コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

久しぶりの丹沢 ~ 沢探索

2015-06-24 15:04:02 | 登山

今日は天候が安定していたら久しぶりに北信に行く予定でしたが
寒気の影響で不安定な天気になりそうですので諦めて場所を変更・・・
八ヶ岳、富士山・・・どこも標高の高い山は寒気の影響でだめそうです。
この時期に寒気が入ると、下は曇りでも山は大荒れの時がありますからね。

最近は低山探索中心でしたので楽しみにしていましたが、結局今日も午後3時には用事
もできてしまい、半日山歩きになりました。

房総、高尾山はしばらくは遠慮して、久しぶりに丹沢へ行こうと思います。
昨年にウチョウランを沢沿いで見つけたので、さらに奥へと探索してみます。
明け方から歩きだせば、お昼過ぎまでには戻ってこられそうです。











朝はとても良い天気でした。
先週と同じ沢歩きですが、丹沢は涼しい~・・・日が昇るとやはり暑くなりました。
房総では見頃を少し過ぎていたケイワタバコ、丹沢では咲き始めで美しいです。






















シダ、コケが美しい時期です。
これは、コミヤマスミレかな・・・丹沢では初めて見ました。

岩陰にはウメガサソウが点々とさいていました。














沢沿いの苔の上にカンアオイとベニシュスランが 











昨年、沢沿いの岩場に咲いていたウチョウランですが
なかなか近寄って見ることが難しい場所に咲いていた株が多くあったからでしょうか
今、その場所に来ていますが、花がまだ咲いていないのでしょうね。
ずっと見渡しても、どこに咲いていたのかわかりません。
花が咲いていないと、岩場の上の株は肉眼では確認することが難しいです。
しょうがないから周辺を目線の位置で見ることができる株がないか探して見ます。

最初は、全然見つからない感じでしたが、やっと一株見つけることができました。









岩場には似たようなスゲ、イネ科の植物も多くイワジャジンも似た感じですが、見慣れてくると
よくわかるようになってきました。
あとウチョウランの葉の裏には、紫色の線が入るのが特徴で、見分けるポイントに
なります。
それにしても蕾が小さいですね。
花は7月になってからでしょう。









あまり動かないで
苔の付いた岩場をじっと見つめていると、実は結構多くの株が自生していることに
気がつきました。
この小さな株もウチョウランです。









沢沿いを登りながら
さらに探してみることにします。
沢靴ではないので、濡れないように渕を歩きながら
岩を見上げたり、じっと睨めっこしたり・・・
非常に滑りやすいので、途中からチェーンスパイクを履くことにしました。
沢屋ではないので核心部までは行けませんが、ある程度までは問題なく行けそうです。
ただ、やっぱり靴は濡らしてしまいました。

しばらく行くと、また目線の位置に自生している岩場がありました。















少し休憩しようとザックを下ろして岩に腰かけようと思ったら、
周辺の岩についたコケの上にも株を見つけました。










どうやら険しい岩場だけでなく、足元の苔の上などにもウチョウランは自生しているのですね。
きっとこの上にある岩場から逃げ出してきた株でしょうか。
花が咲いたら、とても良い花風景になりそうな雰囲気の場所です。

目線の位置や足元などにも多くの株を見つけたという事は・・・・
もしかしたら、花の時期に来て見たら上のほうの岩場は花、花、花の
花三昧・・・なんてことになるかもしれないな~なんて期待してしまいますね。


その先からは、膝上位の渡渉になりそうでしたので、斜面を登り植林帯を越えて
登山道にもどることに・・・途中でベニショスランが点々とあるところを見つけたので
時間が掛かってしまいましたが、何とか時間までには帰えることができました。











丹沢のウチョウランやベニシュスランが咲くのは、ちょうどヤマユリが咲く頃に
なりそうです。
その頃、休みが取れるかどうかわかりませんが、行けるようでしたら
花の景色をアップできれば・・・と思います。



