あることです。否定はまったくしません。
今、日本ワインはブームです。
原料の取り合い、金賞ワインは瞬時に売切れ、という現状があります。
しかし、日本ワインコンクールは、日本のワインが売れない、どうにかしよう、ということからスタートしました。
その後、ワインツーリズムが生まれ、徐々に日本ワインが売れるようになりました。
売れるようになり、日本ワインコンクールに応募しなくてもよい状況と思いますが、日本ワインコンクールは原点だったはずです。
日本ワインコンクールに参加しないワイナリーも、是非いつか参加してほしいと思います。
酒屋もバカではないですから、単純に金賞ワインより銅賞が劣っているとは思いません。