コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

北ヤツ ~ 縞枯山

2021-12-30 03:54:12 | 登山

数年に一度の寒波も午後には抜けて冬型の気圧配置も緩む予報でしたので
なるなるさんと北八ヶ岳の縞枯山を歩いてきました。








ロープウェイ乗り場の駐車場を9時過ぎに出発。
天気は快晴、昨日までの寒波で駐車場周辺から樹々には霧氷が付いて朝日に輝いています。










気温-13度、風はないので日射しを受けると暖かさを感じます。
昨日まで稜線では-20度以下まで下がったようですが、今日は上に登っても
これ以上気温が下がることはないと思います。









昨夜も少し降雪したらしく、トレースを外すと膝上くらいの積雪があります。
昨年の今頃は、まだ積雪も少なくカリカリに凍結していたので
チェーンスパイクを着けていきました。

今日も踏み固められている箇所もあるかと思い、最初は着けてみましたが
すぐに団子状態になったのでツボ足で行きます。






















北横岳も真っ白にコーティングされています。









足元を気にする必要はないので、青空と霧氷を眺めながら進みます。

今日の撮影・・・・・ほとんどスマホです。

家の片隅にあった、もう使われることがない アイフォン6と6プラスを
この秋から私がカメラ専用として使うことにしました。
今まではコンデジでしたが、気楽に出し入れできて広角も効くので
景色の撮影には都合がよく気に入ってしまいました。
冬は大丈夫か心配でしたが、インナーの手袋をしたままでも撮影できて
ごらんのとうり、画質もコンデジと遜色ありません。
胸のポケットにホカロンと一緒に入れておけば電源も落ちないので
どうしてもグローブをとれない状況のみコンデジで撮影しようかと思います。

今更ながら・・・・という感じで、世間でも山でも
もう当たり前かもしれませんが・・・・・・・・(-_-;)
























冬山へ行くようになってからは、霧氷を見る機会も増えましたが
今日は別世界を歩いているような美しさです。
なるなるさんが、天国を歩いているようだと言っていました。
強い寒気の抜け際の快晴が運よく巡ってきた感じです。


































振り返ると中央アルプス~御嶽山が見えます。


















積雪も増えて、踏み抜くことも多くなってきました。


































縞枯山が見えます。
もうすぐロープウェイの山頂駅です。











到着しました。

北横岳や縞枯山へは、ロープウェイを利用すれば短時間で気楽に行けますが
ここまでのアプローチをカットしてしまうのはもったいないです。

雨池、縞枯山方面へ・・・・








積雪は更に増えていきます。

昨夜までの強い寒波で吹き荒れた後の白銀の景色です。
むやみに踏み込んではいけないような・・・・・































縞枯山荘が見えてきました。


周辺の景色をモノクロで・・・・・























空の青と白銀の景色を白黒で表現すると、光と影の何処か懐かしい
風景のようにも見えてきます。

40年ほど前の初冬、プール平でバスを降りて別荘地を歩き、大河原峠を
越え双子池でテントを張って、翌日は大岳を越えてここへ来た記憶があります。
そのころカメラは高級品でしたので写真はありませんが、記憶の片隅に
ボンヤリと見た景色が残っていて、今でも断片的に思い出すことができます。

今日のこの景色もしっかり脳裏に焼き付いていると思うので
何年たっても思い出してくれると思います。

雨山峠を右に、縞枯山を目指します。










トレースはありますが傾斜が強くなると
フワフワの雪だとグリップが効かなく、少し端に足を置くと踏み抜く
ことが多くなります。

振り返ると、なるなるさんがコケていた・・・・・











ここでアイゼンを付けてもらうことにします。

私はツボ足で何とか頑張って登ります。

















樹々の隙間から浅間山~奥秩父の山々が見えてきました。


















周りの樹々が低くなって展望が開けてきました。

縞枯山らしい景色が続いています。












縞枯山の先にある展望の良いピークへ・・・・












南八ヶ岳の山々












今日は風も弱くて快晴の天気ですが、雪の状態からして
一人で赤岳へ行ったとしたら、体力的に撤退だったかも・・・・・
週末が荒れる天候ですとトレースがない場合が多くなり
今日あたりはマイナーなルートは厳しいです。

のんびり北ヤツが丁度よかった感じがします。













小さなモンスターが出来始めています。





























見飽きるなんてことはなく、日没まで居たい気持ちですが
ゆっくり帰路につきます。










朝は霧氷に覆われていた樹々も溶けてなくなり、雪面を西日が照らします。


雪道を少し飛ばして帰ったので、山頂から1時間20分で駐車場へ戻ってきました。

チェーンスパイク、アイゼンにワカンまでザックに括り付けて行きましたが
ツボ足でも歩き通すことができました。危険な場所はないので問題ないですが
人気のコースですのでトレースが常にあったので大丈夫でした。

