今から40年程前のこと。「仕事は大切だけど、もっと大切なことは友達をつくることだよ」。勤務先の上司から勧めで延岡ローターアクトクラブ(以下RAC)に入会しました。
RACは、18歳から30歳までの青年男女がリーダーシップや職業スキルを磨き、ボランティア活動する世界的な団体です。十九歳で入会した私は、最初は馴染めなかったものの次第にRACの魅力に引き込まれていきました。一番の理由は先輩達が役職を引き受けその役割を果たすことでたくましく成長していく姿を、とても羨ましく思えたからです。
転機は22歳、クラブ奉仕委員長を引き受けた時のことです。これまで受け身で行事に参加していた私が行事を企画する立場になり、大きく意識が変わりました。特に印象に残っているのは、駅前の定期清掃のエピソードです。
清掃中に通りがかりの方から「カッコつけて」と言われ、そんなことを考える人もいるのかとある意味ショックを受けました。その後、清掃終了のあいさつを駅前派出所へと行った際、先程掛けられた言葉について報告しました。するとその話を聞いたお巡りさんより「皆さんが清掃していることはとても大切なことです。しかしもっと大切なことは、若い方が公共の場所を掃除していることを市民の皆さんが見る事の方が、駅前がキレイになることより重要なのですよ」と話して下さいました。
当時、広報に関連する仕事に関わっていたこともあり、このお巡りさんの言葉は胸に響きました。何故なら、活動を伝えることで情報に触れた方へ対しての意識変化や気づき、希望につながること、それらは活動による二次的効果であり、伝えることへの意味は無限の広がりがあることを感じたからです。
現在、所属する団体の広報部に所属する私は、伝えることの意味を意識しながら、活動に貢献できるよう活動を続けています。