保台清澄連絡道路・・・と聞いてすぐにピンとくる人は、廃道巡り、隧道マニア・・・
そんな趣味の人達でしょうか、ネットでも結構アップされています。
都心から日帰りで行ける廃道巡りベスト3にも入っています。
場所は千葉県鴨川市にある保台(ぼだい)ダムからスタートして
清澄方面に向かっている旧道で、明治から昭和の初期あたりまでは
利用されていたようですが、何時ごろに造られたとか詳しいことは
私にはよくわかりません。
たびたび房総を訪ねる度に、いつが機会があれば私も歩いて見たいと
ずっと思っていました。
カシミールの地図で示すと赤線の所が核心部で
素掘の隧道が連続している場所です。
上の破線の道は現在林道になっています。
地図を見ると、ここ保台ダムから元清澄山にかけて登山道らしき道がありません。
実際にしっかり整備されているのは関東ふれあいの道くらいです。
しかし、破線扱いくらいの道から踏み跡程度までのルートは
いつもお世話になっている房総丘陵のサイトに載っていました。
今日は保台ダムの駐車場に車を置いて、3号付替え道路に入り
沢沿いの破線を詰めて、この隧道を巡り、関東ふれあいの道から元清澄山
に向い、保台ダムにもどってくる周回コースを歩いてみようと思います。。
どれくらいの時間が掛かるのかはルートの状況次第ですね。
もちろん植物観察も兼ねていますから、日が落ちる頃戻って
これればいいかな・・・と考えています。 AM8.30 少し遅いですが出発します。
林道は途中でなくなりましたが、沢沿いの右岸に道らしいものがあります。
問題なく歩けたのは、ほんの最初少しだけで、この沢ルートは荒れ放題でした。
過去のレポを見ていて覚悟はしていましたが、今年の大雪で
倒木は相当増えたような感じです。
この大きな岩、上から落ちて横倒しになったのですね。
着生していた樹が真横になってしまっているので
ゴロンと半回転もどしてやりたい気分ですが・・・・もちろん無理です。
イズセンリョウ、実が付いています。
何となく道らしい跡を行きますが、倒木が段々と増えて、通過するのにやたらと
時間ばかり掛かります。
今日は寄り道しながら植物観察なんて無理かな・・・
ここは手強いです。
跨いだ木が朽ち果てていて、体重の重みで崩れて、底まで落ちそうになりましたが
蔦にからまり助かった~
高巻きするのもU字型の渓ですと大変ですが、途中から左岸、後半は右岸を
軽アイゼンを装着してトラバース気味に登りました。
左岸をトラバース気味に歩いていると炭焼き窯跡がありました。
キクラゲの種類かな・・・
沢から一段上の不安定な斜面を登って行くと稜線が近づいてきました。
何処かで隧道の連続する水平道と交差するはずです。
周りを見渡しながら行くと、少し平な場所に出る。
ふと左側を見ると、すぐ横に隧道が見えた! やっと沢道を抜けました。
道らしい跡が右側にも続いているので、歩いて行くと沢の源頭付近と交差していました。
隧道に戻りヘルメット、ヘッデン付けて真っ暗な隧道へ・・
少し不安もありましたが大丈夫そうです。
下は濡れているけど歩きづらくはなく、先の方に出口が見えてきました。
最初の隧道を出ると、思っていたとうり、藪と倒木、崩壊した斜面の連続で
何となく水平方向に道形がある所もありましたが
これから残る7つの隧道を無事に踏破できるか不安で一杯でした。
終始藪と倒木に奮闘していたせいか、前後の記憶が少しバラバラに
なっているかもしれません。
倒木をかき分け行くと次の隧道があらわれました。
出口がハート型で、何だか少しホッとする。
初めて視界が開けた。
崩落した斜面の隙間にエビネが多数生き残っていました。
沢から離れて植生が変わってきました。
何となく以前には道があったかのような感じの斜面。
確か二つ目か三つ目だったかの隧道を過ぎて少し進んだら
次の隧道が見えてきましたが、手前が大きく崩壊していて、どうにも進めませんです。
足元は切れ落ちているので蔦や根をたよりに下の方まで下りて
倒木やからむ蔦をかき分けて、何とか突破しました。
自分の重みで、倒木ごと一緒に再び下に落ちてしまわないか
とても不安でした。
これは、カギカズラですね、絡む蔓の中で発見。
房総らしく万両が多いですけど、傾斜地にあるので、どれもこんな感じで傾いています。
赤テープがあるのでルートは間違っていないようです。
たしかに水平に道があったような感じです。
再び隧道が現れる。
綺麗な家形の五角形をしています。
いままでの隧道も少し形が崩れていましたが基本同じ形でした。
私は最初、宗教的な理由か何か決まり事でもあるのかな・・・と思っていましたが
どうやら昔のトンネル工法のようです。
それにしても少し登れば稜線があるのに、どうしてこんな急斜面に隧道を造って
道をつなげているのでしょうか・・・私には良く解りませんが
きっと何かしらの理由があるのでしょうね・・・
隧道の中以外は、倒木と藪の連続です。
また崩壊気味の斜面の向う側に隧道が見えて来ました。
慎重にトラバースしていきます。
隧道の中に入ると出口の先に次の隧道が見えています。
やっと少し歩きやすそうな道になってきたので休憩。
暖かい房総、またダイモンジソウなどが咲き残っています。
もう少し余裕があれば、このあたりに自生しているモロコシソウやコショウノキ
など探して見たかったのですが、時間的にも無理そうです。
先ほどの崩壊地では、バリバリノキがあったような感じでしたが、
これも確認する余裕がありませんでした。
・・・・つづく。