2018/7/27 武尊・塗川西俣カラ沢
「確実に幸せな選択」から一夜。
「このまま、終了です。」
などと言う訳にはまいりますまい。
それこそ沢ヤの沽券にかかわる。
と、いうことで、
山頂にはガスがかかるものの、本日の天気は概ね晴れ。
前日に偵察済の塗川西俣に入る。
駐車した場所
西俣林道は小水量発電設備建設工事中のため入れない。
すこし花咲側に下った広い路肩に車を止める。
西俣林道
建設工事中
西俣林道に入って30分ほどで建設工事現場。
なんか、沢がパイプを通ってる。
文明ってすごいなぁ。
建設中のコンクリ-ト躯体を乗り越えて入渓点。
幅広階段状
透明度の高い流れ
橋桁跡
程良い滝場
西俣は階段状の幅広滝、流れに磨かれたナメなどなかなか美麗。
なおさら流れの透明度が高く気分はアガる。
地層壁
特に難所もなく壊れた橋桁を眺め、森林の中のナメ、地層の現れた壁。
このあたりは、ノンビリ遡行。
垂直5m
シロビレ沢を見送り、本流筋のカラ沢へと入る。
垂直5m滝は無理せず、右岸から小さく巻く。
ゴ-ロ帯は乾いた石伝いにテンテンと飛び移りながら行く。
ゴ-ロ帯
小滝は概ね直登。
垂直滝は右岸を巻くことが多かった。
と、ここでアクシデント。
巻いている途中で遡行図を落としたらしく、見当たらない。
しばらく戻って探しに出てみたが、見つからない。
記憶の中では、たしかこの先は滝場が一カ所だったような。。。
予定調和の遡行より、野趣あふれるシチュエ-ションも楽しいではないか。
と、そのまま遡行を続けた。
右岸を小さく巻く
その後も直登を躊躇う滝が出てくるが右岸を小さく巻けば何とかなる。
ナメ床状が目立ってくる
岩盤の露出も増えて来て、源頭の様相か?と思ったのもつかの間。
峡谷のCS滝。
高さは8mほどか。
おそらくこの奥にも滝が隠れているようでもある。
西俣の核心
緊張感は高まる。確実に西俣の核心だ。
あとは自分の勘頼り。
一気に沢ヤ(もしくは薮ヤ?)魂が燃え上がる。
少し戻って左岸をヤブ頼りに高巻く。しかし滝場付近はスラブが発達しているので、灌木帯まで30mほども上がっただろうか。
そこからヤブのトラバ-ス。
そして、沢床への下降がポイント。
見誤れば絶壁を懸垂下降か登り返しとなる場面だが、見込み通り懸垂下降なしで滝落ち口に着地。
核心滝上から
ル-ファイが上手く行った瞬間は思わずドヤ顔になってしまう。
ちなみに、下山後トポで確認すると「左岸草付を慎重に伝って上部落ち口に抜ける」とあったが、少々リスキ-かと思いますのでご注意を。
お風呂のようなポットホ-ル
最後の階段状滝(乾いた左岸スラブを行きましたが、直登が正解でしょう)
沢型の残るヤブ(稜線直下のヤブがキツくなります)
その後もナメが続き、時にお風呂のようなポットホ-ル。
最後、階段状の滝をすぎると薮に突入。
とはいえ、沢型はかなり上部まで続く。
中ノ岳分岐
40分ほどヤブ(上部でⅢ+)と格闘。
稜線状を超えると登山道に出た。ちょうど中ノ岳の分岐の所だった。
ブナの原生林
あとは装備を解いて、武尊牧場へ。
途中、武尊避難小屋を見物したり、ブナの原生林に感激したり、退屈することはない。
武尊牧場は白樺の疎林や群生するヤナギランが美しかった。ゲレンデを適当に下って車まで。
武尊牧場
日帰りにしては水平距離6km、標高差800mとナカナカの充実度。
渓のキラメキにナメの美しさ、加えて滝場の緊張感もあり沢登の魅力が満載の1本。
本日も「確実に幸せな選択」となったのでした。
sak