6月23日












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房総の山で迷う

2015-06-22 02:52:41 | 登山


ちょうど花も端境期ですので今まで歩いていない所でも
歩いて見ようと以前から興味があった場所を歩いてきました。
房総でも訪れる人が少ない山深い所です。

いつものように早朝スタート、しかし今日は湿度が高く風もなく途中で小雨も降ったりして
正直汗だくの不快指数が高い山歩きになりそうな・・・実際汗と泥まみれになるはめに・・

それでも午前中は、それなりに花を見ながらの楽しい山歩きでした。
体力もまだ余裕でしたから・・・








沢沿いや周辺を歩くとケイワタバコが見頃で、もう散り始めている花もありました。












沢から稜線に登ろうと赤テープを頼りに急傾斜の斜面に取り付きます。
房総では沢から尾根に上がるには、だいたい急傾斜で滑りやすい斜面を
しばらくの間、ひたすら登ります。

所々にシャクジョウソウが出ていました。
青い目のギンリョウソウと違い、オレンジ系の黄色い目をしています。








モミ、ツガなどの大木も多く、見上げるとテイカカズラが絡み花を咲かせています。
花は終盤ですが、時々ほんのり良い香が森を覆っています。









これはクモキリソウでいいかな・・・ちょっとジガバチのような気もしますが・・・
房総ではコクランは多いですが、クモキリソウはあまり見かけませんです。
ギボウシランも自生しているそうですが、いつか会ってみたいですね。















切り立った岩場が見えたので近寄って上から覗いて見ます。
イワギボウシを点々と確認できましたが、危なくてそれ以上はわかりませんでした。
そろそろ咲き始めるアワチドリなどは、きっとこんな場所に咲くのだろうか・・・










ずっと薄暗い森の中、小雨は木々の葉などに覆われているので
雨具はいらないのですが、上半身はすでに汗でズブヌレになってしまい不快なこと
このうえない。
首に巻いたミントオイルを染み込ませたタオルで顔を拭うと、一時清涼感を感じて
ほっとします。

しばらく稜線上を歩き反対側の沢に下りて、できれば沢を詰て稜線まで戻る予定
でしたが、これからが苦行の始まりでした。
赤テープを頼りに下りてみますが、最後の沢への下りが急傾斜で何とか降り立つことが
できましたが、沢は荒れていて岩場も多く、とても登って行けそうな感じでは
ありませんでした。
結局泥だらけになり、再び同じ尾根に何とか這い上がり稜線まで戻ることにしました。

薄暗い沢の底壁には、ベニシュスランが点々とありました。


















      





着替えを上下と持ってきているので、着替えてさっぱりしてから同じ道を帰ろうと思います。

途中の急傾斜な小ピークを枝に捕まりながら越えようとしていたら左側に巻道のような
踏み跡があり、赤テープも確認できました。
上を越えなくてよさそうなので良かったと思い、そちらの巻道の方へ・・・・
確かにピークを巻きながら再び稜線に戻っている感じで、何の疑いもなく歩いていました。
途中には赤テープもあるし、行に歩いて来た道と同じ雰囲気です。
ただ、少し下りが多いかな・・・・
行には気が付かなかったのか、とても立派なツガの巨木も少し下の斜面にありましたが
きっと他の植物でも見ていて気がつかなかったのだろうな・・・とその時は思っていました。
しかし、いきなり周りが開けて露岩があり片側は切れ落ちている場所に来た時

これは違う尾根を歩いている!

