宮古上布 <1>
宮古上布は約400年以上の歴史がある
宮古島に伝わる苧麻(ちょま・ブーとも言う)を原料とする織物
熟練した職人が1反織るのに2~3か月以上もかかる最高級品
「東は越後」・「西の宮古」と呼ばれる日本を代表する織物である
16世紀頃、稲石刀自(とじ=とじとは妻の意味)が宮古上布を
完成させたと伝えられている
琉球国尚永王(1573~1588年)の時代に
中国明朝への進貢船に稲石刀自の夫(ムアテガーラ)が乗っていた
航海の途中嵐に遭い舵を操る綱が切れ運航不能になる
ムカテガーラは嵐の海へ飛び込み船の舵を操る綱を取り変えることに成功し
進貢船は無事琉球の首里に帰り着く事が出来た
尚永王は、この功績を讃えてムカテガーラに
下地の地頭の位を与え平民より士族に出世した
以後下地真栄と呼ばれるようになる
夫の出世を喜んだ稲石は
国王に返礼として「綾錆布(あやさびろ)」と言う銘の麻織物を献上した
綾錆布は紺細上布で苧麻の原料に染色を施し織り上げた物で
同じ技法で織り上げたのが「宮古上布」と呼ばれるようになる
宮古上布はその後も琉球王府に献上され続けていく
献上したことが世に出るきっかけになった〝宮古上布〟
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