人生の舞台ではそれぞれ、命と命が響き合う関係と、命が命と響き合わない関係の二つがいつもあります。どちらを選択するかは、私たちひとりびとりに委ねられています。あなたはどちらを選びたいですか?
The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p68第2パラグラフ6行目途中から。
老年期には、そのような命が命と響き合わないトレンド、「心構えであると同時に、人に対する態度」は、disdain ディスデイン 「人を人とも思わない、底意地の悪い気持ち」と私どもは読んでいます。generativity 「次世代を育む力」の舞台では、その命が命と響き合わないトレンド は、rejectivity リジェクティヴィティ 「大事にする相手の仲間から、仲間はずれにしたい、底意地の悪い気持ち」です。すなわち、次世代を育む相手に、特定の人、特定の集団を、したくない気持ちです。言葉を換えれば、特定の人、特定の集団をcare 「自分が損をしても、大事にする」のが嫌なんですね。
エリクソンは、内省、内観しながら、ホントにたくさんの人を実によく観察していたと思います。今回のところも、それを如実に表しているところです。disdainは「軽蔑」ではありません。そんな生易しいものでは、ないんですね。まぁ、非常にヒドイ心構え、態度です。あるいは、rejectivityも「拒否感」「拒否性」などというような、具体的に何を言いたいのか分からないようなものではありません。「大事にする相手とする仲間から、仲間はずれにしたい気持ち」は、非常に具体的ですし、しかも、ちょっと、ふつうは考えられないような心構えなんですね。これら2つの、命が命と響き合わないトレンド、心構えは、敢えて言えば、若いお母さんの時に出ていた「赤ちゃん部屋のオバケ」が、そのあ母さんが、相当のおばさんになっても、お婆さんになっても、取りつかれてたまんま、でいるような状況です。いずれも、尋常ならざる、極めて重篤な心構え、態度です。