エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 「自然」災害が多すぎるのは?

2017-01-06 11:22:28 | 間奏曲

 

 

 

 
違和感 偽物の臭い 子どもはウソを見抜きまっせ!
   自分が得することを、最も大事にする生き方  現代人、当然、今の日本人は、自分の暮らしが危うい暮らしだ、ということを感じている人が実際は多い。それは......
 

 
 東日本大震災以降、実に多くの自然災害がある感じがしませんか?

 熊本地震、鳥取地震、広島の地滑り、北海道や岩手などの台風による水害、…ちょっと思い出すだけでも、いろいろありすぎです。また、福島原発事故です。

 なぜでしょうか? 

 災害は、人間のコントロールができない。原発は人間が作り出したものですが、それも、自然みたいに、人間のコントロールを超えています。

 このブログの読者ならば、すでにご存知でしょうけれども、ヘブライ語で「ことば」を示す、ダーヴァールは、「出来事」という意味もありましたね。人間がコントロール出来ないことが次々起ることが、「ことば」だとしたら、それは何という意味になりますか?

 それは、「思い上がることなかれ」ではないでしょうか? アベ・詐欺師ちゃんと悪魔の仲間たちのあまりにも「思い上がった」態度や、人間を超えた存在を忘れた私ども日本人の日頃の態度などに対して、「思い上がるなよ」と言っている感じがしますね。

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人生の不思議に出逢える2つの態度

2017-01-06 06:26:35 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
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 乳児期から幼児前期。生まれた時から3歳位までのことを、人は覚えていませんね。「幼児健忘」と呼ばれたりします。でも、人の一生の土台ができるのも、この時期ですね。根源的信頼感と根源的不信感の割合がこの時期決まってしまうからです。もちろん、その後で、その割合を修正することはある程度可能ですが。赤ちゃんの頃に根源的信頼感の割合が豊かだった場合は、「困難なことがあっても、希望を失わずに生きられる」という人品、人間力を身に着けることができるんでしたね。ですから、対人関係、自分の気持ちをどれだけ素直に表現できるのか、それとも、ガマンして飲み込んでしまうのか…というような、とても大事なことも、記憶に残ることのない3歳までの経験が物を言うことになります。

 でも、それだったら、幼いころのことも記憶に残ってくれていたらいいのに、修正しやすいのに…、と思わざるを得ません。でも、申し上げたしたように、そうはなっていませんね。なせでしょうか? 不思議ですね。

 逆に申し上げれば、そのことが単に知らされただけでは、なかなか納得しない人もいます。なかなか腑に落ちません。それは、方程式みたいな、科学的知識ではないからですね。体験知、臨床の知、人格的真理なんですから。

 私も何故かな? と考えてみたんです。3歳までの記憶を、人間に与えないのが、神様の仕業だ、としますね。そうしたら、神様はなぜ、そんな「バカ」をやったのか? 神様の仕業には、必ず目的があるんですね。ですから、大事な体験を人から隠している神の仕業の目的は何だろうか? と考えました。

 ひとつは、人間が思い上がりやすい存在だということと関係しているのだろうと思います。肝心なところは自分は知らないんだと解ったら、人は謙遜でいやすいのではないでしょうか?

 でも、それだけではなさそうですよ。人間は思い上がりやすいですから、人生は自分の力で何とでもなる、と思いがちでしょ。でも、実際はどうでしょう。人生は「まさか(魔坂)」の連続でしょ。でも、その「まさか(魔坂)」の絶望の中、思いがけない不思議が隠れているものですよね。昨日ご紹介した佐々木正美先生のご家族と、佐々木正美先生のお仕事に、そのような、思いがけない不思議な恵みがあることにも、お気づきだろうと思います。

 その思いがけない不思議に出逢えるなら、本当に心から幸せ、ハッピー、ラッキーと言えますでしょ。でも、その、心からの幸せ、ハッピー、ラッキーには、2つの心の態度が必要不可欠なんですよ。

 それは、「困難があっても、絶望せずに信頼し続ける信頼」と、「困難があっても、≪いまここ≫、自分の持ち場から逃げ出さずに、“明けない夜はない”と踏みとどまり続けること、その待ちの姿勢」です。それが、ピスティスであり、ヒュポメノーです。

 それを手助けするのが、サイコセラピストかもしれませんね。

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精神疾患は、悪い遺伝子のせいではなく、やり取りのない人間関係のせい

