昔話といっても私のそうですね、高校生くらいの時のお話をしたいと思います。
当時はまだ私は実家に住んでまして、以前からブログでもお話しましたとおりかなりの田舎に住んでました。
今住んでいる相模原市もそれほど都会ってほどではないのですが、そんな相模原がかすんで見えるほどの立派な田舎です(笑)
東京に来た時にできた友人に「どんな雰囲気の所なの?」と聞かれて、「トトロが住んでるような場所、たまに猫バスが走ってるから(笑)」なんて冗談交じりに話したくらい。
まぁ、古き良き日本の里山風景って感じですね。
ちなみに今住んでる場所を例えるとこんな感じですかね。
どちらかというと新興住宅街ってところです。
高校通学時に利用していた路線がこちら。
小湊鉄道さん。
ムーミン列車さんですね。
両鉄道の終着駅である上総中野駅です。
どうです、この鄙びたいい感じの駅。これが東京からでも2時間程度の場所にあります。
私が高校生の時はまだいすみ鉄道さんが第3セクターとして開業してからまだそれほど経ってはおらず(その前はJR木原線)、JR時代はこちらの上総中野駅も有人駅でした。
しかも、今は無き2番線まであり、小湊鉄道さんは現在よりも本数が多かったくらいです(現在は1日5本程度)
高校の時、私は地元の高校ではなく隣の市の高校に通ってました。メインは小湊鉄道さんを利用。
ここの上総中野駅で乗り換えていすみ鉄道さんで3つくらい先の駅まで利用しておりました。
現在でもそうなんですが、当時もこの両鉄道の乗り継ぎはあまり良くはありませんでしたので、しばしば帰りに乗り継ぎができずに1時間ほど待つか歩きということがありました。
今回は当時のエピソードを書きます。
土曜日の半日授業が終わり、高校最寄駅(ここも駅舎が古いんですよ)から小湊鉄道さんに乗ります。
ただ、たまに上総中野駅手前の養老渓谷駅止まりがありまして、これに乗ると2時間は次の 汽車がありません。
上総中野まで直通の汽車に乗った時にアクシデントでダイヤ通りに到着しない場合があります。
車両もかなり古いものですので、たまにエンジントラブルを起こすんですね。
乗客はだいたい私一人なんですが、車掌さんが近づきまして「こりゃ乗り継ぎは無理だな、兄ちゃん」と告げるんですよ。
都会ならせいぜい15分程度待てば次に乗れますが、田舎でそれは1時間を意味します。
よくまぁ、呑気に言えるものだ・・・と思いましたが、しかしいすみ鉄道さんもダイヤがあるのだから仕方ない。
案の定、上総中野駅に到着した時にはいすみ鉄道さんの車両はどこも見当たりません。
そんなことが何回かあったある日のことです。
やはりエンジントラブルか何かでダイヤに遅れが生じました。
そして車掌さんのいつもの言葉があり、私もあきらめておりました。
しかし、そこに奇跡が起きたのです。
なんと発車時間を過ぎてもいすみ鉄道さんは待ってくれていたのです。
しかも運転士さんが車両から出て小湊鉄道さんが到着するのを今や遅しと待ってくれてました。
いすみ鉄道さんはワンマン運転なので車掌さんはおりません。
これには小湊鉄道の車掌さんもびっくりしたらしく、駅到着後に私を急き立てるように「早く向こうのホームへ行きなさい。よかったね待ってくれていて」と大声で送り出してくれました。
必死になって隣のホームに走る私にいすみ鉄道の運転士さん「あせらなくてもいいよ、ゆっくり乗車してくださいね」と言ってくれました。
乗車すると乗客は私一人。
私が乗り込んだのを確認した運転士さんはすぐに発車の警笛を出し、発車しました。
運転士さんにお礼を言うと、「いつも利用してるでしょ?乗り継ぎ悪くて迷惑をかけてるのは悪いしね。それに乗客はあんた一人だからさ(笑)」といかつい顔をした運転士さんは笑って運転していました。
どうやら憶えてくれていたようです。
かなりダイヤ乱れを修正しようといつもよりはスピードが上がってましたが、なかなか人情味のある体験でした。
田舎の小さいローカル線だからできたサービスなのかもしれませんね。
私の懐かしい田舎の思い出です。