コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

モロコシソウの花 ~ ヒメハルゼミの森

2016-07-21 07:28:35 | 登山



山道を登っていくと額から汗が流れ落ちていく。
久しぶりに真夏の山歩き、まして房総の低山ですので気温、湿度とも高いです。
夏が終わり真冬の凍える山を歩いている時、きっと今日の暑い山歩きも懐かしく
思い出すかもしれませんが、個人的には夏はどうも苦手です。

沢を見下ろしても涼しさは感じられず、午後の陽射しで蒸し暑さは増すばかり。

花はというと、タマアジサイが咲き始めているのを見かけるくらいで
緑一色の渓谷風景です。
















沢へと下りて行きます。

















空気が淀んでいる感じがして、谷底も蒸し暑いです。

唯一の清涼剤は法面に咲くピンクのクサアジサイでした










そんな谷底を歩いていると・・・・・・

何処からか、ジーコジーコと聞いたことがないセミの鳴き声が聞こえてきました。
しばらくすると鳴き止んで聞こえなくなったかなと思っていると
少しするとまた何処からか聞こえてきます。

また、鳴いているなと思った時、今度は周辺の森全体から大合唱が聞こえてきました。
すごい数のセミが一斉に鳴き始めました。

しばらく聞いていると、またスッ~と鳴き止んで静けさが戻ってきます。
どういったタイミングなのかはわかりませんが、誰かが森の中でタクトを振っているような
感じがします。

これがヒメハルゼミかな・・・・ 以前gomaさんがブログにアップされていたのを思い出しました。

アブラゼミ、クマゼミの鳴き声ような暑苦しい感じなどはなく、勝手気ままに
それぞれが鳴いたりすることもない感じで、何だか不思議な森の合唱でした。

照葉の森に生息するヒメハルゼミの合唱を聞くことができたのは
とても嬉しい体験でした。ニコニコで源頭へと向かいますが
途中の沢沿いあたりからヒルがやたらと靴に登ろうとしてきます。

モロコシソウの花が咲いている頃ですので、ここまで来ましたが
私が知る限り、房総でも一番多くいる所でしょうか、他の自生地に
すればよかったと後悔しましたが、サッサと花を見たら引き返そうと思い
自生地を目指します。


荒れた涸沢を登っていくと・・・・



















花は終わっている?

モロコシソウの花は花期が長く、気ままに花を咲かせていきますが
見た感じですと、ほとんど咲き終わり青い果実も見られます。
周辺には群生している場所もあるので見上げてみると・・・・










終わっている!  咲いている花は一つもなし。

一株一株よく見てみると、蕾も幾つか確認できました。
ただタイミングが悪かっただけなのかな・・・・

急な斜面に点々と自生している株を注意して登りながら確認していくと
ようやく咲いている株が見つかりました。


















一株ですが咲いている花を見ることができてよかったです。
点々と垂れ下がって咲いてる風景を期待していましたがちょっと無理そうな感じですね。

まだ上の方には何株もいますが、足場も悪いし・・・・・・・
・・・・全身に大汗をかいたので、首に巻いていたタオルで頭や顔をぬぐったら

血の臭いがする (-_-;)


そ~っとタオルを見ると・・・・







これにて撤収です。




7月19日











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カシノキランが咲き始めた森 ~ 真夏の房総

2016-07-20 19:49:25 | 登山



前回の続きになります ・ ・ ・ ・




この暑さ、もしかするとカシノキランが、もう咲き初めているかもしれないな・・・・

この後の予定を変更して、カシノキランの森へと行ってみることにします。
沢沿いの法面にはアキノタムラソウが咲いています。









沢沿いのカエデの葉は新緑のように涼し気で、一時暑さを忘れそうです。













ここには、ヨウラクランが多く着生していて、小さな果実ができていました。









この樹にはヨウラクラン、カヤラン、ムギランが密集して着生しています。
カヤランも長い果実を付けています。











カシノキラン、どうかな・・・・













もう咲き始めている!











よく見ると蕾もイッパイです。 足元にはヒルもイッパイ (-_-;)

ザックを置いて、望遠のカメラを取り出し、撮影が終わって再びザックを
持ち上げたら、3~4匹くっ付いていました。
・・・・一応気にして、倒木の上に置いたのですが・・・・・

ザックは高い枝に引っかけて置くか、ザックにもシコタマ虫よけスプレーを付けるか
それとも常に背負っているか・・・・・これが一番かな・・・・
汗の染み込んだザックを地面に下ろした後、そのまま知らないで背負うと

・・・・・考えるのもオゾマシイ~

靴には何回もスプレーを付けているので、くっ付いて登ってこようとしますが
なかなか上がれなくて、ウロウロしている所で気が付いて、叩き落としています。

別の場所へと移動します。





ここは、まだ少し早いようですが、蕾は膨らんで一部は開花しています。





















ここの場所では、ヒルは見かけませんでした。
よく地面を見ると、アリが忙しそうに地面を走り回っています。
もしかして、アリはヒルの天敵か!





