The Composer of Desafinado, Plays/Antonio Carlos Jobim
(Verve V6-8547)
かなり暖かくなってきたので、この時期になるとターンテーブルにあがる機会が増えるのがボサノバのアルバム群です。
ボサノバの代名詞的存在がこのアントニオ・カルロス・ジョビンです。この盤はverveのクリードテイラーが63年に発表したアルバムで、63年に
"GETZ/GILBERO"が空前のヒットを飛ばした後ですよね。既にこのアルバムで名声を得た、ジルベルトとの共演も紹介され、ジョビン自身が知ら
れるようになってきた頃のアルバムだと思います。クラウス・オガーマンのストリングスが入っているためか。有名なアルバムの割にジャズファンには軽視され
る傾向があるように思います。ジョビンはプレイヤーとしてギターとピアノを演奏しますが、ここでは主にピアノでのリリカルなプレイが取り上げられていま
す。副題に"The composer of
DESAFINADO"とあるように彼はむしろコンポーザーとして知られていますよね。収録曲は、イパネマの娘、おいしい水、コルコバード、メディテー
ション、ワンノートサンバ、ソダンソサンバ、デサフィナードとこのアルバムだけでBOSSAスタンダードがすべて聴けてしまう曲構成です。カツカツと鳴る
パーカッションに載って淡々と美しいメロディが流れるアルバムは、収録曲の時間も3分程度のものがおおく、作業中のBGMにも最高ですよ。さらに良く聴く
と、ジミー・クリーブランドのボントロとレオ・ライトのフルートが随所にフィーチャーされている事に気付くと思います。
盤はVerveのMGM盤です。カバーはゲイトフォールドで中にこの写真があります。36歳でジョビンはこのアルバムを録音したと言われています。録音
時の写真かどうか知りませんが、ギターを弾くジョビンのポートレイトが美しく、リオ出身のハンサムガイ登場といったところですね。