エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、普通の精神病でもない

2016-06-15 07:39:47 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
オートノミーと「小さな声」
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 「発達トラウマ障害愛着障害」と診断・アセスメントすることの大事さを、改めて考えていただけたらいいですね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、ADHDと一番間違います。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の63日目。

 今朝は、妥当性と信頼性の章の34日目。PTSDとの鑑別の続き。

 

 

 

 

 

発達トラウマ障害(DTD)の診断基準Aの子ども達は、普通の精神病のせいでもありません。フォード、オコーナー、ホーク(印刷中)が示していることは、発達トラウマ障害の診断基準Aの子ども達は、養育する親がいない、問題行動がある、体重(訳注:摂食障害のために体重の増減が極端にある)の履歴のある精神病のために入院している、他の子ども達と鑑別できる、ということです。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども達は、 幼いころから、親の暴力などを見たり、受けたりする、養育者がコロコロ変わることから安心・安全を貰えるような養育環境がない、ということが、発達トラウマ障害(DTD)の診断基準Aでした。そういう、発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、第一義的には、他の精神病とは鑑別できる、という訳です。

 

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紹介する自分はいないけれども・・・

2016-06-15 06:30:45 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 

 
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  ルターのケツ言葉は下品です。 Young Man Luther 『青年ルター』p206の第2パラグラフ9行目途中から。     ルターが、反......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、自分がないから、紹介できる自分がいません。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.343の、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 注意の中心が、リハーサルが始まると、自ずから違ってきます。養子に出された子ども達の、痛くて、独りぼっちで、怖い過去には、サヨナラして、「最高の役者になろう、最高の歌い手になろう、最高のダンサーになろう、最高の振付師になろう、最高の舞台デザイナーになろう、そのためにはどうすればいいのかな?」と考えるようになります。演じることができる、ということは、非常に大事なことなんです。何かができる力がある、ということが、トラウマからくる、力が出ない感じに対する、最大の守りになるからです。

 

 

 

 

 

 素晴らしいの一言です。 ヴァン・デ・コーク教授がいかに誠実に臨床をしているかがすぐに分かりますね。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の子どもとの関わり方の、お手本

2016-06-15 06:04:19 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
エリクソンは、30年後の日本の学校の現状を、予言していた?
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 発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の子どものジャスティンがケダモノになっていたのは、ケダモノ扱いされ続けたからです。
 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.131の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 「おじさんは、ベリー先生だよ、ジャスティン。ここで何が起きているのか、知らないでしょ。手助けしたいんだよ、ジャスティン。良いかい、いまから白衣を脱ぐからね。大丈夫だね、いいかい。もうちょっと、近づくからね。近づかない方が良いのかな? オッケー。どうなってるか見てみましょう。あぁ~、ネクタイも外すね。ネクタイはおかしんもんね、そう、やらせてね」

 

 

 

 

 

 

 実にお見事!

 

 

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インターメッツォ : 現代の中心的課題

2016-06-15 05:51:54 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
オートノミーと「小さな声」
    毛利衛さんのお母さん   その子ならではの要素とは? 感じをハッキリ言葉にすることの恵み 解釈する際に最も大事な要素は...>続きを読む......
 

  現代の問題と言えば、環境問題、エネルギー問題、核の問題、あるいは、生きる意味の喪失という問題、パンデミック…。でも、「それは違う」と言うのが、河合隼雄、原子物理学者のハイゼルベルグ、そして、関根正雄先生です。関根正雄先生の言葉から(『古代イスラエルの思想』)。

 

 

 

 

霊の問題は現代人、ことに知識人にははなはだ評判が悪いが、私はあえて評判の悪い立場に立ってみようと思う。しかし、現代の最先端を行っている人はむしろ、霊の問題が極めて大事だということに気付き始めている。

 

 

 

 

 

 それで、その例として、関根正雄先生は、河合隼雄とハイゼルベルグを引用されます。この本が書かれたのが1982年ですが、その後、WHO(世界保健機構)は、健康の定義の4番目に、「霊的に健康であること」を明示するようになりましたね。

 旧約研究、という昔話が好きな人のやることと思われるものが、実は現代人にとって必要不可欠な、それでいて日常では蔑ろにされている課題と、深く結びついた、実は深く実存的な研究であることの一端が、伺がわれるものだろうと思います。

 さすが、関根正雄先生、鋭いですね。

 

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