コブシの花の咲くころは

平日の静かな山を気ままに歩いた記録です

ナツエビネは咲いたのかな ・・・ 晩夏の房総探索

2015-08-26 17:44:23 | 登山





今日は北東からの冷たい風が入り、都心周辺は10月頃の気温です。
まだ2日くらいは続く予報です。  これなら暑い房総を歩くのも快適だろう。

夏の房総に咲くナツエビネ、今年は咲いたのかな・・・
昨年は高温と少雨の為か、花茎が途中で黒く変色して折れてしまい
私が知っている範囲では、ほとんどが咲かないで終わってしまいました。

今年は昨年異常に猛暑日が続いて南関東では、ほとんど雨が降らない日も続いたので
8月4日にカシノキランの花を見に行った山では、カラカラに乾燥していました。
この時点で私は今年のナツエビネの花はまた咲かないだろうとあきらめていました。

それでも立秋が過ぎてから少し降雨のある日もあり、ネットでは咲いている花も
見かけるようになり、少し気になってきました。

花はもう見頃を過ぎて残り花だろうが、この気温なら酷いヤブや荒れた沢もそれほど
気になることもないだろう・・・・
花はだめでも、一日好きに歩き探索できれば良しと思い、一度は諦めていたのですが
涼しさに誘われて、出かけてきました。



早朝は肌寒いくらいでした。

房総では稲刈りが終わっている田圃も多く・・

・・・・ほとんど秋の雰囲気です。









一昔前までは馬をつないでいたのではないかと思わせるような、
のどかな農村の脇を通り山へと入って行きます。









ナツエビネの自生地、今年は苦労しなくても見に行ける所を多くみつけていますが
この涼しい気温ですから、山歩きを楽しみながら一番奥深い沢の源頭付近の場所へ
行って見ようかと思います。
沢から詰ていくのは、さすがに厳しいので山を越えて稜線から下りていきます。


ヤブを掻き分け、薄暗い沢の源頭を目指します。

苔むした倒木が多くなると、ナツエビネがいます。










あの株は昨年と同じ、途中でダメになったようです。









株は多いけれど花芽がない株、途中でダメになった株が多いです。

気になったのは、今まで、この山ではあまり見かけなかった鹿の足跡を
多く見るようになりました。










あの株は咲いていそうです。

















最初の一本はダメでしたが、その後に出てきた花芽には恵みの雨が届いたのだろうか・・・




















倒木や崩れた土砂や枝に埋まっている薄暗い沢の中、長くとどまりたくなるような場所
ではないのですが、そんな所を好んで咲くナツエビネの花の美しさは、本当に神秘的です。


いつものような猛暑の日なら汗と泥にまみれてようやくたどり着く場所ですが
今日は涼しい風が汗ばんだ体を冷やしてくれて快適でした。
丁度、先日の富士山周辺にでも来ている感じです。

大きな株の根本周辺には、新たな小さな株が育ってきています。










荒れた沢を更に下っていくと
小さな株ですが、綺麗に咲いた株がありました。



















ここには多くの株が自生していますが、今年も綺麗に咲く条件を満たして
いなかったのでしょうね。
数株は咲いていましたが、多くは途中で枯れてしまったようです。

私が今まで探したナツエビネの自生地は、多くが山深いところにある沢の源頭付近が中心
でしたが、どうも猛暑と少雨では花を咲かせるのが難しいのかもしれません。

もう少し沢の下流、水が多く流れている沢沿いの方が花を咲かせやすいのでは・・・
少し思い当たる場所がありますので、午後は場所を移動して違う沢を探索してみます。





 

        





苔が美しく、水の流れも清らかな沢沿いを探索します。








名前はよくわかりませんが羊歯もきれいです。













思っていたより、倒木、ヤブも少なくて歩きやすい沢沿いの森ですが、
ここはヒルが多くいます。 早くも這い上がろうとするヤツを見つけました。
要注意しながらの探索です。

羊歯を見ながら沢の脇を歩いていたら、すぐ脇に立派なナツエビネを見つけました。
花は見頃を過ぎていますが、長い花茎を伸ばして綺麗に咲いたようです。
ここなら雨がなくても水の心配はないし、大きな樹に囲まれて暑さも厳しくないのかも
しれませんね。
きっと探せばまだ株は見つかるでしょうが、今の時期は避けて、ヒルがいない
時期に周辺を探索してみます。









