税制ってありますよね、身近な政治的なこととして。
で、なんでこんなことを書くかといいますと、江戸時代の税制(幕府の天領(とくに関東))がじつは戦国時代の北条氏のものを引き継がれていたからなんです。
小田原での戦で関東に国替えとなった徳川家。
治安など混乱するのは想定していたでしょうけども、じつはもっと困難なことがありました。
それは北条氏が当時の税制よりも割安な税制を採用していたこと。
北条氏は戦国時代ではいち早く文書決裁やら裁判、経済などを組織化していった戦国大名の一つ。
しかも地元住民の支持を得るためもあって北条早雲から基本的には税金は低めに設定してました。
戦国時代の『身を切る改革』を実践していた戦国大名家なんですよ。
元々、鎌倉幕府の執権北条家の末裔を名乗るのですが、じつは室町幕府の実務官僚を輩出している伊勢家の一族。
たぶん、早雲さんは中央で果たせなかった理想を関東の地で実施したんだと思います。
そんな北条家、基本的に真面目な家柄。
とにかく無駄を嫌い、費用もなるべく抑える、それもこれも『地元住民の為』。
地元の領主達(これもプライドが高い)をなんとか靡かせて、現実路線かつ理想を追求していく・・・。
上杉謙信が攻めようが武田信玄が攻めようが関東が崩れなかったのも、おそらくこの真面目さがあったからだと思います。
正直、現実的な北条氏からすれば、上杉や武田が言うことなんざ、訳が分からんと思うでしょうしね。
北条氏はいったんは上杉に下った地元領主もそのまま迎え入れたりしますが、これも現実的に地元領主を潰すことのデメリットを考慮してのことだと思います。
で、税制はなるべく低いままで統治されていた関東。
正直ね、こんな土地柄に配置転換される徳川さんも大変だったと思いますよ。
だってね、前任者の北条家がそれなりにいい統治しているわけで、徳川ならどんな統治するの?と思われているわけです。
もっともそれが豊臣政権の罠だったりするんでしょう。
豊臣からすれば、徳川は仮想敵国なわけです。
だから一揆やら混乱が起こってくれれば改易の対象にできますし、そこまでいかなくとも戦力は削げます。
徳川からすれば、それまでの領国で実施していた統治方法をできれば継続したいでしょう、そのほうがよほど慣れてますし彼らからすれば効率的ですから。
でも、さすがは徳川家康さんです。
本当は税率も含めて改変したいところでしょうけども、そうはしなかった。
変更すべきは変更したと思いますが、税率は基本的に北条氏時代を踏襲しました。
これが改正されるのは徳川吉宗時代なんだそうですが、基本的には幕府領の税率はその他大名家の税イ率よりも低く、住民からすれば『どうせなら税率の低い天領にしてもらいたい』という声があったくらい(笑)
仙石騒動で領地の一部を天領になると決定すると、天領になる側は税金が軽くなると喜んだくらい。
これが明治維新で税制改正が行われると、もっともお金が無いのだから仕方ないのですが、『徳川時代のほうが良かった』という声が出てきます。
徳川の江戸幕府はいろいろと言われてはいるでしょうが、それでも税制などの面では前政権のいいところは(引き継がなければならなかったかもしれませんが)引き継いで世論を味方にしていました。
これ、どんなに権力を握ろうともいかんともしがたかったのかもしれません。
組織的な運営を実施した北条氏から組織的な運営になっていった江戸幕府。
こう考えるとおもしろいもんです。
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