コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

南信州 ~ シナノショウキラン・・・

2016-06-23 20:25:51 | 登山



今日は南信州に自生するシナノショウキランを探しに行ってきました。
ずっと以前から機会があれば・・・と思っていましたので何年か越しになります。
特別に当てがあるわけではありませんが、初夏の南アルプスや周辺の山を歩いた登山者が
時々登山道沿いで見かけたレポを見ることがあるので、まずは正当に一山登ろうと登山口に
やってきました。

早朝の渓谷はヒンヤリして気持ちが良いです。
一山登るといっても稜線まで行く予定はないので、まずはゆっくり谷あいの樹々でも
観察しながら散歩・・・・










真ん中に立派なカツラの木、左はトチ、右はヤナギの種類ですね。
どれも谷あいでよく見かける樹々です。 オオバアサガラも谷あいではよく見かける樹です。
ちょうど花を咲かせています。









山へ登らなくても周辺はショウキランが好きそうな環境ですが
せっかく来たので、まずは山道をユルユル登って行きます。道沿いは湿り気があり沢沿い
などは自生していても不思議ではないような場所ですが、それらしい花はなかなか見かける
ことがありませんでした。

シナノショウキランは、ずい分と昔に出会った記憶があります。 
木曽駒が岳をシラビ平からロープウェイを使わないで行く沢沿いのルートを
視察しようとシラビ平から沢沿い周辺を探索していた時に偶然見つけました。
その時は、これはキバナノショウキランかな・・・・と思っていました・・・・・



以前ショウキランを探していた時には以外な場所で群落を見たので
時々双眼鏡を出して対岸を見ながら登って行きます。

沢沿いにはオククルマムグラなどが咲いています。










薄暗い林床に目をやりながら、ひたすら標高を稼いでいくと・・・・・











これは?  ・・・・・まだ出始めですか、もう少し遅いかと思っていたくらいでした。


ん~ けどそんな筈はないだろうと思いながら尾根を越えてさらに標高を上げていくと
森の様子もだんだんと変わり植生も変わってきました。 ・・・ちょっと違うな・・・・・
この先、さらに登って行ってもシナノショウキランは出てこない感じがします。
晴れていれば森林限界を超えて一日山歩きでも良いのですが、天候は不安定で
霧も出てきました・・・・・というよりも標高を上げたので低い雲の中へ入ったのかな・・・・









これ以上は登っても期待できない感じがするので、戻ることにします。

きっと沢沿いの湿り気が多い斜面や窪地にいると思います。



      






食害でスカスカになった森とは違い、背丈のある笹などに覆われている深い森。
藪っぽい所へ入って行くのは少々ためらう雰囲気ですが、ザックの脇の熊スプレーを
取り出しやすいようにして、手をパンパンと叩きながらガサガサと入って行きます。

この周辺などは怪しいな・ ・ ・ ・ 嗅覚を活かして探索していると

いきなり足元に・・・・・

































笹や倒木などで足元近くまで来ないとわかりませんでした。


やはり斜面の窪地のような感じの場所でした。
周辺を観察すると一本の線に沿って上の方まで線上に自生しています。












薄暗い斜面に咲いていると暗くても淡い薄黄色の花はよく目立ちます。























なかなか新鮮な状態の花に出会うのは難しい腐生ランですが
どれも咲き始めで傷んでいなくて美しいです! ちょうど良いタイミングでした。

毎年この場所に咲くのかな・・・・ 思ってもいない群落に出会ったので
シナノショウキラン探しはこれで終わりにして、また違う森を歩きに行こうと思います。




      






