昆明市の郊外にある官渡古鎮は1000年以上の歴史がある古鎮です。
唐代の南詔国や大理国の時代から滇池(てんち)湖畔にある交通、交易の要所でした。
宋代には滇池を往来する船の埠頭が官渡古鎮に設けられました。
役人たちがここで船を乗り降りして役所や各地へと向かうため、官渡の名が付いたとされています。
断層の陥没によってできた滇池は水産資源も豊富な雲南省最大の湖で、別名昆明湖といいます。
湖の西側にある海口河から流れ出す水は最後に長江上流の金沙江へ注いでいます。
湖岸の周辺には石器時代から人が暮らしていた跡が残されており、
地下の地層からは湖で多く採れるタニシなどの貝塚も見つかっています。
官渡古鎮には貝殻と粘土を混ぜ合わせた土塀が現存しているそうです。
また五山、六寺、七閣、八廟と呼ばれる唐代から清代にかけての旧所名跡があります。
北門(古鎮の北東側)の近くには妙湛寺金剛宝座塔があります。
明代に造られたとされる妙湛寺金剛宝座塔は、中国国内で最も古い金剛宝座塔のひとつです。
金剛宝座塔の北側にある官渡少林寺の前には2本の仏塔が建っており、
見る角度によって崇聖寺三塔と同じような配置に見えます。
人通りの多い場所にはもう古い建物はほとんど残っていないような感じです。
古鎮の広場や通りは地元の人々や観光客で夜遅くまで賑わっています。
露店から小吃やレストランなどなど、とにかく食べ物屋さんが多いです。
どの道を通っても必ず食事の店がある感じ。
雲南の名物で、官渡古鎮でも味わえるのが、
米粉を固めてから蒸して作った餌塊や米粉から作った麺の米線です。
餌塊は炒め物に入れたり、薄く伸ばしてクレープ状にしたものに具材を巻いて焼いたりします。
ありきたりですが私の雲南で思いつくものと言えば過橋米線。
今回利用したホテルでも必ず朝ごはんに米線を提供していました。
米線は上海でも蘇州でもどこにでもありますが、
せっかくなので本場で具材と熱々スープと麺が別々に出てくるタイプを食べておかないと。
クラブやバーのような大人のお店が並ぶ通りもあります。
雲南と言えば、”麻薬”というイメージもまだ残っていますので、
もしかするとこういう場所はちょっと気を付けた方がよいのかもしれません。
子供が喜びそうなゲームコーナーやお化け屋敷など、
大人と子供が一緒に遊べるような施設がずらっと並んでいる通りもあります。
夜にしか行っていないので昼間の様子は分かりませんが、
おそらく夜の方が賑やかになる場所のような気がします。
昆明の中心部からは少し離れた場所ですが、
近くには雲南省博物館をはじめいくつかの博物館もありますので、
歴史や地理などに興味がある方なら博物館巡りをしてから、景色を楽しむ方なら滇池で遊んでから、
古鎮で晩ごはんと夜遊びのような感じの観光もできるかと思います。
明日は大晦日、早いものでもう1年が終わろうとしています。
みなさま、どうぞ良いお年をお迎え下さい。