Meet Mr. Gordon/Bob Gordon
(Pacific Jazz PJLP-12)
(Pacific Jazz PJLP-12)
今から10年も前になるでしょうか、幻の名盤だったアルバムが次々と発売される時代がありました。それも10インチなるアルバムを12インチの大きい フォーマットに焼き直しての発売である。小さいフォーマットでの再発がCDなら拡大フォーマットで再発するのが、この12インチ化再発である。どうせ再発 するのならどうして10インチでの再発をしないのかといぶかるのは自分だけでしょうか?
ボブ・ゴードンは若くして自動車事故で夭逝したバリトンサックス奏者で、おそらくリーダーアルバムはこの10インチ盤しかないのではないかと思います。 ここでは、テナーサックスのジャック・モントローズのアレンジでウエストコーストスタイルでの8曲の演奏が聴かれます。もう一枚、ジャック・モントローズ のアトランティック盤でco-leaderの格好で録音されたアルバムがありますがこれと並び、彼の演奏を収録したアルバムとして貴重です。マリガンの演 奏をやや荒削りにした格好のトーンでせまるゴードンのイマジネイティブなソロが全編を通じて聴かれます。バリトンからソロを渡されてやや軟らかい音色に なったなと思ったらモントローズのテナーのソロです。音色は違いますが、スタイルもなんだか似てますね。リズムセクションはカール・パーキンスばりのシン グルトーンを聴かせるポール・モアのピアノ、ジョー・モンドラゴンのベース、ビリー・シュナイダーのドラムです。
この10インチはアメリカのカンザスのレコード屋さんから以前に購入したものです。もちろんパシフィックのオリジナルです。当時はコレクター垂涎の幻盤でしたが、まさか12インチ化されて再発されるとは思いませんでした。日本の再発事業のすごさにはビックリです!