goo blog サービス終了のお知らせ 

エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

一人静かな、クワイエット・タイムをあなたも是非。

2015-08-11 07:59:02 | アイデンティティの根源

 

 衝動や悪い良心とは、逃げずに向き合う姿勢が大事です。

 Young Man Luther 『青年ルター』p.218の第2パラグラフ10行目途中から。

 

 

 

 

 

無意識に踊らされた意志は、過去に学んだこと、現在受け止めていることすべてを無視しがち。眼に入るのは、自分がしたい目標に突き進むのに、過去と未来が都合のいい場合だけです。 このように、無意識の虜になることは、ルターがわざと定式化したように、完全に無意識の猛毒にやられることになります。とくに、自分は無意識の虜などにはなっていません、などとエバって否定するような場合は、もう無意識の毒にやられてます。

 

 

 

 

 

 無意識の虜になると、≪いまここ≫を上手く生きられません。当然、未来を上手に思い描くことなど夢のまた夢。しかも、恐ろしいのは、自分がそういう状態に陥っているという「病識」が全くない、ということです。ですから、そういう人は、なるべく自分を顧みる、振り返る、よくよく考えてみるということはなるべくしないように、これまだ無意識裡にしています。そういう人は、決まって、仕事にかこつけて(恰好つけて)忙しくしたり、職場の人にことさらに同調したり、自分が一人になる時間を避けたり…。ますます、無意識の猛毒にやられることになることも知らないで…。

 1人のクワイエット・タイムが大事になるのは、この時ですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あなたは、「未来を上手く描けます」か?

2015-08-11 06:53:50 | エリクソンの発達臨床心理

 

 困難や試練に出会ったら、そのたびごとに、根源的信頼感を豊かにするチャンスとしたいものですね。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p67の3行目から。

 

 

 

 

 

 成人期、すなわち、私どもが7番目の舞台と考える時には、generativity 「次世代を育むこと」になるのか? それとも、self-absorption 「自分のことしか考えないこと、人の立場を一顧だにしないこと」になるのか? および、stagnation 「未来をうまく描けないこと」になるのか? の人生の分かれ道を宛がいました。「次世代を育むこと」には、procreativity 「子どもを作る力があること」、productivity 「物事を作り出す力があること」、それから、creativity 「持ち味を作り出す力があること」が含まれます。そのようにして、新しい命を作り出すことと、新しい物事やアイデアを作り出すことも、含まれますし、自分を一層確かにさせるという意味で、自分を作り出すことまで含まれます。逆に、「未来をうまく描けないこと」という感じには、「物事を作り出す力があること」と「持ち味を作り出す力があること」が強くある人と、無関係では決してありません。ただし、「未来をうまく描けないこと」には、次世代を育む上で、消極的だと思う人が完全に含まれます。

 

 

 

 

 

 次世代を育むときに、未来を上手く描けるのかどうか? それが大人世代の、人生の分かれ道。子どもがいるかどうかは二の次でしょう。子どもがいても、その子どもとうまく関われない人、教員や保育士でも、大学教員でも、子どもとうまく関われない人はゴマンといますからね。そういうことは、「未来をうまく描けない」でいるし、「自分のことしか考えない」のです。ただ、この「自分のことしか考えない」は、日本人の場合、「自分の組織のことしか考えない」となる場合が非常に多い。非常に屈折した、水増しした「自分のことしか考えない」である点に注意が必要です。

 あなたはどちらを選択したいですか?

 「未来を上手に思い描くことですか」? 

  それとも、「未来をうまく描けない」方ですか?

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

#ユング が教えてくれる「#スピリットのある人生」 #ライフサイクル は #スピリットが育つ人生

2015-08-11 02:14:30 | エリクソンの発達臨床心理

 
本気の約束
  時空の境界線が示す、驚くほどの働き、ネガティブに働くときには、人間の最も残忍な部分がハッキリ出てしまいます。これは、民族国家の場合もあれば、個人の場合...
 

 今晩は、ユングの第7夜。ユングはとっても深いですね。

 今日は、ユング著作第8巻(The structure and dynamic of the psyche 『魂の構造と魂の爆発的な力』:The collected Works of C.G.Jung, Vol.8, pp.319-337)Spirit and Life「魂と命」から。spirit スピリット、「魂」のある人生を考えたいと思います。

 ユングは、このスピリットは、ギリシャ語のπνευμα プネウマ、ラテン語のspiritus スピリタス、の意味だと言います。スピリットがプネウマだとすれば、もともとは、「動いている(空)気」のことですから、「勇気、イキイキした活気、精神、あるいは、オバケ、または、アルコール」という意味があるという訳ですね。

 でも、ユングはこの「魂」や「命」を、哲学的に考える訳じゃあないらしい。臨床家ですから、empirical approach 経験的に考えると言います。そんなユングは次のように言います。

「心理学の立場からみたら、魂という現象は、無意識に踊らされる体験の塊同様に、自我の意図を超越した、あるいは、少なくとも、自我の意図と一緒に、無意識の意図があります」とね。

ですから、ユングは、魂を❝higher❞ consciousness「高い意識」と呼びます。また、「魂は、単なる格言とか、定式化された考えでは、必ずしもなくて、最も強く、最も直接的な意味で、独立した生き方と感じられる独特の人生となって現れます」といいます。スピリットのある人生は、独立した生き方になるという訳ですね。

 ところが、この「高い意識」は厄介だ、いいえ、正確には、「危険な性質がある」とも、ユングは言う訳ですね。なぜならば、「高い意識は、普通の意識から見たら、必ずしも高くはないし、みんなが認める理想と鋭く対立する場合がよくある」からです。

 それにもかかわらず、ユングは大切な教えを教えてくれています。

「魂は、人生になくてはならないものなんですね。というのも、単に自我だけが頼りの人生が、私どもみんなが分かっているように、到底納得する人生でもなければ、到底満足できる人生ではないから。ある種の魂のある人生だけが、生きるに値する人生です。…人生を全うすることは、自我だけでは歯が立ちません。人生を全うするには、魂が必要です。つまりそれは、独立した、値打ちに気付いた体験の塊です。魂だけが、自我意識が及ぶ範囲を遥かに超えて、魂の可能性に、イキイキ、ピチピチした意味をくれるもののようですよ」

 魂のある人生

 魂,スピリットのある人生を紹介しているのが,エリクソンのライフサイクルです。

 日本の心理学の教科書には載っていませ

 日本のエリクソン研究者全てが,実は,エリクソンのことが,少しもわかってないからです。レベルが低すぎです。

 エリクソンに学んで,スピリットのある人生を歩みましょう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする