コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

横岳(八ヶ岳) ~ 杣添尾根から

2018-10-17 21:43:15 | 登山


今日は八ヶ岳の横岳へ杣添尾根から初めて登ってきました。
八ヶ岳の東面ルートといえば清里から登る真教寺尾根、県界尾根がありますが
どちらも日帰りには結構なハードコースです。
それに比べると杣添尾根のコースは険しい岩場もなく、駐車場から稜線まで
4時間少々、距離は約5キロ 標高差約1000mの気楽なコースです。
以前から気になるルートでしたが、なかなか行く機会がありませんでした。

国道141号、野辺山駅を過ぎてガススタの所を左折、海ノ口自然郷の別荘地
を通り八ヶ岳高原ロッジの先を左に入っていき、突き当りの右手に登山者専用の
駐車場があります。

約10台位は止められそうです・・・・・すでに3台止まっていました。
別荘地内ですので路上駐車は厳禁です・・・・オフシーズンの平日ですので
気楽に来ましたが、週末やハイシーズンは厳しそうです。準備をして7時30分出発
駐車場の手前に登山ポストがあり、その脇から別荘地内の遊歩道を登って行きます。
約20分で八ヶ岳林道に出て2つ目の橋の手前から登山道に入って行きます。
トイレと東屋がありました。

橋の手前から見上げると、横岳がよく見えました。薄っすらと雪がありますね。
この日、八ヶ岳は初冠雪だったようです。写真左手の尾根が杣添尾根です。











別荘地周辺は樹々が色づいていますが八ヶ岳は針葉樹の黒い森で
これから登る杣添尾根も紅葉とは無縁です。水源の森を通り沢を渡って尾根に取り付いていきます。
結構な急登もあったりして、ゆっくり一歩一歩登って行きます。


















登山道はコメツガ、シラビソなどの深い森を通って行きます。
湿り気があり林床は苔に覆われていて、深呼吸をすると森特有の香りが漂っています。

















深い森の中をゆっくり登っていきます。
杣添尾根は展望もなく変化が乏しいのですが、この苔むした森はとても心安らぎます。
先週の丹沢では、富士演習の砲弾の音が終始聞こえていて落ち着きませんでしたが
今日は静寂の中を歩けて嬉しいです。
花の季節だと苔むした森の奥が気になって、なかなか前に進まない感じがします。
きっと小さなランが多く住んでいると思います。何となく足元を気にしていると
小さな葉やガラが目に入ってきました。















コイチヨウラン、ヒメミヤマウズラかな・・・・





先日の台風で倒れた樹が多く、場所によっては束になって倒れていて
森の中が少し明るくなってしまった所もあるほどです。
ただ登山道はその後整備され歩くのには支障はありません。











これはシラビソの球果でしょうか










少し倒れた樹を観察してみます。

枝葉を取ってきて見比べてみます。









右はシラビソ?オオシラビソかな・・・・・

左の枝葉はあまり見たことがありません。
ひっくり返して見ると・・・・・








・・・・余計に分からなくなってしまった・・・・

イラモミでしょうか・・・・・もしかしたら限られた分布のヒメマツハダかも・・・
帰ってから調べてみます・・・・・が、結局わかりませんでした。(--;




      




しばらく登って行くと左側が開けて富士山が見えました。
昨日の雨は雪だったようで、すでに6~7合目あたりから雪に覆われています。
もう山頂部あたりは溶けないで根雪になるかもしれませんね。


















このまま尾根づたいに登って行くのかと思っていたら、途中から右手(北側)を巻く道
を行くようになります。林床にはコイワカガミの葉が目立つようになりました。
このあたりから昨晩に降った雪がチラホラ残っています。
















ようやく視界が開けて森林限界も近い感じです。



古い案内板を見つけました。









西部杣添小屋というのが以前はあったようです。

帰ってから若い時に買ったガイドブック(昭和53年版)を見てみると
どうやら別荘地の奥にあったようです。









今はもう無いでしょうね。

それにしても、このガイドブックを買って歩いたのはもう40年も前のこととは・・・・・
中央高速もまだできていませんです。

杣添尾根のコースを見てみると、野辺山駅から小屋まで3時間 そこから稜線までが3時間半
と書いてありました。
今のガイドブックには、このコースはバスの便がないので車で行くコースと解説しています。

そういえば観音平も小淵沢駅から歩きでした。 昔は、みんな駅から歩いたのでした・・・・・












巻道も終わり稜線が見えてきました。

ハイ松の中を一歩一歩・・・・




ウラシマツツジの紅葉は終わり・・・・
ガンコウランの緑が鮮やかです。













赤岳が見えてきました!
このアングルは初めてです。









振り返ると金峰山

もう少しです。












着きました。

視界が開けて北アルプスも見えます。
曇りの天気で展望はあまり期待していませんでしたので、嬉しい誤算です。














赤岳も少し白くなっています。










稜線の分岐を右に行けば横岳山頂奥ノ院<ですが
景色は左、赤岳に向かった方が良いので日ノ岳まで行ってみます。
その前にお昼を・・・・遠く富士山を眺めながら、今日も助六弁当! 