少し落ち着いて観察できそうです。








この蔓に着生した株にはツボミがありませんでした。
来年は咲いてくれるかな・・・・・


日没までには、まだ時間の余裕がありますので
もう一カ所歩いてみようと思います。



・ ・ ・ ・ つづく











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クモランの花は ・・・・ 真夏の房総

2016-07-20 14:17:11 | 登山



とても蒸し暑い一日でした。

それでも早朝の沢沿いはヒンヤリとしていて
斜面からは大輪のヤマユリの花が垂れ下がり
とても良い香が漂っていました。











上の方に咲いている花の中には、
赤みを帯びている花もありました。










春に着生ランを探しながら歩いていた時に偶然見つけたクモラン。
きっと花が咲いているのでは・・・・・と思い、気になってきました。
地味で小さな花のようですが、せっかく見つけたのだから、一度は花を見て見ようと思い
暑い夏の房総の山へとやってきました。

今日は大汗を掻きながら、3カ所を歩こうと思います。





見つけた樹に近づいて見上げてみます。








んん~
ほんとうに蜘蛛がいるみたいです。

花は、咲いているのかな・・・・・・・








終わっていました。 (-_-;)



この株は大きくて、前年も多くの花が咲いていた形跡が見られたので
花を期待していましたが、時期を読み間違えてしまいました。
しょうがないです・・・・



もう一カ所は小さな株が幾つも見つかっています。
花が咲くのかどうかはわかりませんが、期待して行ってみます。





あれ? どの樹だったかな・・・・・



アッ! この樹です。

花は・・・・・・んん? 

もしかして咲いている?















こんなに小さいのですか・・・・・思っていたよりも更に小さな花ですね。

けど、どうやら間違いなく咲いているようです。

大きさはコレくらいです。






























花に朝日が注ぐ。

クモランは案外と陽射しのはいる、少し明るい森が好きなようです。









しかし、これではランの花かどうかわかりませんね。

ムギランより小さい感じです。

できる限り寄ってみます。


















ちょっと寄ったカメラの位置がわるかったかな・・・・

それでも、何となくランの花のような特徴も見えるでしょうか・・・・・


クモランは房総の山に自生していることは知っていましたが、どんな所を
探し歩いたら見つけることができるのか、まったく見当がつきませんでした。
取りあえず樹を見上げながら歩いていた時に、偶然見つけることができました。



花は、この後もう少し開くのか、それとも終わってしまうのかは
わかりませんが、今回は花が見られただけでも良かったです。


  ~ つづく






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ベニシュスランが咲きはじめた森

2016-07-13 17:39:24 | 登山



久しぶりに天気に恵まれました。 今日は、やまそだちさんと一緒に
2ヵ所ほど歩いてきました。午前中は富士周辺をフガクスズムシソウを見ながらの探索です。

先週は天候が悪くて視界が効かず、あまり探し歩くことができませんでしたので
今日は双眼鏡を片手に、樹の上を見ながら歩こうと思います。

先週はまだ蕾が残っていましたが、今日見上げてみると蕾だった株も全て開花して
満開の状態でした。 先週と違って明るい陽射しが森を照らすと、苔や羊歯がとても
鮮やかですね。 フガクスズムシソウの花はどちらかというと地味な感じなのですが
周りの美しい苔や羊歯の中に着生して咲いていると何ともいえない花風景です。




























森の中は明るく樹の枝先まで良く見渡すことができるので
寝転んで枝の先までよく眺めていると、今まで気が付かなかったのですが
フガクスズムシソウが枝先の方まで何株も着生しているのが見えてきました。
しかし、それ以外の着生ランはいないようですね。



この枝には、昨年の夏にはツリシュスランの花が見られたのですが
今年も咲くのかな・・・・よく見ると、何となく咲きそうな感じですかね・・・・

















       







午後は咲き始めたベニシュスランを探しながら
丹沢を歩くことにします。

歩いていると、山百合の香りが漂ってきます。









ベニシュスランは房総の沢を探索していると出会う機会が多いのですが
薄暗い沢で出会う株は花を咲かせる株が少なく、よく花殻を見る株が多い所は
ヒルの多発地域だったり、行くのに苦労する場所だったりすることが多いので
花の観察にいくのは丹沢ばかりです。

