「発達トラウマ障害≒愛着障害」という診断名は、非常に役立つものです。
発達トラウマ障害(DTD)の診断があれば、他の診断をせずに、適切な治療とケアができるようになります。
発達トラウマ障害(DTD)の診断ができない場合は、適切な治療もケアもできませんから、その多くは虐待になります。
今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-Ⅴにハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の74日目。
今朝は、妥当性と信頼性の章の45日目。今日は発達トラウマ障害(DTD)という診断名は、特化した診断基準なのか? という課題です。
8)発達トラウマ障害(DTD)の診断基準の信頼性は、評価できるの?
信頼性。CCTC(シカゴ子どもトラウマ・センター)のデータが、全体としても、それぞれのクラスターとしても、発達トラウマ障害(DTD)の尺度信頼性を調べるのに用いられました。発達トラウマ障害(DTD)の症状のすべてとPTSDの症状すべてを合わせると、尺度信頼性は、クロンバックの信頼性係数が.91になります。発達トラウマ障害(DTD)の症状を、PTSDの症状なしで入れると、クロンバックの信頼性係数が.95になります。PTSDの症状だけだと、クロンバックの信頼性係数が.77になります。残りのクラスターのクロンバックの信頼性係数は次のとおり。クラスターBは、クロンバックの信頼性係数が.81、クラスターCは、クロンバックの信頼性係数が.88、クラスターDは、クロンバックの信頼性係数が.81です。これらのデータから、発達トラウマ障害(DTD)の診断基準の信頼性は、かなりの範囲で、強力に価値づけられています。
統計のお話。発達トラウマ障害(DTD)という診断基準は、信頼性も検証済みだということです。つまり、いろんな人が使える診断基準だということです。