Gettin' Around/Dexter Gordon
(Blue Note BST-84204 jp reissue)
デクスター・ゴードンはSAVOY時代から晩年のSteeple
ChaseやColumbia時代までそれぞれに聴き応えのある好盤を連発したテナー奏者ですよね。中でもblue
note時代のゴードンがやはり一番、ターンテーブルに載る事が多いと思います。パウエルとの共演盤が何と言っても有名でしょうかねぇ?・・・
太いトーンとやや固めの音色ですが、ゆったりとしたフレージングが素晴らしいテナーです。
今日のGETTIN'
AROUNDは、ハッチャーソンのバイブを加えた5重奏団でワンホーンの多い彼の作品でも異色です。リズムセクションはバリー・ハリスのピアノ、ボブ・ク
ランショーのベース、ビリー・ヒギンズのドラムです。A-1のブラックオルフェが素晴らしい!!!です。言わずと知れたルイス・ボンファのボッサの名曲で
すよね。他にも名演はいっぱいありますが、ジャズヴァージョンでは最も好きな演奏です。カツカツと入るヒギンズのリムショットに導かれてハッチャーソンと
のユニゾンで出てくるDEXを聴くとニャッとするのは自分だけではない筈です!
DEXのソロについで出るハッチャーソン、ハリスのソロとも原曲のイメージをいかしたソロで聴かせます。とりわけ重厚なハリスのソロ、出だしから引きつけ
る音色でたまりません。モーガンのサイドワインダーでもハリスのこの音色、ブルースフィーリングは証明済みですが、どんなバックに入っても彼のソロは
フィットし、まさに愛すべきピアニストです。B-1のフランク・フォスターのShiny
Stockingもゆったりした演奏でデックスの吹奏が素晴らしいですね。
さて、カバーです。この帽子に古自転車のスタイル、どこかで見たような・・・。そう、映画”大脱走”で自転車に乗って逃げるジェームス・
コバーンです。あの”スピークラーク”のおっちゃんですね。デックスと古い自転車が30x30のキャンバスの下の方にさりげなく配されたカバーデザインが
印象的です。