とここでようやく気がつきました。 ザックの中からGPSを取り出して見ると
小ピークを巻いて歩いていた尾根は、そのピークから派生している別の尾根でした。
トラックログを見ると、最初は同じ方角に伸びている尾根でしたが、途中から
少しづつ離れていき、その上を30分以上も歩いていました。
しかも下り中心で、戻るには当然上りになります。
途中でチェックするタイミングもあったと思います。
どうしてしなかったのかな・・・・と今考えると、自分の感に過信していたとのと
かなり疲れていたのだと思います。
早く帰りたい気持ちが、ザックからGPSを取り出して見る時間を惜しんだのか
もしくはめんどくさかったのかもしれません。

しょうがないです。 来た道を再び登る感じで戻りますが、今度は途中から
踏み跡がわからなくなったと思ったら切れ落ちた岩場になり、まったく進めなくなりました。
焦ってGPSを再び見ると、来た道とはまた違う方向にもどっているではないか! (-_-;)

途中から戻るべきトラックログから外れていました。
つい歩きやすい方向へと行ってしまうようです。
ここの時点で、時刻はPM3時40分。
ここにきてさすがに、ちょっと焦りを感じました。
何とか明るいうちには帰れるだろうか・・・・
少し足にきているので、滑ってケガしないように、沢で履いたチェーンスパイクを
再び付けて、GPSの予備電池、ヘッデンを確認して今度はGPSを首から下げて
胸のポケットに入れ常に見ながら、正確に帰るべきトラックの上を歩いているか確認
しながら行くことにしました。

こんな所を歩いたかな・・・・そんな感じで心配しながら常にGPS頼りに

途中で、もしまた何かあってビバーク・・・なんてことも考えてみました。
ツエルトは常に持っていますが、着替えたのに再び汗で濡れてしまった衣類では
嫌だな・・・けどもっと嫌なのは ヒル ヤブ蚊 ヤマダニ・・・・
冬、寒くて辛いほうが、まだましかな・・・・なんて

少し薄暗くなってきた PM6時30分。

車が見えた時は、本当に安堵して座り込んで、しばらく動けませんでした。
歩いたことがない房総の破線のルートをこの時期に歩くのは、もっと注意しなければ
いけませんね。
そして思っていた以上に体力を消耗することを痛感しました。

反省の多い一日でしたが今回の私のように、GPSをもっていながら道に迷ってしまうことは
普通の登山道でも、時々あるようです。
あにねこさんに教えてもらった、豊後ピートさんのブログ( ガチで考える道迷い遭難 )
に解りやすく解説されています。
山岳遭難に深くかかわり、豊富な経験から鋭い指摘も多く とても勉強になりまので
よかったら見てください。

そんなこんなで、疲れてアップも遅くなりました。


6月16日









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 ムギランの花   ~  6月の房総探索

2015-06-03 19:20:43 | 登山

今日も真夏日になるかもしれない予報ですが、
あえて暑い房総の山を探索することにしました。
それも涼しい沢筋ではなく、暑い岩場の多い尾根筋を中心に歩こうと思います。

着生ランなどが咲いているのを見つけられればいいな~と
本来なら歩きやすい冬場に探しておくのが良いのですが
丁度花の咲く時期である今、大汗かいて探してみます。





集落を車で走っていると、栗の花が垂れ下がり、青臭い香りがしてきます。
林道をゆっくり走っていると、アブラギリの花が一面に落ちていました。









AM6時、湿り気のある深い森へと入って行くと、今度はとても良い香が漂ってきます。
テイカカズラが丁度花を咲かせている時期なのでしょう。
この後、ずっと淡い香りに包まれながらの歩きで、いつもより足取りが軽やかな感じです。
アロマ効果って素晴らしいな・・



















湿り気のある法面には、コチョウショウジョウバカマ。
花が終わると花茎が、かなり伸びるのですね。









ノンビリ歩きたいのですが、早くも奴らに嗅ぎつかれました。









最近は雨が降っていないので少し安心していましたが、湿り気の多い森はだめですね。
しかし私の靴は塩漬け状態でして、洗って乾かしても塩をふいていて
今日もシコタマ塩水を吹き付けてきました、ロングスパッツもしかりです。
少し観察していましたが、最初はなかなか上ってこない感じです。
ただ時間の問題で、やはり上ってきます。
塩分の濃いスプレイヤーを持って、こまめに濡らしておいた方が良さそうです。