丹沢のベニシュスランは花付が良く、百株以上咲いていた場所もありました。
ただ多くの群生地は岩場や法面、沢筋でしたので、大雨になると土砂で埋まって
しまったり法面が崩れたりして、翌年には見かけなくなる場所も少なくありません。

今日、久しぶりに訪れた自生地も崩落が進んでいて、最初の株を見つけるまで
何度も立ち止まりながら、やっと一株見つけることができました。 その後は
ようやく目が慣れてきたのか、暗い岩場などに着生して咲いている株も見えてきました。












しかし、以前は多くの株が着生していた岩場周辺や苔のついた法面には
ベニシュスランの姿は見つかりませんね、何度立ち止まって探しても見つからないので
しょうがなく、少し違う場所を探していたら、以外にも落ち葉の積もる湿った林床に、
キノコなどと一緒に住んでいました。































落ち葉の上に咲いていても、花の色と落ち葉の色は同化してしまいうので
歩きながら目線の位置で足元を見ても、気が付くことなく通り過ぎてしまいそうです。

足元にいることがわかり、あらためて低い姿勢で周辺を見回してみたら
何株も住んでいました。 

ベニシュスランはシュスランの中でも特に花が大きく
緑の苔や岩の隙間に着生している時には案外と気が付くのですが
こんな林床ですと見落としてしまいそうです。












まだ蕾の株も多く、咲き始めたばかりです。



撮影しながら、じっくり眺めていると・・・・・美しい!










ベニススランは綺麗というのとは少し違います。 美しい! うつくしいです。


・ ・ ・ ・ ・ もう一度、逢いたくなってしまいました。 




7月12日









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雨の森で・・・・・

2016-07-06 20:16:37 | 登山


早朝に到着して歩き始めた時は、森の中に薄日も差して
まずまずの天気でした。








林床には、まだ蕾でしたがキバナノショウキランが顔を出していました。










しかし徐々に霧が立ち込めて暗くなってきたなと思っていたら
やはり雨が落ちてきました・・・・予報は曇りなんですけど・・・・・

雨は次第に強くなったり弱くなったりという感じで、樹を見上げてみても薄暗く、
霧も掛かっていて何かが着生していてもわからない感じです。

・・・・・これじゃ~ダメだな・・・・・

しょうがないから大きなイタヤカエデの樹の下で、しばらく雨宿りすることにしました。
イタヤカエデは大きな葉を密に広げていて、森の中で雨宿りには最適です。
じっとしていると、今日は北東からの風が入っているので森の中はヒンヤリしてきます。

周辺の樹には、ツルアジサイがよく絡んでいて、薄暗い森の中でも花が咲いているのが
よく目立ちます。ぼんやりと幻想的な花景色です。



















雨が止むと周辺が少し明るくなり、暗くなったな・・・と思うと
また降りだしてきたり・・・・・

カメラを出しづらいのですが少し止み間もあったので、その時に何枚か
撮影することができました。

林床に白い花が落ちているのに気が付いて、上を見上げてみると
ヒコサンヒメシャラが咲いていました。










相変わらず樹の上の方は薄暗くてわかりませんので、目線の近くに
着生している植物やキノコなどを観察しながら森の奥へと・・・・・・















これはアオベンケイですね、マツノハマンネングサなどは目線の位置に
多く着生していました。















森を奥へと歩いていると、時々立派なブナやカエデの樹に出会うことがあります。
苔や羊歯などが全体を覆っているので、霧の中ですと乳白色の中から
緑の大木が浮かんでくる感じで見えてきます。

雨は一時止みましたので、樹に近づいて見上げてみます。









こんな感じの樹には、何か着生しているような気がします。
双眼鏡を出して、上の方の羊歯が密集しているあたりを良く眺めてみます。








フガクスズムシソウがいますね。

丁度、花も見頃な感じです。










周辺の樹々も上の方を見てみると、何ヶ所が着生していました。











目線に近い所にも・・・・




















撮影できたのは、この一時だけでした。

また、出直すことにしようかな・・・・・

綺麗なフガクスズムシソウに出会えただけでも良かったです。

滅多に出会えない、ヒナチドリ フジチドリ ・・・・・ きっとまだ何処か深い山の中で
生き残っているのではと思っています。

喘ぎながら山を登っている時、大きな古木に出会い見上げて見ると
羊歯の隙間に、かすかなピンク色が見えてくる・・・・・

そんな光景に出会うことを想像しながら、また違う山を探索してみることにします。



7月12日
















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