トラウマ治療に役立つ薬もある でも日本では使えません
「救い」に至る戦い 改訂版 ガンディーの課題解決法とは、非暴力。それは、争い合うものが「共に成長する」不思議なやり取り。 p239第2パラグラ......
発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.154、第2パラグラフから。
最近の研究によって、「特定の遺伝子があるから、特定の結果がもたらされる」というような単純な考えは一掃されました。いまでは、たくさんの遺伝子が影響しあって、特定のの結果が生じるのだと解っています。さらに大事なのは、遺伝子は固定されたものではない、ということです。つまり、人生で起きることが、遺伝子のオン・オフを切り替える、生物科学的なスイッチとなるのです。メチル基や、炭素原子と水素原子の塊を、遺伝子の周りにくっつけ(DNAメチル化の過程です)、大なり小なり、身体からの信号に遺伝子が敏感になることが、そのスイッチになるのです。すなわち、人生で起こることが、遺伝子の動きを変えてしまうことがある一方で、遺伝子は基本的な構造までは変えないのです。ところが、さまざまなメチル化のパターンは、その子孫にまで受け継がれてしまいます。それは、エピジェネティックスとして知られています。繰り返しで申し訳ありませんが、身体は人生で起きたことを覚えている訳ですね。それも、身体の最深レベルで覚えている訳です。
心理学の領域というよりも、生物化学の議論で、なかなかついていけない領域かもしれません。エピジャネティックス(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%8D%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9)は、DNAの塩基配列は変わらないのに、DNAの働き方、表現型に変化があることらしい。今日のヴァン・デ・コーク教授の説明によれば、人生の出来事が、遺伝子DNAのはたらきのオン・オフを決め、しかも、その遺伝子の働き方が、子孫まで受け継がれてしまう、ということでしょう。
むずかしいですね。
でも、私なりに簡単に申し上げれば、親の長時間労働のために、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが出来てしまう(発達トラウマ障害(DTD)になるような遺伝子の働き方、現われ方)と、その子どもが親になって場合、その孫世代の子どもも、発達トラウマ障害(DTD)(発達トラウマ障害(DTD)になるような遺伝子の働き方、現われ方)に、遺伝的にもなりやすい、ということでしょう。「氏か育ちか」という古典的な命題は、エビジェネティックスの研究の結果、現実には錯綜しているということがハッキリしたわけですね。