コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

ヒナラン ~ 奥久慈

2023-06-29 19:10:26 | 日記
可愛らしいヒナランが咲く時期になったので
奥久慈の山を歩いてきました。

湿度が高いせいか山は湿気で霞んでいます。
前回の丹沢も同じような状況の中、少し無理をしたのが祟ったのか
先週は具合が悪くて出かけられませんでした。
今日も湿度100%で、尾根に出ても風がなく、すでに汗だく状態。
熱中症に気を付けなければ・・・・








岩場には常連の花、キリンソウやイブキジャコウそして朝ドラで紹介されたマルバマンネングサ。
この花に会うのが目的で来ることはありませんが
岩場に咲く景色は、アルプスの高山植物のような感じです。







周辺の岩場はマメヅタランの自生地で
見慣れてくると、急斜面の岩場のどこにでも見かけます。








奥久慈の夏の花、ミヤマスカシユリが咲き初めていました。












今頃は離れた場所からでも岩場を眺めるとウチョウランの
花が見えるのですが、今年は開花が早かったようで蕾はなく
最後の花が点々と見られる状態でした。

















ウチョウランより少し遅れて咲いてくるヒナランは
ちょうど見頃の感じでした。






















羊歯やイワギボウシ、岩松など岩場に自生する
植物の脇や隙間に、そっと咲いています。




















今までは稜線の岩場が中心でしたが、今日は渓谷の岩場や法面にも
多く咲いているのを発見しました。
環境は似ているので自生していても不思議ではないのですが
今まで何度も探し歩きましたが渓谷で見つけたのは初めてです。




・-・-・-・-・-・-・-・-・




頭から水をかぶり、全部着替えてから
キンセイランの様子を見に行ってみます。

相変わらず紛らわしいタガネソウ。









右下がキンセイラン、左がタガネソウ。
今年の葉だけを見ると、一瞬間違えてしまいます。
キンセイランは昨年の濃緑の葉が残っています。









このあたりの株は花芽を付けていません。

期待して花芽を持っていた株が多くいた場所へ行ってみると・・・・ほぼ全滅 (-_-;) 
途中で黒くなり、折れたり枯れてしまっていました。
房総のナツエビネによく見られた現象です。
たぶん寄生するモグリバエの仕業でしょうか・・・・

それでも株は広範囲に見られるので、探して見ると1株だけ
花を2つだけ付けている小さな株がありました。
一株だけでも見られて良かった・・・・やはり趣のある花です。








斜面を下りながら探してみると、ずいぶん下の方まで
新たな株が見られたので、また来年に期待したいです。



6月27日








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オノエラン ~ 丹沢

2023-06-15 17:06:57 | 日記
丹沢山塊にオノエランが咲く頃なので
雨上がりの蒸し暑い日でしたが、一日歩いてきました。
谷川岳、平標山などの上越や奥日光、那須の山々では普通に見られますが
太平洋側の山では、なかなか出会えない貴重な花です。

上越あたりの山では、登山道脇の草原や草地などに咲いていて
花付きも良い感じです。
これが丹沢などの太平洋側の自生地になると、薄暗い苔むした岩場にヒッソリと
純白の花を咲かせている感じで、咲いている花景色がとても私好みです。

主脈の階段脇でも見られるようですが、それじゃ何の趣きもないので
やはり、ここは西丹沢の同角山稜、石棚山稜~檜洞丸といった岩場が多く
静かな山深い山域に行こうと思います。







雨上がりで滑りやすく、湿度が高いので
急登が続くと、すぐ汗ダクに・・・・・

なにも雨上がりにヒルがいる丹沢ではなく、愛鷹山に行こうかとも思いましたが
やっぱり行きなれた丹沢に咲く花を見てみたいという思いが強くて・・・・

湿り気のある斜面には蕾を付けたイワタバコがビッシリ着生しています。
周辺はケイワタバコではなくイワタバコでした。







キヨスミウツボも斜面の何ヶ所かで見られました。












エゴノキの花が一面に。

シロヤシオの花は終わり、ヤマツツジが咲き残っています。








上着のシャツが濡れてヒンヤリしてくると、ブナの森になってきました。













空中湿度が高いからか、樹皮には羊歯や地衣類が付いていて
樹皮も白くて雪国のブナのようです。







このブナの樹にはマツノハマンネングサが着生しています。








だいぶ前になりますが、ヤタ尾根を下っていた時
ブナの巨木にフガクスズムシソウのような葉を見たことがあります。
きっとまだ、丹沢の何処かの森には着生ランが住んでいると思っています。


岩場が出てきて良い雰囲気になってきました。

薄暗い林床にミヤマカラマツの白い花が美しい!