沢沿いを更に奥へと行って見ます。
多少の倒木やヤブはありますが、全体にシットリして心地よい沢です。

コミヤマスミレ、サツマイナモリなどの群落もありました。














サツマイナモリの花は昨年の12月に初めて見ましたが、3月の末に違う所で見た株は、
まだ蕾の状態でした。  花の開花時期がわかりづらい花です。

この果実は羽子板に使われるムクロジの果実です。
昨年、別の沢で落ちている実を拾って持ち帰り、何の実か調べて
やっと判明しました










沢を登って行くと沢沿いに歩くのが難しくなってきたので、適当な場所で引き返してきました。

車に戻ってから足回りをチェックして問題ないようでしたので
着替えようと軍手を外したら・・・・・
指先の爪の脇と根本の所、2カ所に血を吸って大きく丸まったヒルが
くっついていました。   クソ~ こんな所に・・・いつ入り込んだのか!
足元と首周りだけは、しっかり対策して警戒していましたが・・・・

気持ち悪くて、すぐに払い落としましたが、なかなか血が止まらないです。

冬用の薄手のゴアテックスのオーバーグローブなんかするわけにもいかないしな~
細目にチェックするしかないのかな・・・・
それにしても指先なら何か感じそうですが、まったくわかりませんでした。 (--;

実は先月もハチに刺されて、すっかり戦意喪失してしまい途中で帰るはめに
なりました。

こいつらは、向うから攻撃をしかけてくることもあるので
気をつけていても運が悪いとやられたりします。

皆さんも気をつけてください。



8月25日



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ツリシュスラン 

2015-08-11 19:05:15 | 登山


今回は再び富士山の森へ、この時期に咲くツリシュスランを探しに行ってきました。
毎年この忙しい8月の旧盆前後が開花時期ですので、計画しては都合が悪くなり
なかなか探しに行けませんでしたが、今年はようやく予定どうり行くことができました。

前回のフガクスズムシソウはブナやイタヤカエデの樹に付いた苔などの上に根を張る半着生
のような感じですが、ツリシュスランは先週に見てきたカシノキランと同じ着生ランです。

フガクスズムシソウは、どんな森を探索したら良いか何となくわかりましたが、
着生ランは、気まぐれなところもあるからな・・・・

まずはスタンダードに空中湿度が高い前回と同じような感じの森を探し歩き
着生してそうなブナやイタヤカエデに出会ったら、双眼鏡を使って高い枝の先まで
見落とさないように、しっかり観察しようと思います。

自分の感で2ヵ所、場所を選びました。

まぁ~富士山の山頂まで登るくらいの感じで、楽しみながら歩こうと思います。



少し日が昇りかけた薄暗い森を奥へと・・・・
ツルアリドオシは小さな赤い果実になり
ヤマシャクヤクの果実は、とても色彩鮮やかです。










見上げてばかりして歩いていたら、足元にはコアツモリソウの群生。
下からのぞきながら、ここで遅い朝食を。











すっかり日が昇り暑くなってきました。
ここの森にキリを付けて、フガクスズムシソウの森へ。





          





ここの森はシットリしていて、着生している苔や羊歯が美しいです。

羊歯の仲間のオシャグジデンダは、幾何学的な造形と透ける緑が美しく
下から眺めているだけでも、癒されます。

少し疲れてきたので、大きく深呼吸。
























着生しているイワギボウシは丁度、花の時期にあたりました。
地味な着生ランより、花は見栄えがあり美しい清涼感があります。
この花が終わると、次はダイモンジソウですね。











大きなブナの樹には上の方の枝までイワギボウシが着生していて、
森のオアシスですね。 










そんな感じで大きなブナの樹に着生しているイワギボウシを見ていたら・・・・

イワギボウシの下の方にも何か咲いている!

ドキドキしながら双眼鏡で確かめてみると。




















ツリシュスランがいます!

こんな感じの所に咲くのですね。
下がった茎が花が付く位置で、上に向かってそり上がる独特の姿です。

300mmの望遠で、こんな感じの花風景です。
良い雰囲気で撮影できましたが、もう少し目線に近い場所で見てみたいので
更に探してみようと思います。






ヤシャビシャクは果実ができて・・・











マツノハマンネングサの花は、そろそろお終い。










アオベンケイ見つけた。












苔が着生した大きなブナに出会うと、何処かに隠れていないかと目を凝らして
探すのは宝探しのようで楽しいのですが、だんだん疲れてきました。

途中から、ザックを背負ったままひっくり返って、ザックを背待たれにして
寝転んで双眼鏡で観察するようになってしまいました。
これだと、首に負担がなくて楽でいいです。 寝転んで眺めていると、
なんだかとても気持ちがいいです。 
緑のカーテンに包まれて、このまま寝てしまいそう。  ZZZzzz (-。=













