エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

安心して失敗できるから、信頼できる

2016-07-29 04:43:04 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
高齢者もイキイキ、ピチピチ
  私どもも、「死ぬのが愉しみ」と言える老賢者になりたいものですね。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p63の第2パラグ......
 

 

 2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。 発達トラウマ障害(DTD)のセラピーだけでなく、発達トラウマ障害(DTD)の元になってる、家庭、学校、職場などでの、ネグレクトや虐待を止めなくてはなりません。 

 最終章の第7章、p.279の、3行目途中から。

 

 

 

 

 

さらには、失敗するんじゃないかという恐れ、セラピーがうまくいったときに人生はどうなるんだろう(「このセラピストは、私を見捨てるのかしら?」「普通の暮らしができるのかしら?」)、ということに関する恐れによって、トラウマを負わされた人たちは、非常に怖れを覚えます。結果として、セラピストの関係が繰り返し試されて、その関係が何度も、躓きと修復を繰り返すことは、セラピストと共に治療していくことを信頼する上で、避けられませんこのような経験をすればこそ、クライアントは、関係がうまくいかなくても、安全に解決し、結局はうまくいくようになるということを学べるものだ、と言っていいのです

 

 

 

 

 

 安心して失敗できる関係が、信頼を育むのです。失敗しても責められず、また、修復可能だということを体験できるからです。セラピストとの関係も、そうありたいですね。

 

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精神障害大国 津久井やまゆり園の犯人も

2016-07-29 03:35:44 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
歴史の教訓の一例として 山崎豊子さんから
   なんで、今の日本には、こんなにウソとゴマカシが溢れているのか?  儀式化 ≠ 神経症(不安障害)!?2013-07-27 01:37:10 |&n......
 

 神学のお話は、さほど人気がありませんでしたね。でも、私自身が大切にしていると ころなので、また折を見て、神学の分野の言葉を取り上げたいと思います。4日ぶりに
、 Childhood and Society 『子どもの頃と社会』の至言に戻ることにしましょう。p.254から。

 

 

 

 

 

 

 自分が大事にされているという気持ちを失わずに、自分のことをコントロール出来ているという感じからは、善意と誇りという感じが、生涯残ります自分のことを自分ではコントロール出来ず、知らない内にコントロールされているという感じからは、人も自分も疑う気持ちと、自分はダメたぁと恥じる感じが、一生涯いつまでも付きまといます

 

 

 

 

 

 これは、エリクソンのライフサイクル論で、2番目の段階、幼児前期と言われる1才半くらいから3歳位までの子どもの気持ちを言ったところです。普通人の記憶に残らない体験と、その時の気持ちを明確にしてくれているところですね。

 そのような幼子に対して、「大事にしよう」と思って関わるのか? それとも「どうせ分からないだから」と軽く扱って関わるのか? 普通はあまり意識しないで、関わることの方が普通ですから、大人の自分の態度がどうなのか、考えずに過ぎてしまう時期かもしれませんね。

 ところが、赤ちゃんの時期の関わりが、生涯消えることのない感じを幼子に与えることになるとしたら…?

 いま、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが日本中に溢れていて、その多くが、あらゆる形の依存症、うつ病、統合失調症、境界性人格障害はじめ、いろんな人格障害などになっちゃってます。それは、親、保育士、教員、医者、心理士、福祉施設職員らが、子ども達との関わりのおいて、子どもたちが、自分のことを自分ではコントロール出来ず、知らない内にコントロールされているという感じを押し付け続けているからです。かくして、ニッポンは立派な精神障害大国になっちまっています。津久井やまゆり園の「犯人」も、その手の、押しつけがましい大人たちの関わりの犠牲者の一人でしょう

 それは、大人たちが、赤ちゃんの時期や幼子の時期に、この子どもを、「どうせ分からないんだから」と、大人達に都合よく、コントロールしている賜物です。

 

 

 

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心の、たった一つのガソリンの在り処

2016-07-28 09:04:23 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 


歴史の教訓の一例として 山崎豊子さんから

2015-07-28 01:54:14 | エリクソンの発達臨床心理

 


 発達トラウマ障害(DTD)の子ども公衆衛生上でも、社会福祉の上でも、学校教育の上でも、最大の問題だ、と考えますが、ニッポンでは、まだ、発達トラウマ障害(DTD)の存在すら認識されていないのが、悲しき現状です。残念です。発達トラウマ障害(DTD)の子どものは、特に、継続的に、誰かが、僕を知っていて、大事に思ってくれて、大好きでいてくれる、という自信をプレゼントすることになる、陽気で楽しい時間をプレゼントしてくれる大人が必要です。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.352の第3パラグラフの7行目途中から。

 