2017-01-06 03:33:04 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
「叡智」という鼻
   自分が得することを、最も大事にする生き方  現代人、当然、今の日本人は、自分の暮らしが危うい暮らしだ、ということを感じている人が実際は多い。それは......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.153、ブランクから。

 

 

 

 

 

 悪い遺伝子

 

 こんなにみんなが問題を抱え、こんなに困難を抱えた患者さんたちがいたら、単純に悪い遺伝子にせいにしがちかもしれませんよね。科学技術はいつでも、研究に新たな方向性をもたらしますし、科学技術のおかげで、遺伝子検査ができるようになれば、精神医学は精神疾患の原因になる遺伝子を探すようになりました。遺伝子の因果関係を見つけることは、特に、統合失調症、すなわち、かなりよくある(人口の1%に当てはまる)、重度で厄介な精神疾患であると同時に、家族の中で遺伝されていることが明らかな精神疾患、にも当てはめた感じです。しかしながら、このかた30年、何百万ドルものお金を掛けて研究してきたのに、統合失調症やその他のどの精神疾患に共通した遺伝のパターンを見つけることができませんでした。私の同僚は、トラウマ・ストレスを高めることになる遺伝子を見つけようと努力しました。その問いは継続していますが、これまでは確固として答えが見いだせずにいます

 

 

 

 

 

 これだけ遺伝子情報が解析されても、統合失調症はじめ、どの精神疾患でも、特定の悪い遺伝子が原因になっている、という証拠は見つからない、とヴァン・デ・コーク教授は言います。

 精神疾患は遺伝子が原因ではないようですね。人間関係の病、それが精神疾患ですその代表が、発達トラウマ障害(DTD)というべきでしょう。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : やり取りこそすべて、その② 人間力、人品が身につくのは、やり取りがある時だけ

2017-01-06 02:13:49 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
臨床心理の創造的な実践者
   自由 :自分を売らない生き方の基本 3訂版  基本的人権で最も基礎になるものはなんでしょうか? ちょっと考えてみてくださいね。何なんでしょうか? ......
 

 今宵のエリクソンも、Insight and responsibility p.231。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。さらに、やり取りの大切さがわかる、感じが続きます。

 

 

 

 

 私は、やり取りこそ、2人の人がお互いにそれぞれの人生の舞台で身に着けるべき人間力、人品を育て合う関係だと申し上げたいのです。

 

 

 

 

 

 

 このブログの熱心の読者であれば、エリクソンは人生を8つの舞台(人生劇場の八つの舞台? 早稲田大学の影響?、冗談ですよ)があり、それぞれに危機があると言っていることをご存知ですよね。その危機を一つ一つ乗り越える度に、人間力 、人品 すなわち、virtueを身に着けることができる、という訳ですね。

 例えば、赤ちゃんの時期の危機とは、根源的信頼感と根源的不信感のいずれの割合が大きくなるのか、その危機にあるのが赤ちゃんだという訳ですが、幸いにして、根源的信頼感の割合が多くなれば、hope  「困難があっても、希望を抱きつづけることができる力、陽気な勇気」という人間力、人品を身に着けることができます。逆に、根源的不信感の割合が優れば、その赤ちゃんは、発達トラウマ障害(DTD)になってしまい、あらゆる発達に、恐らく取り返しがつかないだろう、遅れと偏りが生じてしまいます

 その相手になるのが、母親ですから、人生の舞台は、成人期。成人期の危機は、「次世代を育む」のか、それとも、「自分のことしか考えない」のかでの危機す(心と心が響き合わないと、心は育ちませんよ。それまでの人生が問われる「大人の時代」)。幸いにして「次世代を育む」割合が豊かになれば、care、すなわち、「困難があっても、弱い立場の人を大事にする力、陽気な勇気」という人間力、人品を身に着けることができます残念ながら、「自分のことしか考えない」割合が大きくなると、仕事や会社を口実や大義名分にして、口ではエラそうなことをいっても、現実には子どもっぽい感じの中年になります

 今宵のエリクソンが教えてくれているのは、赤ちゃんが根源的信頼感を育てることができて、hope  「困難があっても、希望を抱きつづけることができる力、陽気な勇気」という人間力、人品を身に着けることができるのは、お母さんが、「次世代を育む」ことを豊かに出来て、care、すなわち、「困難があっても、弱い立場の人を大事にする力、陽気な勇気」という人間力、人品を身に着けることができる場合だけだ、ということです。

 その2人を繋ぐのが、やり取り陽気で楽しい関わりです。 

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