午後は渓谷に咲くシュスランの仲間を見に行きます。
渓谷といっても深い山の渓谷とは違い、低い山々の合間を流れる
沢のような所です。
薄暗い沢沿いは、シダ類が多く、フウトウカズラに覆われていたり
カゴノキ、ヤツデなどの木々が目立ちます。
そんな渓谷の崖や法面にオオシマシュスランが点々と着生
しています。
薄暗いシダの茂る谷間に、スッと立つように咲くオオシマシュスラン
ランの花が咲く景色の中でも、特に気に入っています。
熱帯の密林の中を思わせる雰囲気が何ともいえません。
ここの渓谷に咲くオオシマシュスランは、丈が20cm以上ある株
も多くあり、独特の雰囲気があります。
ここではカゴメランも花を付けています。
やまそだちさんが、帰ってからラン科に詳しい友人の方に聞いたり
調べたりした結果、千葉の房総に咲くカゴメ模様のランは
ハチジョウシュスランでカゴメランに似た模様を持つ種類という
ことだそうです。
カゴメランはハチジョウシュスランの亜種ですが
自生地は九州南部から沖縄にかけて自生しているようです。
いままで私はカゴメランとしていましたが、
ハチジョウシュスランの株が正解のようです。
沢を詰めて行くと狭く溝を歩いていたような谷から出て
少し明るいマテバシイの多い森が現れます。
壁に着生していた花も足元へと移ってきました。
ここで初めて基本種であるハチジョウシュスランが現れました。
中央の葉脈に沿って白い斑が大きく入る葉、この株にはカゴメ模様も
薄くはいっています。
カゴメ模様がない株もあります。
上から葉の模様に焦点を合わせて見ます。
やまそだちさんの三脚も立てやすい場所になりました。
オオシマシュスランもハチジョウシュスランの品種で
葉に模様がない全緑の葉の株をそう呼びます。
個体数は他のシュスランと比べると多く
葉も花も地味な感じです。
午前中に見たように道の脇でそっとに咲いている株も多いのですが
ここの渓谷で見るこの花はとても立派で着生している景色は
先週のジョウロウホトトギスと同じで、とても絵になる光景です。
周りのシダやコケに溶け込んで、邪魔もしなく主張もしない・・・
そんな景色がとても気に入ってしまいました。
9月16日