エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 民主主義の習慣

2017-01-02 07:17:56 | 間奏曲

 

 

 

 
恵みの賜物
   葛藤が知恵と強さをプレゼントしてくれる  人を大事にすることは、葛藤がないことだ、と考えてしまうことは、大いなる誤解です。 p95下から13行目途......
 

 
 インターメッツォ 丸山眞男 ドナルド・ドーアさんの思い出で、ドナルド・キーンさんの丸山眞男教授評をご紹介したことがあります。いわく

「 偽善を見抜く力が、非常に優れていましたね。政治家の繕い、言っている言葉の裏にある本音を明かすのが、非常に上手だったんです。そして、それを明かす勇気もあった多くの人は、そうだと知っていても、「出る杭は打たれる」から、あまり言わないところが、丸山さんは言った。それだけの勇気があった。それで「偉い」と思って、良い友達になりました。」

 私どもも、アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちの「大ウソ」を見抜き、権力の座から引きずり下ろす必要があります。東電などの電機業界というアンシャンレジーム(古い権力体制)を新しい自然エネルギー中心の業界に生まれ変わらせることが必要です。新電力から税金を取って、原発の廃炉費用を賄うなどというのは、まさにアンシャンレジームを維持するための制度化ですから、やらせてはなりません。

 それに必要なのは、基本的人権の根幹、自由です。自由には、知る自由、批判する自由、権力を交代、チェインジさせる自由も含まれます。

 私どもは、民主主義のために、日々の生活の中で、自由に知り、自由に話し合い、自由に批判し合う…ということが習慣として必要です。

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聖書の言葉: υπομενω ヒュポメノー 待つこと

2017-01-02 02:24:47 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
森田三郎さんの祈り、山本太郎さんの祈り
   森田三郎さん  宇沢弘文先生に耳を澄ませば  宇沢弘文さん、雑誌『世界』に載る論文を時々読むくらいでした。しかし、この秋になくなって、様々な特集番......
 

 

 聖書の言葉で一番好きなのが、πίστις ビスティス、「信頼」です。2番目にすきなのが、υπομενω ヒュポメノー 「踏みとどまる」「待つ」です。 その大切さを教えてくださる、佐々木正美先生のことば。『子どもへのまなざし』(福音館書店)p.64から。

 

 

 

 

 

 教育とか育てるということは、私は待つことだと思うのです。「ゆっくり待っていてあげるから、心配しなくていいよ」というメッセージを、相手にどう伝えてあげるかです。

 

 

 

 

 

 これは、前の基督教独立学園校長の安積力也さんと同じです。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 倫理の中心課題

2017-01-02 01:59:15 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
恵みの賜物
   葛藤が知恵と強さをプレゼントしてくれる  人を大事にすることは、葛藤がないことだ、と考えてしまうことは、大いなる誤解です。 p95下から13行目途......
 

  今宵のエリクソンも、Insight and responsibility p.145。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。Insight and responsibility は、エリクソンの代表作なんでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 良心を、もう少しは、理に適っていて、残忍ではないものに、入れ替えることが、ひとりびとりの人が直面する倫理的な中心課題だと見なすべきでしょう。

 

 

 

 

 

 エリクソンのこの気付きは、臨床からの体験的理解だと思います。そしてそれは、ユングの考えとピッタリ同じでした。

 サイコセラピストは、良心の入れ替え、親替えが、αであると同時にΩなんです。

 

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馬がウマい

2017-01-02 00:55:00 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
大事な目的
   宇沢弘文先生に耳を澄ませば  宇沢弘文さん、雑誌『世界』に載る論文を時々読むくらいでした。しかし、この秋になくなって、様々な特集番組を見たり、お書......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.152、最期のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 何度も自殺しようとした後、マリアは私どもの居住型の治療施設にはいることになりました。はじめマリアは、一言もしゃべらず、しり込みしていましたし、人が近づけば、暴力的でした。他の方法では上手くいかなかった後、乗馬療法をすることになりました。乗馬療法では、マリアは毎日自分の馬を世話して、簡単な馬の乗り方を学びました。2年後に私がマリアに高校を卒業する際に話をしました。マリアは4年制大学に行っても良いと言っていました。私がマリアに「何が一番の助けになったんですか?」と訊ねたところ、マリアは「私が世話をした馬です」と応えたんです。マリアが私に話してくれたのは、マリアが初めて安心したのは、自分の馬といる時だった、ということでした。その雄馬は、毎日近くにいましたし、マリアが来るのをジッと待ってくれていましたし、マリアが歩み寄るのは嬉しそうでした。マリアは初めて、他の生き物と心からの絆を感じ始めて、マリアはその馬に、友達みたいに、話し始めたんです。マリアは乗馬療法をしている他の子どもたちとも話しをするようになり、次第にカウンセラーとも話しをするようになりました。

 

 

 

 

 

 乗馬療法と一応訳しましたが、馬に乗るのが主ではありません。馬と温もりのあるやり取り関係になるのが主たる目的です。実際、マリアとその馬は、そういう関係になり、マリアは人との関係も改善したと言いますもんね。

 日本では、馬と関われる人は極めて少数派ですね。友人で、乗馬療法を施設のプログラムに取り入れている人もいますけれどもね。

 実際に多いのは、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが、ネコやイヌと飼う例ですね。これなら割合よくあるパターンですね。発達トラウマ障害(DTD)の子ども等も、自分にセラピーが必要なことを、無意識裡に知っているからでしょう。

 でも、単に飼うだけでは、どうにもならない感じがありますね。やはり、ヴァン・デ・コーク教授みたいに、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが、ネコやイヌを飼うのを、見守る、その枠組み、守りが必要不可欠だと、私は考えますね。

 

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