森の奥深く探してみましたが、目線の近くでは見つけることはできませんでした。

最初に写した画像を、帰ってから良く見てみると葉なども何となく写っていました。
手持ちで写した画像ですが、トリミングしてみます。

















花はもう少しだけ開くのでしょうか・・・
かなり距離がありますが、見つけることができたのは幸いでした。
また機会があれば、フガクスズムシソウのように、もう少し近くで見られる株を
探してみようと思います。


私が日帰りで行ける範囲ですが、シュスランの種類は、これで全て見ることができました。

ツリシュスランは房総には自生していないので、今回は富士山で探しましたが、
九州から北海道まで自生している常緑のランですので、もしかしたら
房総の奥深い所に自生しているのでは・・・なんて思ったりもします。
そういえばアケボノシュスランなどは、北信や北関東などの寒い積雪地域でも
自生していますが、房総でもみることができます。
これらの分布の意味することとは何でしょうか?
大昔の気候変動などの影響でしょうか。
それとも、その個体の特徴なのか・・・興味深いところですね。




8月11日






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モロコシソウの花は・・・・

2015-08-07 19:29:23 | 登山
カシノキランの花を見終えて車に戻ると、すでに陽射しが車の中に差し込んでいて
しばらく暑くて乗り込めそうにありません。
体の汗も引かないので、冷たい沢にでも飛び込んで、火照った体を
クールダウンしたいのですが、房総の山ではそれができないのが辛いです。
とりあえず車を木陰に移動させて、着替えてからもう一カ所、春に見つけたモロコシソウ
を見に行こうと思います。  房総では花は終わりに近いかもしれませんが、
まだ咲き残っている花もあるだろうと思います。

モロコシソウはサクラソウ科の花で関東では房総と伊豆の一部だけに自生していて
その数も非常に少ない花です。

ネットにアップされている花の写真も、沖縄や九州が多く関東では
ほとんど見かけない花です。

花は特別見栄えがする感じではありませんが、咲いている景色が何処となく風情を
感じるところもあるので、再び車で移動して、今から行って見ようと思います。











まだヤマユリが咲き残っています。  
陽が少し傾いて、ヒグラシの鳴き声を聞きながら歩きます。
法面には同じサクラソウ科のギンレイカが咲き終わって果実になり、草アジサイは
薄ピンクの花を付けていました。

この小さな花は、万両の花ですね。
何となくモロコシソウの花と感じは似ています。










春先に見つけた時は、白い果実が弾けて花のように見える様子が目に止まり
薄暗い植林帯でも見つけることができましたが、真夏のこの時期には周辺の草や低木が
生い茂っていて、だいたいの場所はわかっているのですが、葉はイズセンリョウにも
似ていて特徴がないし、花は隠れるように咲いて目立たないので
なかなか見つけることができませんでした。

やっとそれらしい株を見つけて、よく見てみると花はすでに終わっていて
青い果実ばかりになっていました。
何株もあるので、一株づつ葉をめくって覗きこむように残り花がないかと
他の株も探して見ると、まだ蕾が残っている株を見つけました。
















んん、これは、これから咲く花なのかな・・・・










まだ蕾は少し付いているので、これから咲く花もあるようですが、
丁度、今咲いている株は見つかりませんでした。
タイミングも悪かったのかもしれませんが、このあたりでは7月初旬あたりから
咲きはじめるようですので、もう少し早い時期に機会があれば訪れてみようと思います。









時間を見ると、もう夕方です。
暑い山を一日歩いて大汗でしたが、夕方になると涼しい風も通り抜けるようになり
サッパリした気分になりました。
猛暑を楽しんだ訳ではありませんが、アルプスばかりでなく、こんな夏山も
この時期にしか経験できないので、良かったかなと思いました。
けど次は標高の高い山にしようと思います。





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カシノキラン  ~  真夏の房総に咲く

2015-08-05 19:22:06 | 登山

冬に見つけたカシノキラン。

やっと見つけることができたことで十分満足してしまい、花は今年は無理でも
その時期になれば、いつでも見にいけるから機会があれば・・・なんて思っていました。

8月に入り、そろそろ咲き始めたのかな~とネットで調べてみると
私とは違う場所ですが、カシノキランを見つけて花の写真を載せている方が
いらっしゃいました。 

花の咲いている風景は、また別格ですね・・・忘れていました。
夏の深い緑に囲まれた房総の森の感触が伝わってきました。

これは、なんとしても見に行かねば!