薄暗い照葉の森を登っていきます。
小さな白い花が点々と咲いています。







ツルアリドオシの花でした。 低木のアリドオシはトゲがあり鹿が食べないので
よく見かけていましたが、ツルアリドオシの花は房総では初めて見ました。
この時期には訪れることがなかったからですね。

ギンリョウソウも点々と・・・








時々立ち止まり、周りを見わたしながら歩いていると
薄暗い中に、ひときわ目立つ美しい花が咲いていました。

イチヤクソウです。













全体のバランスも良く、美形ですね。 ここでしばしの休憩。






これは、オオバノトンボソウでしょうか、あちこちで株を見かけるので個体数は
かなり多いと思います。






道は尾根から離れて山を巻くように付いていますが
尾根をたどるように行って見ます。 何となく踏み跡がある感じです。

途中で見つけたエビネの葉。
















いよいよ岩場になってきました。 ノコギリの歯のような稜線ですので
小さな上下を繰り返しながら行きます。
大きな岩があると上を越えないで、まずは周りをグルリと歩いて岩に着生している
植物を観察します。
短めのロープにスリング一つ、チェーンスパイク、ドライバーを一つ。
これらをフル活動して、腹ばいにへつったり乗り越えたりしながら
危ういトラバースや痩せ尾根を何とかクリアして行きます。

渓を見下ろすと緑が濃くなりましたね。
真っ白な花を咲かせているのは、ヤマボウシでしょうか。










稜線上の岩場ですけど陽射しが当たらない側の岩壁にはケイワタバコ、イワヒバなどが着生していて
もう花が咲き始めている株もありました。
少し日が当たる場所にはキリンソウもさいています。












岩場に着生するムギラン、マメズタランなどは以前に見たことがありますが
こんな陽射しが当たる風通しがよくて、周辺の日蔭の場所にはシダ類などの
湿り気が多い場所を好む植物が着生している・・・・

そうです、こんな朝霧が湧いて、空中湿度が高そうな それでも陽射しはとどく岩場が
着生ランを見つけることができる場所だと思います。

しかし幾つも岩場を越えたり、へつったりしてると暑さも増してきて
体力も底をつきそうになってきました。
持ってきた水も底をつきそうです。  2Lでは少なすぎましたね
これからの山歩きは余裕を持って3Lもってこなくてはだめそうです。
岩場の上がテラスのようになっている所があったので、ここでお昼にすることにします。



















テラスの上は眺めもよく風が通り気持ちがいいです。
周辺の景色は深山の雰囲気たっぷりで、低い房総の山とは思えない感じです。
片側は切れ落ちて危険ですので、少し手前にザックを下ろして休んでいる時
腹ばいになって切れ落ちた下の方を覗いてみようと手をついたら
岩場の端、ぎりぎりの所にムギランが着生しているではないか!
 









下をのぞくと岩場の上部に何カ所かに群生しているのが確認できます。
何とか回り込んで近づいてみようと思います。
岩の割れ目に片足をねじ込み、もう一方の足をそ~と灌木に置いて
片手にカメラを持って何とかシャッターを押してみます。


















しかし、ちょっと危なっかしいので岩の角にロープを回して
体に固定し、何とかロープに体をよりかかれるように工夫してみました。
これで安心して撮影できます。











花が咲いている!








花の大きさは、米粒の半分くらいです。











もう少し近寄ってみます。






















ほんとうに小さな花ですが
拡大して見てみるとラン科の花の形をしていますね。





丁度、花の時期に見ることができて良かったです。
ムギランは、昨年の夏にも別な場所で見つけていましたが
ここの自生地の方がスケールが大きく、人も訪れることがないでしょう。
きっと何時までも咲き続けてくれると思います。

周辺を歩き回ると、他の岩場にも着生してそうな感じでしたが
双眼鏡でないと確認できないような場所でした。

望遠レンズで撮影。










もう少し歩いて見ましたが、他の着生ランを見つけることはできませんでした。
なかなか出会うことが難しい着生ランですが、一つだけでも
出会うことができたことは、とても幸いだったと思います。



6月2日





コメント (7)
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