エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

≪出来事≫になる≪話し言葉≫

2016-06-02 08:30:27 | 聖書の言葉から

 

 

 
キリストの≪真≫こそ、神が下さる優しさです
    「キリストの≪真≫こそ、神が下さる優しさです」と気付くと嬉しい。嬉しいから、雰囲気や言葉遣いまで変わっちゃう。当然ですね。 Young Ma...
 

 

 矢内原忠雄先生の言葉の続き。矢内原忠雄先生が、軍部によって、東大を止めさせられることになった講演から。矢内原忠雄先生の言葉の中で、一番有名な言葉かもしれませんね(『矢内原忠雄全集』第十八巻)。奥さん同士が姉妹ですから、義理の兄弟でもあり、内村鑑三の兄弟子弟弟子でもあった藤井武の記念集会、1937年の講演から。

 

 

 

 

 

 日本の理想を生かす為に、一先ず此の国を葬ってください

 

 

 

 

 

 日比谷公会堂(当時の「日比谷公園市政講堂」)でこの講演があったのが、1937年。15年戦争を始めてすでに7年が経過しています。前年の1936年には、226事件があり、軍部が、暴力によって、人心を支配しつつある時代でした。

 矢内原忠雄先生の言葉を聴いたものの中には「非国民」と思った者があっただろうと思います。しかし、この「話し言葉」は、1945年8月15日に、「出来事」になります。

 私どもも≪出来事≫になる≪話し言葉≫を心掛けたいものですね。

 

 


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発達トラウマ障害(DTD)の決め手は、感情と行動がコントロール出来ないこと

2016-06-02 07:52:44 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
キリストの≪真≫こそ、神が下さる優しさです
    「キリストの≪真≫こそ、神が下さる優しさです」と気付くと嬉しい。嬉しいから、雰囲気や言葉遣いまで変わっちゃう。当然ですね。 Young Ma...
 

 

 「発達トラウマ障害愛着障害」と診断・アセスメントすることの大事さを、改めて考えていただけたらいいですね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、ADHDと一番間違います。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の52目。

 今朝は、妥当性と信頼性の章の23日目。今日は、反抗挑戦性障害。

 

 

 

 

 

反抗挑戦性障害

 

反抗挑戦性障害(ODD)は、発達トラウマ障害(DTD)の症状と被ります。たとえば、癇癪もちで、食って掛かるは、議論を吹っかけてくるは、イライラするは、なのですが、反抗挑戦性障害は、人を非難し、ひどくイライラし、意地悪で、他者に対して執念深いもので、それは、発達トラウマ障害(DTD)の特色ではありません。発達トラウマ障害DTD)という診断名は、特に感情のコントロールが出来ないことと、行動のコントロールが出来ないことに、対応するものであって、怒りや復讐心に関わることで、感情や行動がコントロールが出来ないこと、自傷や引きこもりに関わる問題行動、自分はダメだあという感じ、不安、人の気持ちが分からないことから来る対人関係がうまくできないことは、二の次のことなのです。

 

 

 

 

 

 つまり、発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害で反抗が目立つ場合もありますが、犯行に注目するのではなくて、感情と行動がコントロール出来ないことが主なのかどうかが、発達トラウマ障害(DTD)≒愛着障害の決め手だ、ということですね。

 

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犯罪少年教育プログラム

2016-06-02 04:11:35 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
とっても日常的な 「儀式をする関係」
  「儀式をする関係」は、とっても、個別的なのに、ある集団内にとっては、非常に典型的、という相矛盾した性質を同時に持ちまして、誠に臨床的です。 The lif...
 

 

  発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、非常に重たい精神病です。たくさんの人の協力と、民主主義的な話し合いが、発達トラウマ障害(DTD)の子どものケアには必要不可欠ですね。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.341の、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 2005年の冬と春、ボストンのいくつかの公立学校とマサチューセッツ州の犯罪者教育局が共催する特別な一日学校で、その出来上がったプログラムを試しました。それは混沌とした状況でしたが、生徒たちは、学校と刑務所を行ったり来たり。生徒たちはみんな、犯罪多発地帯の出身者で、身の毛もよだつ暴力に毎日されされてたんですね。私は、こんなに攻撃的で、不機嫌な子ども達に出逢ったことは、それまでただの一度もありませんでした。口を開けば激しい悪態をつくは、ケンカ腰に閉じこもるはという生徒たちに日々関わっている中学校や高校の教員たちのくらしを垣間見る思いでしたね。

 

 

 

 

 

 非常困難な、非常にやりがいのある関わり。でもね、アメリカには、犯罪を犯すように中学生や高校生の教育プログラムがチャァンとあるし、そういう教育プログラムを創り出していこう、という人々がいることに感動しますでしょ。言われたことをやるだけの、考えなしのルーティーン・ワークとは大違いですね。

 

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犬になったジャスティン

2016-06-02 03:22:39 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
出来事を生み出す言葉
   自由の子  日ごろから自分と対話している人が、他の人と対話ができるのです。 日ごろから自分の、静かな小さな...
 


 

 発達トラウマ障害≒愛着障害のジャスティンは、アーサーというおばあちゃんの内縁の夫、つまり、赤の他人のお爺さんの育てられることになりました。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.128、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 アーサーは意地悪じゃぁなかったけれども、子ども達に何が必要なのかは、全く分かりませんでした。アーサーは犬のブリーダーをして暮らしを立てていましたから、悲しいかな、ブリーダーとして知っていることを、赤ちゃんの子育てに当てはめたんですね。アーサーはジャスティンを犬小屋で飼いだしたんです。赤ちゃんも飯を暮らせれば、デッカクなるだろうという訳です。ですけれども、アーサーはジャスティンに言葉を掛けることも、ジャスティンと遊ぶことも、子どもを育てる時に普通の親がすることも、ほとんどやりませんでした。ジャスティンは、5年間犬小屋で飼われていましたから、犬だけが唯一の友達として毎日を過ごしていたわけですね。

 

 

 

 

 

 こうしてジャスティンは、人間ではなくて、「犬」になったわけですね。アーサーはお人好しでしたが、教養はありませんでしたね。

 

 

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