少し涼しくなってきた今日、シュスランの仲間で
オオシマシュスラン、ハチジョウシュスラン、カゴメランなどを探しに
南房総の山を歩いてきました。
山といっても登山の対象にはならないような低山ですが、いざ
登山道らしき入り口に来てみると、背丈を超える夏草のヤブに覆われて
いて、道らしき跡すらありません ・・・・ん~・・・
それでもヤブの中心が少し凹んでいるのは、道の名残でしょうか
昨年の富山でも、同じでしたので多少の覚悟はしていましたが
スタートからため息が出てしまいます。しかしここで引き返すわけにも
いかずwストックを逆V字にして前に出し、ヤブに突入してみます。
足の感覚を頼りに100m位進むと竹藪に変わりましたが、そこには
細い道が出てきました・・・よかった(^^
竹藪の中には、コクランらしき株が何株もあり、この先
期待できそうです。
竹藪を出ると、急な斜面に出て、その先も踏み跡を確認できました。
薄暗い照葉の森を登っていくと、ようやく道もわかりやすくなり
スダジイを中心とした木々に蔦が絡み、ハラン、ヤツデ、シュロ
などが目立つ房総らしい森になってきました。
尾根沿いは、風も少しあり暑くありませんが、ここからが
クモの巣地獄の始まりでした。
ストックを前で回しながら歩いていたら、最後は綿アメの棒のように
なってしまいました。 (--;
ジョロウグモには申し訳ありませんが、また張ってくださいませ・・・
森の中は、ヤブランが点々と咲いています。
昨年見つけたシュスランと同じような日蔭の少し湿った所を
まずは探して見ます。
こんな場所なら咲いていそうだなと思う所を目線を落として
ゆっくり探して行くと、一瞬落ち葉や葉の間に、小さな白い花が
咲いているのを見つけました。
ハチジョウシュスランですね。
葉の中心に太い筆で、サッと線を引いたような斑入り模様があります。
基本種は網目もあるようですが、これくらいなら、そう呼んでも
さしつかえなさそうです。
周辺をよくさがしてみると、葉に模様がない
オオシマシュスランも見つけました。
この花の方が多く咲いている感じです。
昨年にシュスランを探した時は、夕暮れせまる頃ようやく
見つけ出せましたが、今日はまだ午前中ですので嬉しいですね。
この後はノンビリ周辺を探しながら散策できます。
何だか、ちょっと様子が違う花があるので、よく見て見ると
カゲロウランです。
これも初めて見る花で、今日見ることができるとは
思いませんでした。
周りには何株もありましたが、ようやく咲き始めたばかりのようです。
同じような環境に咲くようですね。
その後、沢沿いなども探しましたが、結局この周辺しか見ることは
できませんでした。
そろそろ次の場所に移動しようと思い
下りる道を探しますが、これがなかなか見つかりません。
地図には、破線があるのですが・・・・・
ようやく見つけた下りる道は、またとてもアバウトな感じで
すっかりヤブっぽくなり荒れほうだいの感じでした。
あまり歩く人もいなく、人の手もはいっていない感じです。
GPSがないと、こんな低山ですが、視界が少なく迷いそうです。
午後は昨年シュスランを見つけた山に移動します。昨年は終盤でしたが
今年は20日位早いですので、咲き始めの美しい状態を見ることができました。
花は白色の株から薄紅まで変化があります。
これは白いタイプです。
オオシマシュスランやハチジョウシュスランに比べて
花は大きく、葉の色も濃緑でツヤがある感じです。
少し薄紅色タイプ。
このあたりは密生しています。
花よりも葉の方が美しいかな・・・と私は思います。
オオシマシュスランも何株か咲いているのに気が付きました。
そして、ついにカゴメランも見つけました。
房総に自生するカゴメランは、沖縄や伊豆諸島の本種と比べて
籠目模様が薄い株が多く、本種とは異なる記述も見られますが
この株の模様は、クッキリと美しい!
カゴメランは結構探しましたが、2株だけでした。
そのうち一株は、葉が虫食いで花も折れていましたので
この株だけ美しい葉を見せてくれました。
数は少ないのでしょうね。
花の感じは、シュスラン以外は同じような花を付けている印象です。
今日は何か所もやぶ蚊に刺されながらの観察で、ゆっくりピントを
合わせる余裕もありませんでした。
上着やズボンの上からも刺されるので防ぎようがありません。
ミントオイルも通用せず・・・といって厚手の物を着るわけにもいかず
撮影に苦労しましたが、お目当ての南方系のランを見ることができて
よかったです。
9月10日