周囲を山々に囲まれた大理白族自治州の州都である大理市の標高は約2000m、
大理には洱海という大きな湖があり、大理古城は洱海の西側に位置しています。
大理には白族をはじめ、チベット族(藏族)、イ族(彝族)、タイ族(傣族)、ナシ族(納西族)、回族など、
13の少数民族が暮らしています。
唐代はチベット・ビルマ族の南詔国、宋代には白族によって大理国が建国されました。
その後、フビライ・ハンの率いるモンゴル帝国軍に滅ぼされ梁王国となり、
梁王国も明によって滅ぼされ明代以降は中国の一地域となりました。
大理古城の周囲は高い城壁で囲まれており城壁の長さは約6kmあるそうです。
東西南北それぞれに大きな門があります。
現在の古城は明代に再建されたものですが古い建物はほとんど残っていません。
1982年に大規模な修復工事が行われ観光地化されました。
城壁の中は観光施設や商店だけでなく白族の人々が普通に暮らしています。
映画館や学校、病院などの公共施設もあります。
古城の中にある石畳の道の多くは歩行者専用で大勢の観光客が行き交います。
ここではファストフードチェーン店や銀行などの外観も周囲との景観に合わせています。
道は南北方向と東西方向の碁盤の目のようになっています。
南門から北門に通じる復興路が観光客で賑わうメインストリートです。
界隈にはカフェ、レストランや若者向けのお土産物屋さんなどがずらっと並んでいます。
東西方向の道は人がちょっと少なくなりますが、遠くに蒼山を見ることができます。
玉洱路や人民路にも大理石の加工品、銀製品や藍染めなどを売る店がたくさんあります。
大理と言えばその字の如く大理石でも有名です。
洋人街とも呼ばれる護国路には外国人向けのお店や宿泊施設などがあり、
夜になると外国人観光客で賑わうそうですが、今のご時世では外国人を見かけることはほとんどありません。。
早く元通りになってほしいものです。
大理はチベット、雲南、ミャンマーを結ぶ茶馬古道の要衝でした。
古くから交易で栄え、プーアルなどのお茶の産地としても有名です。
大理古城の北側には崇聖寺があります。
崇聖寺は唐代に建立された仏教寺院で三角の形に配置された崇聖寺三塔で有名です。
崇聖寺自体は戦乱や火災によって全ての建物が消失し三塔だけが残っている状態でしたが、
近年になってから天王殿、弥勒殿、十一面観音殿、仏殿など多くの建物が再建されました。
寺の後ろにそびえるのは蒼山、前には洱海が広がっています。
この日も天気は良かったのですが、残念ながら蒼山も洱海も霞んで綺麗には見えませんでした。
崇聖寺三塔はレンガ造りで、中央にある千尋塔は高さ69mの16層になっています。
千尋塔の後方にある2つの塔は10層で高さは42mあります。
崇聖寺と千尋塔は同時期の南詔王の時代(唐代)に建立されましたが、
後方の塔は大理国の時代(宋代)に造られたものとされています。
長い歴史の中で幾度となく戦乱や地震などの自然災害みまわれましたが、
三塔は倒れることなく現在まで残っており、大理のランドマーク的な存在になっています。
大理古城も崇聖寺も広いのでこの日はたくさん歩きました。
最後は大理駅から高速鉄道で昆明まで移動。
大理と昆明の間はそれなりの数の列車が運行されているので便利です。
1000年を超える歴史がある大理は商業や観光業だけでなく工業、農業、水産業なども盛んな都市で、
麗江やシャングリラとは違う暮らしの豊かさも感じることができます。
発展と共に古い物の多くは失われていますが、
少数民族の文化や歴史、街の後ろにそびえる山々や洱海などの景色も楽しめる場所です。
余談ですが、先ほど江蘇省でM4程度の地震がありました。
おそらく蘇州では震度1程度を観測したのかと思いますが、私は全く気付きもしませんでした。
でも、日本と違って地震が滅多に起こらない地域なので、
皆さん地震慣れしていませんから、SNS上ではちょっとした騒ぎになっています。