人頭税 <5>
与那国島に、人升田(とうんぐだ)と言う
人頭税にまつわる伝承と遺跡がある
現在与那国島には、祖納・久部良・比川の三つの集落がある
以前は九程の集落があったと言われている
祖納と比川集落の中間に、人升田(とうんぐだ)があった
一万㎡程の田園である
この人升田で過酷な人頭税のため人口制限が行われた
残酷な遺跡である
そこに15歳から50歳の男子を招集し
合図と共に田園(人枡田)に我先に争って入った
入りきれなかった者は殺されたと言われている
当然のことながら、病人・障害者が
間違いなくその対象にされ淘汰された
また、人頭税のもっとも痛ましい伝承として
伝えられているのは、産んだ赤ちゃんを埋め殺したと言われる
重税を少しでも軽くするため
我が子嬰児を埋殺と言う残酷な人減らしが多くあったと言う
この痛ましい嬰児殺しは、明治の始め頃まであり
体験者の証言も多く残っている
八重山諸島の人々を苦しめた人頭税は
1637年に始まり1903年(明治35年)まで
実に266年続けられた