 

 

 

 

誰かが自分を大事に思ってくれているという自信がなかったら、私どもは何かができるという主体性の感じは育ちません。その感じがなければ、私どもは自分の意見をハッキリと口にすることもできません。「私はこう信じています。これこそが私が依って立つところです。これが私が身を捧げようとするものです」。自分を大事に思ってくれる人のこころにも、頭にも、大事に思ってもらえていると安心している限り、私どもは、山に登ることもできますし、砂漠を横断することもできますし、計画が終わるまで夜を徹することもできます。子ども達でも、大人達でも、信頼する人たちの為、価値があると認めている計画の為でしたら、何でもやろうとするものでしょ。

 

 

 

 

 

 かくのごとく、信頼されていること、大事に思われていること、その感じが、心の唯一のエネルギー源です。誰かが自分を大事に思ってくれているという自信が、心の唯一のガソリンなんですね。

 

 

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マッサージ・セラピーの3つの「よし」   鳥越さんの真似?

2016-07-28 08:22:17 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 


 

取引はよくあることですが、所詮「一時避難所」です。

2015-07-28 08:28:02 | アイデンティティの根源

 

 悪い良心を、エリクソンは何度も取り上げますよね。それだけ、悪い良心に苦しんでいる人が多いし、エリクソンのところに治療に来る人も多かったんでしょう。

 Young Man Luther 『青年ルター』p215の3行目途中から。


 

 

   発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。甘えが全く足りません。マッサージという簡単な方法が、その甘えを提供するうってつけの方法ですから、マッサージ・セラピーを母親にやってもらえば、母子関係の改善に繋がります。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.142の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 何も強制されまることはありませんでした。コナーは、初めは触られるのが嫌がっていたことは知っていましたから、「『やり過ぎ』だという、コナーからのサインに、セラピストは敏感でいてね」と伝えました。セラピストが徐々に刺激を強くしていくのは、それまでのタッチのやり方や強さがコナーに馴染のものとなり、安心できるものになってからでした。そのマッサージ・セラピストは、セラピーを始める最初に、マッサージを「試す」ために、コナー自身が自分の手にマッサージをして貰って、それに馴染んでから、コナーの指や手のマッサージを始めました。セラピストは、次第にコナーの身体のマッサージするすべての部分に触れたり、次第に深いマッサージをしたり、出来るようになりました。コナーのママも、コナーにリードに従うように教えられ、コナーが圧倒されないように触れることを教えられました

 

 

 

 

 

 マッサージ・セラピーは、発達トラウマ障害(DTD)の子どもにとっても良いし、発達トラウマ障害(DTD)の母親が、自分の子どもとの関係をよくしたい場合にもいい感じですね。しかも、母子関係を母親がリードでするのではなくて、子どもがリードする点が良いですね。これが、マッサージ・セラピーの3つの「よし」です。

 

 

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安心・根気・理解

2016-07-28 02:51:25 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 


高齢者もイキイキ、ピチピチ

2015-07-28 06:56:22 | エリクソンの発達臨床心理

 

 私どもも、「死ぬのが愉しみ」と言える老賢者になりたいものですね。

 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p63の第2パラグラフから。


 2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。 発達トラウマ障害(DTD)のセラピーだけでなく、発達トラウマ障害(DTD)の元になってる、家庭、学校、職場などでの、ネグレクトや虐待を止めなくてはなりません。 

 最終章の第7章、p.278の、最後のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 ほとんどの臨床家は、うまくいくセラピーのはじめの一歩は、セラピーでの関係それ自体で、クライアントが、安心と安全を始めて経験するものになることだ、と考えるのが普通です。(でもね、)幼いころから、いろんなことが繰り返しトラウマになっている人たちは、セラピーでの関係も、少なくてもはじめの内は、怖いものになるかもしれないと思っている場合が多いんですね。というのも、こういう人達は、かつては、大人からずっと虐待されてきたからです。そういう人はひとりびとり、セラピーの関係も、これまでの大人との関係みたいに、怖くて、危険で、バカにされるものになるだろうと思ってしまうのも、無理はありません。それに加えて、トラウマを負わされた人たちは、無視されたり、ホッタラカシにされたり、見捨てられたりするんじゃないかと心配していることが多いんです。それも、真摯に助けて、と訴えることも含めて、人に自分の経験を伝えようとしても、相手にされないことが多かったんですね。

 

 

 

 

 

 

 ですから、サイコセラピストは、根気強く、発達トラウマ障害(DTD)の子どもの相手になり続けるのです。それがとても大事です。大事なのは、根気強く相手になることです。そのためには、発達トラウマ障害(DTD)の子どもの心理をよくよく理解していることがなくてもできません。

 

 

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