周辺の森は何処も魅力的な所が多く行きたい所ばかりです。

幸い昨日が夏至ですので日没は何と19時、日帰り探索の私には嬉しい限りです。

日が落ちるまで次の森をノンビリ歩こうと思います・・・・花は咲き始めたかな・・・・










この森も水の流れがアチコチにある、羊歯や苔がとても美しい森です。

ゼニゴケの種類が胞子体を出しています。
上から見るとヤシの木の森のようにも見えてきます。



























咲き始めていました。












花の咲く姿は、この深い森の景色の中に溶け込んでいますね。


一回り小さなエビネですが、どこか房総の深山に咲くナツエビネのような雰囲気もあります。


ここにもいました。











前年も花を咲かせた感じですね。 花茎が一本出ていますが
蕾は固く花はまだこれからです。


こんな森が近くにあったら毎週のように探索に来ているのではないかと思います。
きっと色々な発見もあるだろうな ・ ・ ・ ・ ・ 
周辺の地図を広げると、ここも行きたい あそこも行きたいと思う所ばかりですが
今日はこれで時間切れになりました。




6月22日















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豪雪地のブナの森探索

2016-06-15 19:51:34 | 登山



久しぶりに遠出をして長いコースを歩く予定でしたが
早朝登山口に到着すると雨が降ってきました。というより雨が降っている所にやってきた
という感じかもしれません。天気予報は曇りでしたが山間部の谷間など
この時期の天気予報は難しいですね、昨日までとは少し予報も変わってきました。

上の方は厚い雲が掛かり続けていて、天気が良くなる感じではないので
長いコースを歩くのはやめて、豪雪地のブナの森を2ヵ所歩いてみることにしました。















小雨程度なら森の中は快適です。 大きなブナの樹は雨の滴が葉っぱから樹幹へと
伝って流れていきます。 森の中ではヤグルマソウ、エゾアジサイが咲き始めていました。









アブラツツジからも滴が落ちる。









薄暗い林床を見ているとツルアリドオシの蕾、アケボノシュスランの葉が
点々と見えてきます。豪雪地の森ですが房総の森と共通点があるのが
なんだか不思議です。







林床の植物の種類も豊富で久しぶりに食害とは縁がない森に来た感じです。

静かな森を随分と歩きましたが相変わらず天気は良くならない感じですので
適当な所で切り上げて移動することにします。



        






雨も上がってきました。

湿り気のある法面には夏の花が咲き始めています。

















シモツケソウやキンコウカの花を見ると、夏が来たな~という感じがします。

濡れた岩場には、コアニチドリも咲いています。










渓が深いな・・・・

薄暗い植林帯から5百メートルほど直登してきました。








少し天気も回復するかと思っていましたが、また降りだしてきてしまいました。
結局この日は降ったり止んだりを繰り返す一日でした。

しかし久しぶりに歩く豪雪地の山は興味深々です。
ユキツバキ、ヒメユズリハなど森の中は普段は目にしない植物でいっぱいで
林床をイワウチハ、オオイワカガミなどがびっしりと埋めつくしています。

















これはイワナシですね。

この森は雪解けの時期に歩くと花ロードです。





















ブナ、トチノキが多く雪国のブナの樹皮は白くて目立ちます。

このブナにはヤドリギが多く着生しています。
まだ丸い感じになってなく、着生してこれから成長していく感じです。
目線に近い位置にも多く、よく見るとブナの枝が虫こぶのように膨れています。
ブナの方にも多少のダメージはある感じにみえますが、何とか上手く共生していくので
しょうね。 着生したばかりの枝を引っ張ってみましたが、しっかり食い込んでいて
抜けそうにありませんでした。















薄暗い感じの森でしたが、豪雪地らしいとても良い雰囲気になってきました。
登りも一段落して、山を巻きながら少し細くなった道を奥へと進んでいきます。
陽射しが入る所にはアカモノが群生していました。









だいぶ登ってきました。






途中で引き返す予定ですが時間が許せる限り探索する予定です。
道は渓谷へと続いていますが、注意して行きましょうのレベルではありませんでした。

以前歩いた戸隠西岳のP1尾根を思い出しました。特に雨上りのこの時期に行くのは滑りやす
くて一つのミスも許されない所が多く、気を緩めることができません。

結局時間切れで予定していた地点までは到達できなくて途中で引き返すことになりました。
それにしても人を寄せ付けないような秘境感漂うこの山域にとても魅了されました。
何時かメット持参で再び来てみようかと思います。