コイワザクラは咲き終わり果実を付けています。









岩場を見上げたり、斜面を回り込んで下から眺めたりしていると
ようやく岩場の隙間にオノエランを見つけました。












やはりこんな場所が好きなんですね。
思っていたとうりの場所に咲いていました。
周辺にはイワカガミ、ハコネコメツツジやカタヒバなどが
見られます。

ただ残念ですが、少し時期が過ぎている感じで、花が傷みかけています。

まだ先は長いので、ゆっくり探しながら行きます。
ようやく稜線近くになって風が抜けるようになってきました。
朝のうちは青空が見えていましたが、すっかりガスに覆われてきました。
おかげで気温が落ちついてきたので汗が引いてきます。











濡れていて足場が悪く、何度も転びそうになります。
岩場のある斜面を登り降りして探していくと
その後も同じような場所に点々と見ることができました。












この場所は何株も見られて、花も丁度良い感じ・・・






















花は清楚という感じ、そのままです。

来て良かった・・・



・-・-・-・-・-・-・-・-・




自衛隊の演習の音かと思っていたら、カミナリのようで雨が落ちてきました。

滑らないように、ゆっくり帰ることにします。

丹沢ではカモメランもいるようなので
一瞬でもピンク色が目に入らないかと期待していましたが
出会う事はありませんでした。

早戸大滝周辺、臼ヶ岳南尾根、神ノ川上流域・・・・探索したい所はいっぱいありますが
私の体力では厳しかったり、荒れてしまってアプローチが大変だったり・・・・・
自分で歩ける範囲で、また何時か出かけてみようと思っています。
ちなみに、ウチョウランは何度か出会いますが、イチヨウランは
ここ何年も丹沢では確認されていません。

久しぶりに汗と泥だらけになり帰ってきました。

スパッツを取ると中からコロンと丸まったヒルが・・・・(-_-;)
靴下を見ると1箇所真っ赤になっていました。







まあ~ しょうがないです。
今日は、ファイト一発!という場所も多く(ちょっと古い)
いちいち足元ばかり気にしていられませんでした。1ヶ所だけならよしとします。
スパッツは、かなりキツメで登山靴との隙間は殆どない状態でしたが
わずかな隙間から小さいヒルに入り込まれたようです。
ヒルは血を吸って、まるまる太ってスパッツの中から出られなくなり
私に潰されて終わりました。

西丹沢にはヒルがいないと言われた時もありましたが
今は雨上がりなどに歩けば、用心していても厳しいです。

今日は帰りが長く感じました。
もう千m級の山々を一日歩くのは、これから暑くなると辛いです。
次は、もう少し標高が高い山へ行きたいと思います。


6月13日





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咲きはじめたキンセイラン

2023-06-08 19:43:07 | 日記
14時を過ぎましたが、日没の時間が19時近くになり
まだ十分時間があるので、気になるキンセイランの様子を見に行ってみました。
花には早い時期ですが、自生地までの山道では思っていたより多くの花に出会いました。

奥久慈の山を歩くと良く出会うツクバネ。







イチヤクソウは蕾でしたがウメガサソウが咲いていました。












植林帯の薄暗い森になるとコアジサイが目立ちます。






花は終わりかけだと思いますが、緑の花が咲いているようなツクバネソウの群落。








花の時期には立派な花を咲かせているクモキリソウですが
なぜかどの株も花芽が途中からなくなっています。
食害はない森ですが、これは何か動物に食べられたような感じですね。







自生地に近づいてきましたが、まだ花が咲いていない時は
足元をよく見て行かないと見落としてしまいます。
以前は何株も咲いていた場所ですが、それらしい株が見当たりません。
昨年もここの場所では一株も見かけることがなく、森の様子も変わっていました。
原因は杉の大規模な間伐だと思います。大量の枝や葉が林床に積ってしまい
背の低いキンセイランなどは埋ってしまったようです。






薄暗かった森の中も間伐の後では明るくなりました。
目線を落して、ゆっくり見回していくと、ようやく1株。

小さな花芽が出ています。

これじゃ なかなか見つからない訳で・・・・







周りの積った杉の葉を退かしてみると、隠れていた葉が出てきました。








葉が埋っていては光合成も満足にできないでしょうから
貧弱な花芽しか付けられなかったのでしょう。
GPSにはマーキングが点々とありますが、どうもまだ埋まったままのようです。

反対の斜面では、それほど埋っていないので何株か見つけましたが花芽がないです。








昨年は何株も咲いていましたが、今年はお休みかな・・・・・

きょろきょろ林床に目をやっていたら・・・・・その近くに   

 ジガバチソウがいました!