2週間前の富士山より気温は低いですが、風が弱いのでノンビリできます。

食べ終えたらプチ縦走へ・・・・
稜線の山小屋も営業中ですので、何人かとすれ違いました。
さすが人気のある縦走路ですね。

























赤岳を眺めながらの縦走はアルペンチックで楽しいです。




阿弥陀岳
















鉾岳のトラバースが見えます。












雲が上がってきてガスで赤岳も隠れ初めてきました。
ここでしばらく景色を眺めて帰ることにします。

沸き立つ雲が良い雰囲気ですので、モノクロで一枚












今度来る時は、もう少し早出して赤岳までピストンしたいですね。


三ツ又峰(杣添尾根分岐)へもどってきました。












雲の中へと帰ります。












途中からは、まっ白のモノクロの世界へ。












ゆっくり帰っても明るい内に戻れました。

このコース、冬に赤岳まで挑戦してみたいですね。
・・・・ただし、トレースがある日でないと私には無理です。

実際には、トレースがあるのを縦走中に何度か確認していますので
マイナーなコースですが天候に恵まれた3連休明けなら確実かな・・・・



10月16日









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檜岳山稜 ~ イワシャジン

2018-10-11 18:06:37 | 登山







少し早めに帰宅しなければならない用事ができたので近場の丹沢へ・・・・ 
今回は檜岳山稜を歩いてきました。いつもの寄大橋に車を止めて7時に出発します。
2時までには戻ってきたいので、ユーシンや鍋割は止めて、檜岳~雨山~雨山峠~寄沢
のショートコースにします。ゲートを越えて林道を少し歩き、成長の森の散策コースから登って行きます。

この案内板のある所から左へVターンして作業道へ・・・・・










トラバース気味にしばらく進んだあと植林された尾根を高低差700m直登します。
展望なし花もなしで、いわゆる訓練尾根です。










ひたすらジグザグに高度を稼ぐこと1時間半、
ようやく植林帯から自然林の森へと変わってきました。











食圧で矮小化した花が点々と現れてきます。






  









アザミ、センブリ、ホトトギス

伸びると食べられ・・・を繰り返すので本来の姿ではないのですが
何とか花を一つだけ咲かせています。

スタートから約3時間、稜線の縦走路に着きました。
案内板はありませんが、この樹の場所に合流します。











右に進めば檜岳( ヒノキダッカ )山頂に到着。












このあたりは丹沢でも静かな山域で、今日も人に会うことはありませんでした。

このあたり、尾根の上ですが湿り気が多く、地面は苔などで覆われていて
樹々も苔むしています。










雨山へ向かいます。












蛭ヶ岳、檜洞丸は雲に隠れていました。












ヤマボウシの果実


















尾根を外して適当に踏み跡をたどってみると色々なキノコに出会いました。











あまり見掛けないキノコなので、中を割ってみるとマシュマロのようでした。
食べられるかな・・・・・





シイタケ発見!













山の恵み、半分ほど頂きました。











雨山を越えて雨山峠へと降りていくと地質が変わって花崗岩の岩場
のような道になり、急に秋の花々が現れてきます。

センブリ、ダイモンジソウ、シラヒゲソウと白花が多い中
透明感の青さが美しいイワシャジンがとても目を引きます。

階段の段差にも咲いています。


























雨山峠に着きました。 ここから寄沢を下って帰ります。

イワシャジンは、ここからが本番で渓谷の岩壁に多く咲いています。


























沢の溜まりにヤマボウシの果実が流れてきて溜まっています。
サクランボみたいで、よく冷えていて美味しそう・・・・・











3粒ほどいただきました。 
よく熟していて、ほんのり甘く今までで一番美味しかった・・・・(^^


時計を見ながら急ぎ足で、何とか2時前に帰ってきました。
沢の水量は多めでしたが、台風の影響で沢沿いや斜面の崩壊などはありませんでした。

イワシャジンは今が丁度見頃でした。
丹沢の秋を彩る花ですね、岩場に多い為に食害も免れています。










10月9日
































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富士山 

2018-10-04 07:30:58 | 登山



毎年恒例、秋の富士登山です。

台風一過で快晴の天気に恵まれました。
心配していた富士スカイラインの通行に問題はなく、早朝 五合目の駐車場に到着しました。
すでに一番上の駐車場は半分くらい埋っていて、多くが登山者の車だと思います。
ゆっくり準備をして、7時半に出発します。