ヒルだとかマムシが・・とか何とでもなるでしょう。
この極暑だって・・・・これは何ともなりませんです。
ということで何とかして少しでも暑さを避けるために、丑三つ時に起き出して
そっと車のエンジンをかけて出発します。
少し明るくなるころに到着して歩き出せば、朝日が昇るころにはかなり目的地の
近くまで行くことができるだろうと思います。












以前、冬にシュスランを見つけた山へ花を見に行こうとしたら、道があった所は背丈を越える雑草に覆われていて
冬の景色からは想像できない光景を目にしましたが、今回は幸い道になっていました。
もう一つ幸いなことは、この数日まったく雨が降っていないので森はかなり乾燥して
いてヒルの心配をあまりしなくても良さそうだということがわかりました。

額から落ちた汗で点々と地面にシミをつくりながら、ようやく目的地周辺に
到着しました。

確かこの樹だったかな・・・・・

















咲いている!

ほとんどの株に花が付いています。












冬に見つけた時の写真は・・・











花は満開に・・・









花は葉に隠れるように下向きに咲いています。
高い位置から膝上あたりまで、いっぱい咲いていますので
好きな角度から撮影してみます。







































バラバラにギュウギュウ詰に咲いている株もありますが、株の中心を下にして丸い円
を描くように咲き並んでいる株が多いです。
丸くまとまっていると一つの花のようにも見えます。


もっと大きな株もありますが、だいたいこれ位のサイズです。














せっかく目線の位置に咲いていますので、一つ一つの花を接写してみます。

























前回、富士山の森で見つけたフガクスズムシソウは玄人好みの感じでしたが
こちらの花は、とてもカラフルで鮮やかな南方系ですね。
大きく口を開けて陽気に笑っているような感じに見えたりもします。


樹の上の方も賑やかです。











かなりの密度で着生している所もあります。













   


      





ザックを下ろして、しばらく、ボーッと眺めています。

太陽も上り、暑くなってきましたが、じっとしていると
時々心地よい風が通り抜けていきます。

ヤブ蚊がやたらと多いので、エアーサロンパスを体に吹き付けて休憩。
・・・これ、ヤブ蚊対策に効果があります ~ 5分位は寄ってきません。

冬に見つけた時には、まだ周辺には着生している樹があるのでは・・・・と思い
一本一本、樫の木を中心に探してみましたが、他に着生していそうな樹は
見つかりませんでした。
しかし広い森の中で、この樹だけしか・・・・というのも不自然な感じもあるので
丁度、花の咲いている今なら見つけやすいだろうと思い、もう一度周辺を
探してみることにします。

大きなモミ、杉などの樹も双眼鏡を使って、上の方まで見渡してみます。
杉などは、カヤラン、セッコクのほうが好みそうな感じですね。

探しながら歩いていると、何かいっぱい着生してそうなスダジイの大木に出会いました。
もう一部は朽ち果てているのか、キノコが生えているのが見えますが、それ以外にも
何かが多く着生しています。
双眼鏡で上の方を覗きこんで見ると・・・・・











カシノキランがいます!










この場所ですと逆光になるので、反対側に移動します。














上の方の枝は葉が茂っていて確認できませんが、見た感じ凄い数のカシノキランが着生しています。
スダジイの樹にも着生するんだな・・・
どの枝も高い位置ですので、私の300mm望遠レンズですと、最高に引っ張って
きてもこれくらいです。








このスダジイの大木から先ほどの樫の木までは、それほど離れてはいないので
もしかしたら、このスダジイのカシノキランが元親でしょうか。
そう思ってしまうくらい、このスダジイの大木には多くのカシノキランが宿っています。
これほど密集して着生しているので、中には一つくらいフウランでもないかなと
帰ってきてからパソコンのモニターで拡大して探してみましたが、どうも
すべてカシノキランのようでした。



一度引いた汗も周辺を少し歩き回っただけで再び汗だくになってしまいまいた。
やはりこの時期、房総の山を探索するのは厳しいですね。

けど房総の山奥には、まだこんなに多くのカシノキランが
自生していることがわかっただけでも幸いでした。

また冬になったら気ままに探索しようかと思います。



8月4日






コメント (8)
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