エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考:高速道路逆走、車の突っ込み…

2017-01-09 07:42:27 | 間奏曲

 

 

 
ルターは面白い 改訂版
   生かされている、不思議な命 3訂版  自分の命。実に不思議ですよね。昔、保育士を目指す20才前後の人たちに話したことがあります。それは、昔ビートた......
 

 

 高速道路を逆走する、自動車が建物に突っ込む、通学中の子どもの列に自動車が突っ込む…。

 年寄りの免許証は取り上げた方が良い、そういう議論がまた起こるのでしょうか?

 あるいは、違法ドラックでも、バカがやって、運転したんだろう、違法薬物の取り締まりを厳しくして、その刑罰を厳罰化した方が良い、そういう議論にまた流れるのでしょうか?

 でも、私は別の見方をしたいと思うんですね。

 毎日子どものサイコセラピーをしていますでしょ。すると、かなりの数の子ども、小学生から高校生に解離、転換症状が見られるんですね。意識が「今ここ」にない状態です。私たちでも、時々ポオってすることってあるでしょ。私なども、「いつもボヤっとしている」などと言われることが多いのですが、「ヤボ(谷保)生れ、ヤボ(谷保)育ちですから…」などとボヤケタ言い訳をしています。

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもの内、かなりの子どもに解離、転換症状があります。解離、転換症状のひとつに、解離性遁走というものがあり、これは夢遊病者然として、遠出をするものです。私は、高速道路逆走、建物への突っ込み、児童の列への突っ込みの一定程度が、発達トラウマ障害(DTD)の大人の解離性遁走だとみています。

 ニュースや新聞では、一行も一言も言いませんけれども、違法薬物、違法ドラッグ、認知症だけではなく、発達トラウマ障害(DTD)に伴う解離も、意識のないまま自動車の暴走させることで、死傷事故を起こしているかもしれない、ということを、私どもは覚えておきたいものですね。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 子どもと関わる時の黄金律

2017-01-09 07:02:38 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
ジョアンの覚悟は、涙が出るほど、素晴らしい!!
   ビジネスライクで生きましょう?? 日和見の正義と真実 信頼のもとなるスピリット。その悦び。 p98の14行目途中から。      現代の.........
 

 今朝のエリクソンも、Insight and responsibility p.233。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。黄金律のお話。

 

 

 

 

 

 黄金律はこんな風に理解したいですね。すなわち、…皆さんが自分の持ち味を精いっぱい伸ばすように、子どもの持ち味を目いっぱい育む、のが、サイコー、ということです。

 

 

 

 

 

 

 さっきの「約束の地」の話と被りますでしょ、自分の持ち味をせいいっぱい伸ばすには、自分が幸せでないとね

 

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ネグレクト=長時間労働が、子ども等を発達トラウマ障害(DTD)にしている

2017-01-09 06:33:37 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
愛着障害の子どもは、誤診され続けている 子どもの視点は見捨てられ続けている
   他者の誠実さに自らを委ね続ける態度 改訂版  ガンディーにとっては、敵も味方も皆兄弟。傷つけていい相手などいないのですね。 p239最後の行から。......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.154、第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 ストレスがいっぱいの経験が、人間の遺伝子の表現に影響する、ということが解かり出したところですね。お腹が大きい時に、ケベックの氷の嵐の中で、温もりのない家に閉じ込められていた母親から生まれた子どもたちは、身体の温もりが一日中保たれた母親から生まれた子ども達と比べて、エピジェネティックスに大きな変化がありました。マッギル大学の研究者モーシュ・スジフは、イギリスで最下層と最上層の子ども達の、何百人ものエピジェネティックスを調査して、両方の集団のエピジェネティックスに対して、子どもを虐待することが影響するかを調べました。社会階層での違いは、そのままエピジェネティックスの違いになると思われましたが、二つの社会階層で虐待された子ども達は、73の遺伝子において、共通する変異がありました。スジフの言葉を借りれば、「私どもの身体に大きな変化が起きるのは、化学物質や毒素によるばかりではなくて、生まれ持った体に人がどう関わるのか、その仕方にもよります」、ということです。

 

 

 

 

 

 経済的に豊かか貧しいかに関わらず、虐待やネグレクトされれば、子どもの身体に影響します。ニッポンの場合に一番大きく影響している、と私が感じるは、長時間労働です。ネグレクトは、ネグレクトと翻訳される場合が多いですが、それでは不十分、「ネグレクト=長時間労働」とするのが、ニッポンでは現実的、実際的。長時間労働が、子どものエピジェネティックスに大きな悪影響を及ぼすのです。

 エピジェネティクスとは、DNAの塩基配列に変化がないのに、ゲノム・遺伝子の機能のあわられ方に変化が生じることを研究する遺伝学の新しい研究分野です。

 

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聖書の言葉 約束の地

2017-01-09 04:53:36 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
MDMA(エクスタシーと言う麻薬)を使いたい人もいる
   他者の誠実さに自らを委ね続ける態度 改訂版  ガンディーにとっては、敵も味方も皆兄弟。傷つけていい相手などいないのですね。 p239最後の行から。......
 

 『旧約聖書』の「出エジプト記」などに、エジプトで奴隷をしていたユダヤ人を、奴隷の身分から解放して、自由人になれるカナンの地へと導く話が、出てきます。そのカナンの地を、「約束の地」と言います。普段は「契約」と言う特殊な言葉が大好きな聖書学者の人たちが、ここでは一貫性を欠いて「約束」と翻訳しています。聖書で「契約」とされている言葉は、雨宮慧先生や本田哲郎神父様がおっしゃるように、全て「約束」としてた方が良い

 「約束の地」は「乳と蜜の流れる土地」と新共同訳(聖書の日本語訳には、様々なものがあります。本屋さんで売っている聖書は、たいていこの新共同訳)で訳されています。これについて、エッリッヒ・フロムが触れているところから。The art of loving  関係に誠実である生き方 から。p.46.

 

 

 

 

 

 「」は生まれてはじめて「関係に誠実にされる」こと、すなわち、面倒を見てもらい、大事にされることの象徴です。「」は「生かされている喜び」、「いのちに対する慈しみ」、「生かされている幸せ」の象徴です。「乳」をやることはできても、「蜜」をやることのできる母親は少ないですね。お母さんになるには、「いい母親」であるだけじゃダメなんですね。お母さんになるとは「幸せな1個の人間」とならなくっちゃね

 

 

 

 

 

 見事ですね。「いい母親」になろう、というだけじゃ、「母親」にもなれないささやかなことに喜びを見つけ出せるだけの、ゆとりと感性を持てて、初めて幸せを感じることができますから、そのゆとりと感性がない人は、生物学的には母親になっても、「母親」ではないのです。残念なことですが、その意味での「母親」が、今日のニッポンでは、絶滅危惧種なのです

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