週刊天気予報を見ると今日が最後の雪山になる感じがしてきました。
昨年の3月に谷川岳の山頂へ向かう途中、主稜の先に白く輝くオジカ沢ノ頭に魅了されてしまい
途中から方向を変えて緊張しながら山頂を目指しましたが、トレースも薄く手前の岩場に
不安を感じて引き返してきました。
、
今日は上越の天気も良さそうですので、雪の状態を見ながら何とかオジカ沢の頭を目指して
山頂まで行ってみようと思います。
ロープウェイの始発は8時30分ですので、5時に自宅を出れば十分に間に合います。
路肩に雪が残る みなかみ町は梅の花がほころび初めていました。
9時丁度、天神平に到着してアイゼンをつけて出発します。
今日は重いグリベルは避けて軽いエキスパートジャパンの10本にします。
薄い雲がありますが天気は上々、最初から雪山の景色を眺めながら歩けるなんて
とても贅沢な気分です。
アイゼンがしっかりと効いてトレースもあり、登るのが今までで一番楽な感じがします。
ここ2日ほど天気が良く降雪もないので多くの人が歩かれたのでしょうね。
ひときわ白い浅間山がよく見えます。
南関東は雲が多くて富士山は見えませんでした。
前後の登山者はパラパラといった感じで、平日ですが天気に恵まれた日にしては
今日の登山者は少ない感じがします。
川棚ノ頭~目指すオジカ沢ノ頭、主稜の山々が見えてきました。
新潟側の天気は良さそうです。
肩の小屋に到着です。
ここまで2時間10分、時間の余裕ができました。
小屋の中はまだ入ったことがなかったので少し覗いてみました。
休憩は取らないで目指すオジカ沢の頭へと、まずは主稜を下ります。
昨年はピッケルを取り出して上を乗り越えて行った岩場、右側に踏み跡がありました。
エビのシッポも発達していて急傾斜な万太郎谷側をトラバースして行くとは
思っていませんでした。
しばらくは景色を眺めながらトレースをたどります。
多少トレースを外してもアイゼンが良く効いて快適な縦走です。
ここから眺めるオジカ沢の頭は美しく、何とか山頂まで行きたくなります。
中ゴー尾根の分岐を過ぎて登りにかかります。
見えてきました。
あの山頂にロックオン! ・・・・実際のピークは更に奥になります。
パックリ割れた所は踏み跡に沿っていくと崩れ落ちそうな気がしたので遠巻きに・・・・・・
昨年は不安を感じて引き返した岩場、よく見ると手前から左に大きくトラバースして行く
踏み跡と岩場のすぐ右側を回り込みながら直登している踏み跡がありました。
直登するにはアイゼンを蹴り込んでクライミングすることになるので、私は左に巻く踏み跡を
たどって行くことを選択しましたが、これが間違いでした。
左側はクレパスのように大きく斜面が割れていて、その上部をトラバースすることが
難しく、トレースは割れている斜面の下へ降りてトラバースしていき再び大きな割れ目を飛び越して
一段上の斜面へとよじ登っていくようなルートでした。
わずかな距離でしたが直登していく方が安全だと思います。
トラバースを終えて振り返った写真です。
再び稜線へと戻ります。
この辺りまでくると爼倉へと続く稜線がよく見えてきました。
山頂はあのピークかな・・・・
肩の小屋から約1時間、オジカ沢の頭に到着!
ここから万太郎山までは遠いな・・・・・・
見回しても主稜には人影はなく、静かな山頂です。
目を細めて遠くの景色を・・・・・
新潟側を見下ろすと関越自動車道が見えます。
しばらくするとボーダーの2人組が到着してきました。
うしろ姿を撮ってもらいました。
どこへ滑って行くのかと聞くと、左の渓へ滑り下りて再び万太郎山へと登り返し
土樽駅の最終に何とか間に合えば・・・・・・・とのこと
若い2人は最終の電車に間に合わない時は、ビバークでもしてノンビリしますと
笑って話をしていました。
今の私には遠い目で彼らを見るだけですが、楽しんで無事に帰ってください。
12時30分、雲が多くなってきました。ゆっくり帰ります。
振り返って・・・
今日はとても良い天気で景色を眺めながら気楽に歩けましたが
視界が悪くなり踏み跡も消えると、一気に難しいコースになると思います。
帰りは稜線づたいに歩き、唯一の難所の岩場をクライムダウンして行きます。
途中から上を撮っています・・・・・
右手には爼倉の稜線。
今日のコースで唯一ピッケルが必要な場所です。
短い距離ですが慎重に下りました。
振り返って眺めて見ます。
だいたい赤線で引いた感じに踏み跡があったので、忠実に跡をだどって下降しました。
岩場を降りたら後はノンビリと景色を見ながら帰れます。
途中の平らで安全な場所でランチ休憩です。陽ざしがないのでサングラスをとり
マットを敷いて今日初めて腰を下ろします。
関東の南岸を通過している低気圧の雲が少し掛かってきたようですね。
陽ざしの当たる景色とは違って、モノクロに近い景色へと変化してきます。
群馬側・・・・武尊山かな。
肩の小屋まで戻って来ました。
小さな雪ダルマが並んでいます。主稜を眺めているのでしょうね。
小屋の屋根に付いている雪はエビのシッポが発達していて何だか不気味な感じです。
暖かくなると一気に崩れ落ちそうなので、真ん中のベンチで休憩します。
2時20分、主稜を振り返りながら帰路につきます。
西黒尾根は来年の目標にします。
いつも振り返って谷川岳の写真を撮る所。
3時40分、ロープウェイ乗り場に戻ってきました。
今日は急いだ訳ではないのですが、帰りも早かったです。
雪山はコンディションが良いと夏よりも快適で疲れませんね。
今日がまさにそんな一日でした。
いつも帰りはホテル湯ノ陣で一汗流して帰るのですが
今回は以前にあにねこさんのレポで紹介されていた温泉センター諏訪の湯に寄ってみました。
細い道を奥まで入って行くと、ひなびた小さな建物がありました。
温泉センターという感じではなく、平屋建の簡素な建物です。
ガラガラと戸を開けると中は薄暗く昭和の雰囲気が漂う感じがしました。
貴重品は鍵が掛かる下駄箱のような所に保管できます。
日帰り入浴は¥300です。定休日は木、金曜日。
昨今、値上げラッシュの日帰り施設が多い中、交通費貧乏の私には感謝の価格です。
しかも源泉かけ流しです。
男湯はフスマを開けて座敷にるような感じで少し不安になりましたが
中に入ると温泉の香りに心癒されました。
この日は貸し切りでノンビリと湯につかって帰路につきました。
3月19日