今日の富士山、一つ気掛かりなのは風です。
台風は遠く離れて行きましたが、3千を越す山ではまだ風の影響が残り
前日から気象協会の予報を見ていますが、富士山の3200mあたりで
午前中は20m前後、午後は15m位の予報になっています。
ここから見ただけでは分かりませんが、きっと相当な風が吹いていると思います。
氷点下にはなっていないので、凍傷の心配はないでしょうが、危険を感じたら
躊躇しないで戻ってこようと思います。






新六合の小屋までは、たいした風もありませんでしたが
そこから一段登って低木がなくなったあたりから、まともに強い風を受けるようになりました。











吹き下ろしの風で前から押し戻されるので、山頂までは普段より時間が掛かりそうです。
ただこれくらいの風は想定内ですので、ゆっくりペースで登って行きます。

小屋での休憩は山小屋のわずかな壁の隙間でないと風を避けられないです。
・・・・・ザックを置いた場所で小さくなって休憩・・・・・
後から来た方も同じように休んでいます。


















日射しがあるので寒さは感じないのですが、標高を上げると徐々に風が強くなり
横からの西風になってきました。
諦めて帰る人もいましたが、今までの経験から何とか行けそうな感じはします。

五合目の駐車場で車中泊した人に話を聞くと、昨晩は暴風で車が揺れて時々車体が浮く
ほど風が強く、一睡もできなかったそうです。

八合目の小屋に到着










風が無ければ穏やかなポカポカ陽気で汗ばむくらいだと思いますが
時々体がよろけるくらいの風に終始さらされるとノンビリ景色を楽しむ余裕は
ありません・・・・・・それでも流れる雲、空の青さ・・・・富士山ならではの景色が広がります。

いつも良い条件の時しか登っていませんので、なかなか手ごわい登山になりました。
しかし時間が掛かっても何とか山頂まで行こうと思うようになってきました。



九合目、雲海荘に到着。

見上げると、山頂は近いです。

















九号五尺からは三島岳の岩場に風が遮られて助かりました。

鳥居を越えると火口山頂です。


















到着です。

強風を正面から受けながら剣ヶ峰へ・・・・























何とか到着しました。

けっこう厳しい条件だったので、嬉しさ倍増です。

・・・・・タイマーで自撮


幸い測候所の建物が風をブロックしてくれますので山頂は風を受けません
ゆっくりお昼を食べることができました。

毎度ワンバターンの助六弁当です。山ではこれがお気に入りです。












休憩してから お鉢巡りへ・・・・・

お鉢巡りは火口壁の内側を通るので途中までは風をまともに受けません。
剣ヶ峰を振り返る。
















遠くに八ヶ岳、南アルプス・・・・













更に南の方角












白山岳へ












途中からまた風にさらされながら歩いていると、少し寒さを感じるようになってきました。
顔は常に風で冷やされてきましたが、体の芯まで冷えてきたような気がします。
低体温症ではないと思いますが少し不安を感じたので、ここで引き返すことにしました。

寒さには不安はないと思っていましたが、どうも朝からずっと強風にさらされながら歩いて
きたので疲れもあるのか・・・・・・・低い気圧の影響も多少あるかもしれませんね・・・・・
山頂はツララが火口壁から下がっていて、たしかに気温も低いです

まずは体力があるうちに足早に降りることにします。












八合目の小屋まで駆け下りてきました・・・・・・下りは早いのです。

相変わらず風は強いのですが、小屋の影で暖かいお茶を飲んで一息つくと
少し落ち着いてきました。

体調も落ち着いたので、しばらく ぼ~っと空を眺めていました。








・・・・・秋の雲ですね・・・・・

太陽が傾いてきて、景色のコントラストが鮮明になってきました。

あとは暮れていく空を眺めながらユルユルと帰ります。



































六合目から駐車場までの間で太陽が沈むまで眺めていました。























まずまずの夕焼けでしょうか・・・・・

どうしても
4年前に見た景色が忘れられないので
同じような景色を期待してしまいますが、やはり冬が近づいた晩秋が良いのでしょうね。

無事に戻ってきましたが、今回の反省は富士山の風ですね。

富士山の五合目の登山口は森林限界を越えていて、六合目からは遮るものはなく
山頂までずっと風を受け続けます。標高が高い円錐形の独立峰ですので当たり前なのですが・・・

さっと登って降りてくるのが賢明で、ゆるゆると登って山頂周辺でプラプラしていると
知らず知らず体温を奪われていく可能性があります。




10月2日























コメント (4)
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