ただ傾斜のある縞枯山などは、アイゼンを付けた方が快適に昇り降りできます。







・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-








今回が今年の登り納めになります。

今年も当ブログに訪問していただき、ありがとうございました。

m(_ _)m

今年の冬は積雪も多くなりそうな気がします。
安全な登山を心がけ どうぞ、良い年をお迎えください。









12月28日





コメント (2)
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冬靴の試し履きに ~ 文三郎尾根

2021-12-16 19:58:08 | 登山


冬山へ行くようになって10年、初めて買った冬靴も少し劣化が
目立ってきたので、メルカリで同じスカルパの新品に近い物を半額で購入。
なるなるさんは、登山用具店を何店舗も歩き回って購入したスポルティバ。










今日はお互いの冬靴の履きならしに八ヶ岳へ


一緒にアイゼンの練習も兼ねて行くには、天狗岳か硫黄岳あたりが
丁度良いかと思いましたが、ここは急登に慣れてもらうため赤岳の
文三郎尾根を登り、余裕があれば山頂を目指そうと思います。

美濃戸の駐車場を7時30分出発 車外温度は-9度。
まず南沢から行者小屋を目指します。








吐く息は襟元で凍りつき、なるなるさんの髪も凍り
よ~く冷え込んでいます。



























ようやく朝日が射しこんできました。










キラキラの中に










お互い途中で新しい靴が変にあたる場所が出てきて
何度も履き直して絆創膏を貼ったり、何度も靴ヒモを締め直してみたりして
履き具合を見ながらようやく行者小屋に着きました。
























やっぱりこの場所を選択して良かったと思う。

日射しが入り太陽熱を感じます。

準備をして文三郎尾根へ・・・














なるなるさんには、最初から想定外の急登だったようで
登れても降りることができるのか不安な様子でしたが
ここは何とかアイゼンワークになれてもらいたいので、
一歩一歩ユックリ慎重に行きます。

森を抜けると、自分が素晴らしい景色の真ん中にいることを実感します。
















中岳、阿弥陀岳



















もうすぐ分岐ですが、ここでタイムリミット。

天気は快晴で風も弱く、しばらく山々を眺めて帰ります。
下りは更に慎重に・・・・・・







雪が増えて安定する2月になったら
冬靴にも慣れて、何とか山頂まで登ることができればと・・・・・





帰りは赤岳鉱泉~北沢ルートで。
























久しぶりに天気に恵まれ、思っていたより積雪もあり
八ヶ岳ブルーの一日でした。







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久しぶりの房総探索

2021-12-08 18:46:39 | 登山

どんよりした曇りの天気で、午後からは降水確率も高く
青空の広がる尾根を歩くのは期待できそうにないので
久しぶりに房総の奥深い山域を探索してきました。

もうヤマビルはいないので沢沿いも気楽に歩けます。
沢沿いの法面などには赤い実を付けたセンリョウが目につきました。
森ではマンリョウをよく見ますが、センリョウは奥深い沢沿い以外に
見かけたことはありません。














見上げると周辺はバリバリの木が多く、房総特有の森です。














源頭が近くなると倒木も多く荒れてきます。








林床にはシュスラン。








ミヤマトベラ










これら深山の常連に出会うと、懐かしい・・・・・

倒木が朽ちてきて苔や羊歯に覆われてくると
ナツエビネのプランターになります。








このあたりにはサツマイナモリも常連でしたが
食害の影響なのか、見かけなくなりました。

房総の奥深い沢では、昔はツバメオモトが自生していたそうです。

房総では氷河期の遺構といわれる植物ですが、
何度も歩き回り探しましたが見つけることはできませんでした。
食害と温暖化の影響でもう居なくなってしまったようです。
同じ氷河時代の遺構といわれるヒメコマツは少ないですが
痩せ尾根の稜線に細々と残っています。


尾根へと上がります。











房総の紅葉は今が見頃か・・・・
















見晴らしが良い場所から目を引くのは、紅葉した樹々ではなく
真っ赤な実をつけたイイギリの樹です。















里ではリンドウや野菊がまだ見られますが、奥深い痩せ尾根では
ヤブツバキ、キッコウハグマの残り花くらいでした。









先週歩いた丹沢の尾根にはブナの古木が多くみられました。
照葉の森が広がる房総丘陵の痩せ尾根では、アカガシ、スダジイ、モミ、ツガ
などの樹が目立ちます。時代を感じる巨木も多いです。













シダや苔が着いている古木をよく眺めてみると
上の方にはマメヅタランやムギランが着生している樹も多く
見慣れてくると案外多くの樹々に居る事がわかります。

➡の所にはマメヅタランがいます。










マメヅタランが樹幹~枝までビッシリ覆っていた古木
見守っていたという訳ではないのですが、とうとう倒れてしまい
着生していたマメヅタランが周辺に散らばっていました。













まだ株は新鮮で良い状態です。
この樹は今までも時々剥がれて落ちることがあり
持ち帰って自宅で育ててみたり、近くの岩場の上部の割れ目にねじ込んでみたり・・・・
しかし大雨や台風の影響なのか岩場の株は消えてしまい、自宅のマメズタランは
一か所だけ細々と生き続けている感じです。

