エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

予測的妥当性

2016-06-16 07:41:10 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 

 

 

 
小学校の校則が厳罰主義だと、刑法も厳罰主義になる不思議
  今の日本の学校は、金森俊朗さんの実践やら、上手な教員もいないではないいのです。そこに確かに希望はあります。でもいかんせん、大多数派が、「いいよ」と「だめよ」の境目をハッ......
 

 「発達トラウマ障害愛着障害」と診断・アセスメントすることの大事さを、改めて考えていただけたらいいですね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、ADHDと一番間違います。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の64日目。

 今朝は、妥当性と信頼性の章の35日目。今日は予測的妥当性です。

 

 

 

 

 

 予測的妥当性 発達トラウマ障害(DTD)の診断は診断基準として、上手く出来ないことを考慮していますけれども、発達トラウマ障害(DTD)の診断基準Aは、上手く出来ないことがあることを予測できるってことこそが大事になります。NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)の核になるデータによれば、トラウマにされされていると、次のようなことができない割合が増えるとされます。すなわち、問題行動12%、怠学15%、自殺傾向13%、犯罪傾向28%。NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)の核になるデータでは、41%の子ども達が、学業に問題があり、37%の子どもが学校での問題行動があり、48%の子どもが、家庭での問題行動があります。、CANS(非営利団体「思春期以前の子どものニーズと人間力」)のデータでは、10%が、違法行為があり、15%が、仕事上の問題があり、16%が家出があります。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもで、様々な問題行動があるのは、10%~50%。つまり、半分以上は一見問題がないような子どもです。その多くは、抑制タイプの発達トラウマ障害の子ども達です。その子がホッタラカシになって、中高では精神病になり、青年期には、ストーカー、家庭内暴力、などの依存症となり、中年期には、家庭や職場、あるいは、社会のゴロツキと化すわけですね。

 

 

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何かができる力がある、という感じは、人から信頼されるから生まれるもの

2016-06-16 06:35:38 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 

 
机上の空論と戦争の現実
  今日、NHKで沖縄戦の番組「沖縄戦 全記録」を見ました。戦い方はペリリュー島での戦いと同じで、「狂気の戦い」であって事が分かります。日本軍の持久戦・ゲリラ戦 vs アメ......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、ずうーっと、独りぼっち、ですから、心の力が出ないんです。信頼・真実というピスティスが、心の唯一のガソリンなのに、そのガソリンが注がれたためしがありませんから、何時でも心はガス欠です。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.343の、第6パラグラフから。

 

 

 

 

 

 

 もちろん、これは、私どもには当てはまることなんですね。仕事がうまくいかなけい時、大事な計画がオジャンになった時、大事な人と別れたり、大事な人が亡くなったりする時、身体を動かしたり、注意を集中しなくちゃならない何かをすることほど、助けになるものはあまりないのですからね。市内のいくつかの学校と精神科プログラムは、この視点に欠けていることが多いんです。この手の学校と病院は、子ども達に「『普通』にしていなさい」と言いますでしょ。だけども、子ども達が「普通」に感じられるような、何かができる力がある、という感じを子どもにプレゼントすることはありませんからね

 

 

 

 

 何かができる力がある、という感じが生じるのは、人から信頼されていると実感できて、初めて可能なものなんですね。それは人類に共通した命題です。

 

 

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悦び(嬉しい)と満足(美味しいなぁ)

2016-06-16 05:59:15 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 

 
小学校の校則が厳罰主義だと、刑法も厳罰主義になる不思議
  今の日本の学校は、金森俊朗さんの実践やら、上手な教員もいないではないいのです。そこに確かに希望はあります。でもいかんせん、大多数派が、「いいよ」と「だめよ」の境目をハッ......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の子どものジャスティン。犬として育てられたジャスティン。ブルース・ペリー教授のアプローチは実に見事ですね。ジャスティンが見通しを持てるような賢慮で満ちてますでしょ。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.131の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ジャスティンは、小屋の中をうろつきまわるのを止めました。私はジャスティンの息吹が聴こえました。ゼーゼー、ウーウーという早い呼吸でした。ジャスティンはお腹を減らしているに違いありませんでした。お昼のトレーに、マフィンがあるのに気付きました。そのマフィンは、ジャスティンの手には届かないけれども、見えるところにありました。私はそのマフィンを近づきました。ジャスティンの鼻息は一層大きく、しかも、早くなりました。私はマフィンを細かくして、ゆっくりと自分の口に入れると、ゆっくりゆっくり噛みました。「うれしい」、「美味しいなぁ」って気持ちを示そうとしたわけです。

 

 

 

 

 

 このときには、ブルース・ペリー教授は、一言も言葉を発していません。ジャスティンの視覚の妨げにならないようにしていることが分かります。ブルース・ペリー教授がマフィンを食べている様子をよく見てもらってから、ジャスティンが「それ、ちょうだい」と自分の気持ちを表すのを、待ちたいからです。

 

 

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インターメッツォ : 聖書の生き方

2016-06-16 01:33:05 | 聖書の言葉から

 

 

 

 

 

 
本当に自分のためになることは、自ずから人様のためにもなる不思議
  ルターは回心したのも、ケツを出すトイレでしたが、言葉遣いもケツ言葉でした。 Young Man Luther 『青年ルター』p206の第3パラグラフから。 ......
 

 

 関根正雄先生の言葉を学んでいると、ほかの人の文書では感じることのできない何かがありますね。知的なだけではない何か。主体的な生き方? でも、それでも、言い尽くすことのできない何か? それが、もしかしたら、霊的なもの、スピリチュアリティ、なのかもしれません。今日も『イスラエルの思想』から。

 

 

 

 

 

 聖書的な生き方一度壊滅し無に帰した人間が戒めにより恵みとして新たに霊なる神に生きることを許された生き方である。そのような意味で、自分のわずかな経験を通して旧約を私は契約と律法から見たいのである。…現代の生き方は無信の信、無愛の愛、無望の望に生きることであり、この「」は我々日本人にとっては仏教にも深く通ずる「霊的」なものであるが、律法から戒めへの否定的転換を経たものであらねばならぬ、と総括しうる。そこに現代に生きる自由が生まれる。

 

 

 

 

 

 生まれながらの自分では、≪本当の自分≫ではないのです。一度生まれではなくて、2度生まれでなくてはならないからです。その事情を、関根正雄先生は、旧約聖書という舞台で教えてくれているところです。

 しかし、これは、学問的な研鑽を積んだ者だけが到達しうる境地か、と言ったら、それは全くの見当違いだ、と言わなくてはなりません。

 というのも、一番深い深層心理が現われたコラージュや箱庭をする小学生が、同様な道すじを通る場合があるからです。小学生でも「知っている」ことなのです。ですから、関根正雄先生が言う「無」は、クリスチャンや仏教徒の専売特許ではない。「無」を、目に見える形で、小学生が、箱庭やコラージュにして見せるからです。そうなれば、子ども達の眼がキラキラしだすので、すぐにそれと分かります「無」は意識できなくても、小学生でも確かな手ごたえを感じることができるのです

 

 

 

 

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