全身ドロと汗まみれになり、何とか日没までに戻ってきましたが
ちょっと引き返すのが遅かった感じで、帰り道は長かった・・・・・

直ぐに温泉に入りたかったのですが、あまりにも酷い恰好をしていたので
車に戻り、一度着替えてから行くことにしました。 (-_-;)



森の中では探していた花にも出会う事ができました。
花は終わりかけでしたが、深い山の中で見つけた時の驚きと嬉しさ・・・・・
















6月14日




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梅雨入りの富士探索

2016-06-08 19:37:00 | 登山



遠出して行きたい山はあるのですが、天気があまり良くありません。
関東地方も梅雨入りしたそうです。

迷って富士山周辺の探索にしました。
今まで歩いていない場所を歩いて見ることにします。


途中で本降りの雨でしたが歩き始める頃には、雨が上がってきました。

コアジサイ、ウツギの季節です。


















バイカウツギは終わりカナウツギが見頃でした。












夏に着生ランを探しに来る予定ですので、もう少し標高を上げて
良さそうな森を探してみようと思います。

登って行くにつれて霧が深くなってきました。























林床には、ギンリョウソウ、マイヅツソウ、ツルシロカネソウなどが咲いています。

薄い踏み跡を奥へと入って行きます。


















ブナの実生ですね、育ってくれると良いですが食害が酷いので厳しい環境です。















苔むした樹々が多くなってきました。
樹の上にマイヅルソウの小群落があります。




















イワギボウシ、イワセントウソウ、ダイモンジソウ・・・・・・

大きな樹の上は食べられてしまう心配がないので、唯一の花畑?かな・・・
































苔、羊歯なども美しく雰囲気が良さそうな森です。

ヤシャビシャクなども目線の位置にいます。


午後になると雨が落ちてきて退散でした。
この森は来月また来て見ようと思います。

晴れは期待していないけど、来週は上越か北信に行きたいので
降らないでほしいな・・・・



6月7日






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久しぶりに御坂の山へ

2016-06-01 19:25:11 | 登山


毎週のようにアクアラインを通っていましたが、今日は久しぶりに御坂の山へ。
早朝に家を出て、登山口には6時30分に着きました。都心から高速で2時間でした。
以外に近かったんだ・・・・ 前日がまた雨で森はシットリ濡れていますが
今日は何も心配する事もないので気楽で良いです。

まずは黒岳へと向かいます。

薄っすらと霧が立ち込めているミズナラを主とする落葉樹林の森を行きます。










朝日が差し込んでくると、エゾハルゼミが元気よく鳴き始めてきます。
立ち止まって何度も森を見渡します。なんだかとても新鮮な景色。
落葉樹の森の朝ってこんなに気持ちが良いとは・・・・・

先週はスタートからヤブっぽく薄暗い急登でしたからね・・・・。
しばらく照葉の森ばかり歩いていた私には、とても新鮮な世界です。

ときどき大きく深呼吸しながらノンビリと登っていきます。











林床にはヤブレガサ、ヒメムヨウランが一株だけ出ていました。


















あまり見かけないようなテンナンショウが目に入りました。












右の2株はアルビノ種のように薄黄色に透けて葉には鋸歯があります。
テンナンショウの種類には疎いのでわかりませんが、目を引く美しさがありますね。











ネットを見ていたら黒岳には珍しいカモメランが自生しているという
観察会の募集が出ていました。

カモメランは唇弁に赤い斑点模様が入り、それ以外は薄いピンク色をしていますが
ここには唇弁以外は純白の株がいるということです。
過去2回ほど来ていますが、そんな株あったかな・・・・
たしかにカモメランには濃い薄いなどの変化があるので、あまり気にしないで
スルーしていたのかもしれません。
今日、自分の目で確かめてみようと思います。