この落ちたマメヅタランは長生きはできなくて、1年後は枯れてしまいます。

もう1ヶ所、2019年の台風で倒れたモミの樹に着生していたムギラン
昨年は衰退している気配はなく、倒れた尾根の場所で育っていました。













どんな様子かと尋ねてみると
上の表面に着生していた株は衰退して消えてしまっていましたが
側面は元気にこの場所で育っている感じがします。



痩せ尾根でも苔や羊歯が多くなるとベニシュスランや他の着生ランも出てきます。













ヨウラクラン、カシノキラン
















キクラゲもいたので、これは頂いて帰ります。










珍しいリュウキュウマメガキが落ちていたので斜面を見上げると
まだ高い位置には果実が付いていました。
落ちている果実は、ほとんどが食べられています。








少し手前で小動物の糞を見かけましたが
消化していない種は、このマメガキの種のように見えます。











久しぶりの房総探索、懐かしくもあり、再び興味も湧いてきて
天気のことも気にならなくなり好きな場所を歩き回りました。
幸い降られることもなく、いつもながら誰にも会うことはなく
人が歩いた気配もない静けさがありました。


12月7日







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蛭ヶ岳 ~ 強風で撤退

2021-12-02 13:52:35 | 登山
県道70号線が塩水橋までは通行可能になったので
今日は久しぶりの丹沢主脈、なるなるさんと塩水橋から丹沢山~蛭が岳を目指します。

宮ケ瀬側からはまだ通行止めですので、秦野中井インターからヤビツ峠を越えて
約1時間で塩水橋に到着しました。







薄明るくなった6時30分出発。

帰ってきても他に駐車した車はなかったので、今日は丹沢山までは貸し切りでした。
私のお気に入りのコースですが、通行止めの期間が長かったので
すっかりマイナーなコースになってしまったかも・・・・







途中で林道をショートカットして堂平へ。
久しぶりですので、何だか懐かしい景色です。














以前に、このあたりでヒトツボクロの葉ッパを見つけた事があったので
気を配って歩いていたら、たぶん同じ場所だと思う所で葉ッパを見つけました。
多様性のある豊かな森だった頃の遺産だと思っています。








クサリ場を通り、ブナの森へ。















この時期はマーキングした小動物の糞を登山道でよく見かけます。

あまり消化が良くないのか、まだ果実のままのような状態もよく見かけます。
ナナカマドとかノイバラの実かな・・・・・










予定より少し早く丹沢山に到着。










ここから眺めの良い丹沢主脈の稜線歩きですが
想定外の横風(南西の風)に苦労します。

多少の風があることは事前に調べていましたが、遮る樹もない笹原の尾根は
まともに風を受けるということを、少し甘く考えていた気もします。
昨年までは奥多摩の石尾根ばかり歩いていましたが、ここは多少の風が
あっても広い尾根の樹々が遮ってくれていて、あまり風の心配をすることが
ありませんでした。

天気は午後から崩れてくる予報ですが、まだこの時点ては快晴の青空です。









日陰の階段が霜で真っ白ですので、下りは慎重に・・・・・















稜線のブナの古木にはマツノハマンネングサが付いています。










写真では分りませんが、横風は風速15mくらいはあると思います。














臼ヶ岳~檜洞丸方面を見ると、植林帯がなく自然林だけの
豊かな山々が広がっています。関東では滅多にない景色です。










蛭ヶ岳までもう少しですが、風が更に強くなってきました。










鬼ヶ岩に到着。









階段を下って上れば蛭ヶ岳山頂ですが、なるなるさんも飛ばされそうな
突風も混じる強風になってきたので、ここで撤退を決めました。
台風の時などは危険ですので外に出ることはないと思うので
そういう意味では強風下の縦走は貴重な体験だったかな・・・・・
何気にジャケットに着いているフードが重宝します。


風に揺さぶられながら引き返し、不動ノ峰の休憩小屋でホッと一息・・・・・・

周りは笹とノイバラだらけで、行きつくところまで行ってしまった
食害の果てのような植生が広がっています。









ここのノイバラは長くニホンジカに新芽を食べられてきて
散々な目にあってきたのでしょう。
有刺鉄線よりも強力に進化して、物凄く密に鋭い棘を張り巡らしています。
これなら安心して子孫を増やしていけそうですね。

やがてブナやツツジの古木がなくなってしまったら、笹とノイバラの尾根となって
しまうかもしれません。














丹沢山へ登り返し・・・・・









モノクロで・・・・
















雲が流れて来たと思ったら、強風にのってアッという間に曇ってきてしまいました。

オブジェのようなブナの枯れ木。









やっと丹沢山まで戻ってきました。

ミヤマ山荘の前のマユミの古木にコゲラやアカゲラがきていたので
なるなるさんに望遠レンズで写してもらいました。













後はノンビリ帰ります。

石尾根と違って薄暗い植林帯を下ることもなく、癒しのブナの森へ









閉めは沢沿いの林道を最後の紅葉見物で・・・・













紅葉は日射しがないとね~ と思っていましたが
薄暗くなった沢沿いのカエデが、こんなに美しいとは!

あいにくの撤退でしたが、最後に美しい紅葉が見られました。
稜線での写真は強風の為、ブレブレです。


11月30日








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