NPOな人

NPOの現状や日々の雑感などを徒然なるままにお伝えします。

市民と行政の大作戦

2010年03月22日 | NPO
昨日は、朝方まで春の嵐で大変でしたね。午後から、座間市民活動サポートセンターで市民活動支援講座「市民と行政の大作戦」のお手伝いをする予定がありましたので心配しましたが、お昼頃には天気も回復して無事講座を開催することができました。

三連休の中日だというのに、会場には沢山の市民の方にお越しいただき、改めて市民と行政の協働に対する期待の大きさを実感したところです。参加者の皆さんは、何らかの形で市民活動に関わっているか、興味を持っている方ばかりなのですが、冒頭に「ボランティアと市民活動、NGO・NPOの違いが分かりますか?」と質問すると、あまり自信がないという方が大半でしたので、第1部は市民活動の概念整理を中心に解説し、第2部で市民活動と行政の協働の必要性、より良い協働に向けてのあり方、他の自治体の事例などをお話させていただきました。





明治以降、日本の社会は欧米に追い付け追い越せという目標のもとに、行政と企業が両輪になって牽引し、大きな成果をあげてきました。しかしながら、21世紀を迎えた今、これまでのように行政が一元的に公共や公益を管理提供していくことは不可能であり、これからは行政、企業、NPOなどが多元的に管理提供していくことが不可欠だという認識が広まりつつあります。このことは、政府が「新しい公共円卓会議」を主催して、国の統治の仕組みを協治に変えていこうとしていることからも明らかです。

私は、21世紀の国の姿としては、政府セクターとビジネスセクターに加えて、非営利セクターがバランスよく配置された社会構造が必要だと考えていますが、講座ではそうした想いを込めて話をさせていただきました。

それは、平成14年にNHKテレビで放送されたNHKスペシャル・変革の世紀、全7回シリーズの第5回「社会を変える新たな主役」という番組の最後で、NPO研究の第一人者である米国ジョンズホプキンズ大学のレスター・サラモン教授から寄せられた次のようなメッセージを聞いたときにに確信したことなのです。

「重要なのは公共の仕事はすべて政府でやってくれるという20世紀の常識を、一度疑ってみることではないでしょうか。これは、政府の責任を軽くしようというわけではありませんし、市民の力だけで公共を支えられるという意味でもありません。市民が主役となって政府や企業と新たな関係を構築していく姿こそが、健全な市民社会だと、私は考えています。」

今回の講座のちらしには、「1(市民)+1(行政)=3(座間)?」と書かれています。市民と行政の協働とは、お互いが強みを生かし合って、1+1を2プラスαにしていくという意味を込めたものですが、これからも健全な市民社会の発展のために微力を尽くそうと考えています。




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