登って行くと倒木に可愛らしい株がいました。

これはスタンダードなタイプです。












うん・・・・ありました。  この株ですね。



















ほんとだ、唇弁以外は真っ白です。唇弁も濃い色で綺麗ですね。


けど、ここの場所のカモメランは見ていますし撮影もしたと思います。
きっと、その時は気が付いていなかったというより、色が濃い花だな・・・・
という感じで終わっていたのでしょうね。


隣の山にはアルビノ種もいるし、御坂周辺は植生が豊かな山ですが
今日歩いた感じですと、そう長くは咲き続けてくれなさそうな感じでした。

以前は見られた群生地は無残に踏み込まれて、何株も折られていて
数も激減して、数株見られただけでした。
大人数によって踏み荒らされた感じです。
下にスズランの里があり、観光バスも入るからでしょうか。


とどめは食害で、林床に密集していたヤブレガサが、場所によっては
スカスカになっていたりしています。
林床が丸裸になるのも時間の問題かもしれません。

縦走路の自生地は立ち入り禁止のテープがあり、ロープで囲ってありましたが
周辺は背の高い草がなくなり、マルバダケブキが目立つようになってきました。


私のように遠くから車で来た者は、もうここは花の時期には来ても、つまらないな
で終わりですが、地元に住んでいて昔からこの山に親しんで
長く花を見守ってきた人は空しいだろうと思います。





アッ・・・・いけない。

ブログで愚痴ってしまった。





      




山頂ではヒロハヘビノボラズやミヤマザクラの花が満開でした。


















これから何処へ行こうかな・・・・・

時間はまだ早いので、御坂を縦走もいいな。
西へ鬼ヶ岳、東は三つ峠までなら一日コースで何とか行けますが
富士山は雲の中だし、一度は歩いていますので、まだ行ったことがない
釈迦ヶ岳へ行ってみることにしました・・・・ここなら近いので、また何処かに
寄り道することもできます。




















こんな道なら一日歩き通しても疲れませんね、
今まで常に足の置き場、足元を気にしながら歩いて来たので
よそ見しながらフカフカした道を歩くのは、快適で癒しの時間です。

時々見上げながら歩いていると、ヤドリギが見えてきます。
冬枯れの時には点々と目立つくらい多く居るのかもしれません。













エゾハルゼミの鳴き声が森に響き渡り、小鳥の囀りも聞こえないくらいです。
ヤマツツジがまだ咲き残っている所があり、新緑の中でよく目立ちます。





















岩場になるとオトシブミが多く落ちている所がありました。









葉っぱを巻いて落としたのは、この甲虫でしょうね。
近くのコアジサイの葉にいました。
何とかチョッキリという甲虫かな。
ただ落ちた場所が岩場で登山道の真ん中というのは辛いですね。










岩場の影にはアカバナヒメイワカガミが少し咲き残っていました。

岩場を登りきると山頂でしたが、団体のグループで満員でしたので
山頂にタッチして戻ることにしました。

帰り道、駐車スペースへ戻る林道沿いにはクモキリソウが点々といました。
こういう湿り気のある林道沿いや法面の上などで案外よく見かけます。











まだ十分時間があるのでこの後は久しぶりに
コアツモリソウの自生地を散策しようと思います。








      




自生地の植林帯はヤブが取り払われ、珍しく間伐もしっかりされていて
少し明るい森になっていました。コアツモリソウやスズムシソウは
ちょっと眩しそうに咲いていました。

































久しぶりに来ましたが以前と変わらずに群生しています。


けど、ここの花も近いうちに姿を消してしまう感じがします。

コアツモリソウは一時期、富士山周辺で随分と探しました。

次は房総で探そうと思っています。



5月31日














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