Eastward Ho!/Harold Land in New York
(Jazzland 933S)
(Jazzland 933S)
ハロルド・ランドと言うテナー奏者は、皆さん御存知のとおりブラウン/ローチ5重奏団のサックス奏者として知られていますよね。華々しいブラウニーのソ ロの影で実に良い味のテナープレイをしているますよね。彼の代表的演奏は、こうしたブラウン/ローチクゥインテットでの演奏なのかも知れません。リーダー アルバムは数も少ないですが、今日はそんな中からジャズランドに録音した彼のリーダー盤をアップしたいと思います。
ランドはテキサス州ヒューストンの生まれで、生活の拠点をLAに定めたテナーマンです。即ち、Texanです。ここでフロントラインを勤めるケニー・ ドーハムも同じくTexanであり、彼はブラウニーの死後、ローチバンドのフロントを勤める事になります。ともにローチバンドの出身ということになります ね。演奏曲では、A-1の"So In Love"が素晴らしいです。Joe Peters(ds)が刻むラテンリズムにのってスムーズにテーマを吹くランドに例の甘い音色で絡むドーハムが出てくると、思わずニャッとしてしまいま す。A-2のTriple Troubleはワルツタイムの曲でAmos Trice(p)のオリジナルになりますが、ここでの彼のピアノは、一瞬モンクのソロを思わせるタイム感覚のソロでなかなかの聞き物です。B-1の"On a Little Street in Singapore"は1930年代のスタンダードでエスニック調のテーマを持つ佳曲です。急速調でグイグイひっぱって行くClarence Jones(b)のピチカートに載って、ソロが展開されていきますが、ここでもスムースなランド、美しいトーンのドーハムのソロが聴かれます。
ジャズランドのバーガンディのステレオオリジナル盤です。クインテットの派手さはないですが、渋い演奏の聴ける好盤と思います。