エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)という診断名は、臨床的にも非常に役立つ

2016-06-25 08:25:49 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 
子どもたちの復元力と≪人間皆兄弟≫
  日本の子どもたちは、ベトナム戦争にも擬えてもいいくらいの「戦争」の毎日を過ごしています。昨日のブログ 子どもの日常生活に、「平和」を!!でそう記しましたね。「平和」と言......
 

 

 「発達トラウマ障害愛着障害」という診断名は、非常に役立つものです。

 発達トラウマ障害(DTD)という診断が日本でも普通になれば、いま苦しまされている多くの子どもが救われますし、学校そのものが変わります

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、ADHDと一番間違います。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の71日目。

  今朝は、妥当性と信頼性の章の42日目。今日は発達トラウマ障害(DTD)という診断は本当の役立つの? という課題です。

 

 

 

 

 

発達上不幸な対人間暴力に晒されて、愛着関係がメチャクチャになり、既存の診断では十分に、あるいは、正確に記述することができない症状のある子ども達は、いくつもの診断名を貰うことが多いですし、いろんな治療機関を、治らないのに受診している(多くの場合、もっと悪くなっている)場合が多いんです。提案している発達トラウマ障害(DTD)の診断基準は、NCTSN(国立子どもトラウマ・ストレス・ネットワーク)の臨床データと、たくさんの臨床医の情報提供に基づいたものですし、完全にして、簡明で、しかも臨床的に意義深い診断になるように、設計されています

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)という診断基準は、学問的にも、臨床的にも、非常に役立つ診断名であることは、間違いありません。

 

 

 

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「真理」「正義」という言葉を口にできないウソつきたち

2016-06-25 07:10:12 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
感じることは、知ることの半分も価値がありません どっかで聞いたっけ?
  「コッソリやれば、バレないかも」と思ってやってるあなた、結局バレマッセ。お天道様が見てまっせ。 Young Man Luther 『青年ルター』p208の第3パラグ......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。演劇トラウマプログラムを通じて、言葉の豊かさと力に気付けた者は、自分の人生の意味を意味づけ、自分の人生を方向付けることができるようになります。ヴェトナム帰還兵のラリーさんは、初めはセリフをまともにいうこともできないようでした。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.345の第4パラグラフ。『ジュリアス・ジーザー』第4幕第3場のブルータスのセリフです。

 

 

 

 

 

   3月に思い出して。3月15日を思い出してみてください。

   偉大なジュリアスは、正義の為に、血を流したんではなかったか?

   ジュリアスを打っ刺した悪で

   正義の為でなかったものがいるのか?

 

 

 

 

 

 薬物依存でしたら、薬物を買う金を手に入れる為、ありとあらゆるウソをラリーさんは付いて来たと想像できます。その人が「正義」と言う言葉を使うことには、強い抵抗感がありますね。

 嘘つきのすれっからしは、「真理」だとか「正義」だとか「人格」だとか価値に関わる言葉を、口にすることもできないものです。

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発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、劇的な発達することが結構ある

2016-06-25 02:41:39 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
遊ぶ子は育つ
  人が退行するのは、根源的信頼感を豊かにしたいから。根源的信頼感が豊かであればあるほど、眼の前に発達危機を、肯定的、建設的な方向で展開することができるからです。それを子ど......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子どものセラピーには、すれっからしのウソとゴマカシは禁忌で、何よりも大事なのが真実ですね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.133の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 2週間後、ジャスティンは退院できるほど良くなりましたから、フォスター里親さんのところで暮らすことになりました。それからの数か月、ジャスティンは劇的な成長をしました。それは、わたくしが経験してきた中で、重度のネグレクトから劇的に回復した一番のものでしたね。このジャスティンとの経験のお陰で、その後、赤ちゃんの頃からのネグレクトされてきた子どもでも変化するんだということについて、見通しを持つことができましたよね。いまでは、私は、ネグレクトされてきた子ども達の予後に対しても、それまでよりもはるかに強く希望を持つまでになっています

 

 

 

 

 

 ネグレクトでも、脳の発達は相当歪められてしまいます。それでも、ブルース・ペリー教授が今日教えてくれているみたいに、劇的に発達します。

 発達障害ですと、こんなに劇的には変わりません。器質的な障害の厳しさですね。しかし、発達トラウマ障害(DTD)の子どもの場合、間違った治療と間違った関わりをされていることが多いので、真実な関わりをしさえすれば、心のエネルギーというガソリンをタップリと注がれますから、ポテンシャルが一気に開花して、劇的な発達することが、割合あります

 

 

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インターメッツォ : 敵を大事にする その訳

2016-06-25 01:40:21 | 聖書の言葉から

 

 

 

 

 

 
子どもたちの復元力と≪人間皆兄弟≫
  日本の子どもたちは、ベトナム戦争にも擬えてもいいくらいの「戦争」の毎日を過ごしています。昨日のブログ 子どもの日常生活に、「平和」を!!でそう記しましたね。「平和」と言......
 

 

 今宵も、本田哲郎神父様の言葉を学びたいと思います。真理に忠実な人は、実に鮮やかだなぁと感じますね。気持ちいいくらいですよ。『神は貧しく小さくされた者と共に 釜ヶ崎と福音』から。

 

 

 

 

   あなたたちも聞いているとおり、「あなたの隣人を大切にしなさい」、あなた

  の敵は憎め、と命じられている。しかし、わたしは言う。あなた達に敵対すると

  人たちを(τους  έχθρους  ύμων=あなた達の敵を[訳注:「あなた達のあの

  敵を」というのがより正しい])大切にしなさい。(マタイ五章43-44節/ルカ

  六章27-28節)げ

 

 貧しく小さくされている人たちには「敵」と見なすべき者たちがいることを、イエスははっきりと見ていました。それは現実の本当の敵でした。抑圧し、迫害する相手は、まちがいなく敵でした。ですからイエスはその人たちを「敵と思うな」とはいいません。彼らは、けっして妥協したり同調したりすべき相手ではないのです。

 そのうえで、イエスは、その対決し、敵対すべき人たちを、憎むべき人たちを、憎むのではなく「人として大切にしなさい」というのです。すなわち、「敵対することによって、彼らが人を抑圧する立場から解放されるように働きかけなさい」ということです。

 

 

 

 

 

 

 権力の無自覚な手先となったもの、小役人、バカ役人であることが多いその人たち。細かい枝葉末節ルールや手続きが大事で、弱い立場の人たちを蔑ろにしていても、その自覚も気づきもない

 そんな鈍感で、頭もそれほど良くない人たちに、内省と、ハンナ・アーレントがいう、本当に「考える」チャンスをプレゼントすることが、ここでイエスが「あなた達のあの敵を大切にしなさい」ということの意味です。


 

 

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