この山では初めてみます。
何度も探し歩いている所なのに、今まで出会わなかったのが不思議で・・・
少し環境が変わって藪が薄くなり見つけやすくなったからかな。

クモキリソウは何所でも見かけることが多いので、ア~咲いているな・・・・くらいですが
ジガバチソウですと、出会うことが少なくて アッ! ジガバチソウだ・・・・となります。 
見慣れてくると葉の感じなどが少し違います。

この場所のキンセイランは、きっとまた復活してくれると思います。


・・・・別の自生地へ


ここの森は、植林されている杉が整然としていて、よく管理されている印象です。
藪がなく、下草も少ないので探す必要がありません。
林業関係者の方がキンセイランを保護しているという訳ではないでしょうが
踏みつけたり、間伐で傷つけたりしないように気を使っているのだと思います。
キンセイランの株だけが点々と自生しています。






昨年は咲いている株が少なく、花芽をつけた株も途中から
黒ずんでしまい、花景色は見られませんでした。
今年は今のところ、ほとんどの株が花芽をつけています。
何とかこのまま成長して花を咲かせてくれれば・・・・・

もう下の花が咲きはじめている株もみかけました。











植林された杉が伐採されると、キンセイランも消えてしまうので
それまでは楽しませてもらいたいです。


6月6日







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岩場のマメヅタラン、ヒナラン

2023-06-08 05:20:54 | 日記
岩尾根の稜線にはスケールの大きな自生地もあって眺めもよく、
近寄ることもできるので前回も来ています。
















岩場はゴツゴツしていて手がかりも多く、足場もあるのですが
体重をかけると出っぱった所は簡単に剥がれ落ちるのこともあるので
この太い枝の元にザイルを結んで安全を確保しながら近寄って・・・
















陽当たりが良いからなのか、丁度見頃で咲きそろっています。











古木に着いているマメヅタランは、樹の寿命が尽きてしまうと
樹皮から剥がれ落ちたり台風で飛んでいってしまって終わりですが
岩場だと安心して範囲を広げて増えていけるので、こうしたスケールの大きな
自生地ができていくのでしょうね。
マメヅタランの着生力は強力ですので、台風で落ちる心配もありません。

垂直に切れ込んでいる境目にはヒナランも多く見ます。








羊歯の影になるような所が好きなようです。








花が咲くのは2週間くらい先かな・・・・







よく足元をみると小さな葉も多く、下を覗き込むと岩松の隙間にもいました。












周辺にはミヤマスカシユリも・・・・
蕾はまだ小さくて、本格的な夏になってからの開花です。








・・・・つづく。

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マメヅタラン ~ 奥久慈

2023-06-07 16:33:41 | 日記
房総では見に行くことができなかったマメヅタラン。
だいたい10日前後遅れて咲きはじめる奥久慈で見ることができました。
房総と違って樹幹ではなく岩場に着生しているのでスケールが違いまが
なんといっても、一番の違いはヒルがいないということです。

目線で見られる所も多く、落ち着いて岩場で寝転がって鑑賞しながら
ゆっくりシャッターを押すことができるのが良いです。

岩尾根を歩くと何ヶ所かで見られますが、切り立った断崖から見下ろすよりも
まずは安全な岩場の下から見られる所で撮影してみます。








湿り気のある岩場を見上げるとシノブが淡い緑に透けて良い感じ・・・・

すぐ下にはムギランがいます。








小さな蕾はありますが、花は開花していませんでした。









同じ岩場にマメヅラタンもいます。

後にはミヤマスカシユリも・・・・













ここのマメヅタランは、まだ咲きはじめたばかりです。

岩松の隙間にも・・・・・

岩松の隙間にビッシリ着生している景色は珍しいです。











ウチョウランもそろそろ咲きはじめる時期ですが
ここでは見かけませんでした。

まだ少し早いかなと・・・・・これからでしょうね。
ウチョウランが見頃になるとヒナラン、ミヤマスカシユリも咲いてきます。

早朝から日没まで歩きましたので、3回くらいに分けてアップしようと思います。


6月6日


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