2008/5月中旬 尾瀬・景鶴山~至仏山
時代
新しい時代だそうだ。
着々とススんでいるのだそうだ。
乗り遅れるとイタイんだそうだ。
きみたちも気をつけたほうが良いのだそうだ。
よくもまあ、次々と新しい時代がやってくるものだ。日々是々。
鳩待峠。
駐車料金には驚かされるが、復活の山にケチケチしてはいられないのである。
久しぶりの残雪山行。
諸々の状況で、直前まで中止かどうか悩んだが、今となっては、来てよかったと思える。
時代は変わっても、気分転換は必要であると言うことだ。
鳩待峠から山ノ鼻、尾瀬ケ原から目指す景鶴、至仏を仰ぎながらいくらか気分的に楽になっていくのがわかった。
景鶴
ヨッピ橋から残雪を拾って適当な尾根に取り付く。
この辺りの適当さはこの季節ならでは。道読みも楽しめるところだ。
上部で熊の足跡が多数。近くにいるのは間違いない。
熊よけに適当な流行歌など口ずさむ。
♪~
風に吹かれて。ときに空を見上げて。
東電小屋からのトレ-スと合流すればあとわずか。
景鶴山頂は岩峰。尾瀬の山々はモチロン、平が岳に会津駒、丸山岳・・・。実に眺めがいい。
らしさ
景鶴からは大白沢山へと向かう。景鶴の岩峰群とヤブはナカナカ。お助けロ-プがあればよかった。
肩まで降りて、今度はなだらかな森。コンパス歩行。体はモチロン、ときに頭も使うのである。
残雪を気分良く踏む。天気も上々。快適、カイテキ。
大白沢山は山頂に草原。深山の風格を感じさせる雰囲気を持っている。
このテの山には目がないのである。
願わくば、秋にチャレンジしてみたいものである。
続くススケ峰でガスが出てきた。
少し早めではあったものの、ここで幕とする。
準備が整ったら、明るいうちから冷たいイッパイ。
くぅ~っ!!!。
そんでもって昼寝。うひゃあ。こりゃタマランわい。
生き返る場面。らしさを取り戻すには、こんな時間が必要だ。
消耗
さすがに18時就寝の夜は長かった。
とはいえ、しっかり5時まで。11時間の冬眠。
生憎、ガスは晴れない。仕方ないのでまたもやコンパス歩行。
幾分高度を下げると目指す至仏が見えてきた。
いやあ、この高度差はこたえるなあ。
最低のコルからは地道な登行。それでも残雪が繋がっている所までは良い。
とうとう、ヤブに突入。
這い松に石楠花、その他諸々の植生に空中戦の連続。ヤブⅣ級。2時間。ほとほとここで消耗した。
上部に出れば、なんとか残雪を拾いながら岩稜を行く。
最後は尾瀬側を回りこんで至仏山。百名山ゲットだぜ!
漣
特に感慨もなく、展望もないのですぐに下山。
今までの行程を噛み締めながら、またこれからを考えながらダルダルと鳩待峠。
ちょっとした感情の漣に気分次第の山行。結構効きますよ。
(使用上の注意は必ずお読みください)
新しい時代にも、陽は昇り、空は蒼く、水は滾々と流れる。
そして大地に花が咲く。
何も特別なことなどない。
ただ、我々のほうが振り回されているだけなのだ。
sak