エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考:  発達トラウマ障害(DTD)の大学生たち

2017-01-05 07:28:08 | 間奏曲
 
ノーマーク  宗教程、恐ろしいものはない!
   「自分の暮らしは脆いものだった」と気付くとき  ここ20年以上、日本は息詰まっていると感じている人がとっても多い。閉塞感を感じている人がとても多い......
 

 先日、滝乃川学園時代の先輩たちと、久しぶりに会う機会に恵まれました。いまは、社会福祉士養成コースの大学で教員をしている先輩の1人が、「日ごろ関わる学生の自尊感情がとても低いとこぼしていましたね。

 私は、例によって、発達トラウマ障害(DTD)の話しをワンパターンに話しました。発達トラウマ障害(DTD)は、4つの領域で課題が重たいこと、1)自尊感情、自己評価が低い、2)対人関係がうまくとれない、3)目的のある課題、勉強や仕事などを継続し、集中力を持続することができない、4)感情と行動をコントロールすることができない、それから、その背景に、日常生活の中で常に高いストレスを抱えていて、コルチゾールなどのストレスホルモンが分泌し続けるので、脳の発達が阻害され、免疫システムやホルモンシステムなども、不調をきたす…、というお話です。

 今どきの大学生にも、かなり当たっているようですが、その先輩も、発達トラウマ障害(DTD)のことは知らなかったようです。

 発達トラウマ障害(DTD)は、ことほど左様に、大学教育の中でも、課題です

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聖書の言葉: 天の配剤 Angel sharing

2017-01-05 06:49:01 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
悪魔の夢中 悪魔と一緒
   ガンディーの課題解決法  臨床では、自分が生活している時の倫理、建前の倫理ではなく、本音の倫理が物を言いますよね。自分の声を日頃から聴いて居れば、......
 


 天の配剤。Angel sharing.

 もともとは、ウィスキーを醸造、熟成させるときに、樽の中のウィスキーが揮発して? 時間の経過とともに少しずつ減っていく、それと同時に熟成が進むのだそうですが、その減っていくウィスキーは、天使が少しずつ飲んでいるのだろう、天使にウィンキーを飲んでもらうことで、ウィスキーの熟成が進むのだろう、ということから、この言葉ができたやに、聴いています。

 佐々木正美先生の『わが子が発達障害と診断されたら 発達障害のある子を育てる楽しみを見つけるまで』(すばる舎)を読んでいましたら、ここにも天の配剤があることを、強く感じました。ただし、天の配剤と言う言葉が、聖書にある訳では必ずしもありません。

 この本の中で、佐々木正美先生は、ご自分のご家族のことを正直に話されています。義理の父親、すなわち、奥さんのお父様は、以前このブログでも取り上げましたが、岩島公と言います。『永遠の日本』という聖書雑誌を出し続けた、無教会の伝道者です。内村鑑三最晩年の弟子の1人です。その岩島公は、アスペルガーであったと言うんですね。関心が1つに集中しがちですが、それは、思いもかけない深みに繋がる実例として紹介してくれています。内村の弟子らしく、太平洋戦争中、文字通り命がけで「戦争に反対」と公言したそうです。そのために、教師の職を追われて、各地を転々とせざるを得なかったらしい。娘であった、佐々木正美先生の奥様は、小学校を5回も転校しているというほど。どれほど艱難辛苦があったことか、想像できません。まるで、内村鑑三が、不敬事件後に、東大の前進である、第一高等中学校の教職を追われた後、日本全国を転々としたのに、同じだ、と私は感じましたね。

 佐々木正美先生は、お子さんも含めて、ご自分のご家族に、アスペルガーなどの発達障害がある人に囲まれて、生きて来られたことを正直に話してくださっています。佐々木正美先生は、自閉症の優れた療育プログラムである、ティーチプログラムをノースカロライナ州で学ばれて、日本に紹介した第一人者ですよね。また、発達障害も含めて、子育て相談を文字通り日本中でされています。そして、ご自分のご家族の障害の良さを認めて生きて来られたのと比例して、発達障害のあるなしに関わらず、相談のお子さんたちの良さを認めていく関わりをされてきましたね。

 これは、発達障害のある人たちに恵まれたがゆえに、発達障害のあるなしに関わらず、子育て相談にも恵まれて、相談に来た人たちにも、恵みを分かち合えた、と言えるのではないでしょうか?

 これこそ、まさに、天の配剤、恵みの分かち合い、でなくて何でしょうか?

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すべては、発達トラウマ障害(DTD)を認めてから、始まる

2017-01-05 00:58:02 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
人生9番目の舞台
   お役所仕事の狂気 その2 改訂版  お役人はウソを言うのが仕事なんですね。それも平然として、何事もないかのようにウソを言います。詐欺師と何の違いも......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.153、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私どもがこういった、発達トラウマ障害(DTD)の子ども等のいろんな問題を解決できると希望が持てるのは、こういう子どもに起きている事実を正確に定義できる場合であると同時に、そのいろんな問題をコントロールする新薬を開発したり、「病気」に対応する「特定の」遺伝子を見つけ出そうとしたりする以上のことができる場合だけなんですね。課題は、発達トラウマ障害(DTD)の子ども等が、その子ならではの持ち味を生かせる生き方ができるように支援する方法を見つけ出すことですし、そうすることによって、納税者の収める税金を何百万ドルも節約することでもあります。この挑戦の道すじは、様々な事実に正面から向き合う事からしか、始まりません

 

 

 

 

 

 子どもに起きている問題が、発達トラウマ障害(DTD)だと認めることから、全てが始まります

 子どもに起きている問題が、発達トラウマ障害(DTD)出と認めることができなければ、何も解決しません

 

 

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 人類の希望の源  やり取りこそすべて All you need is mutuality

2017-01-05 00:33:12 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
(発達)トラウマ治療に、脱感作も効かない!?
   ガンディーの課題解決法  臨床では、自分が生活している時の倫理、建前の倫理ではなく、本音の倫理が物を言いますよね。自分の声を日頃から聴いて居れば、......
 

 今宵のエリクソンも、Insight and responsibility p.231。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。昨日の続きという感じです。

 

 

 

 

 

 実際に、やり取りこそが、希望の源ですし、人のためにもなり、倫理的でもある、人間のあらゆる務めに欠くことのできない要素です。

 

 

 

 

 

 

 

 赤ちゃんとお母さん(ときには、お父さん)がやり取りがあることが、人類の希望の源です。その象徴が、エリクソンの指摘通り、聖母マリアと赤ちゃんのイエスを絵にした、聖母子像です。

 

 

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