孫武記念園は蘇州市の北側に位置する相城区にあります。
2016年に開園した比較的新しい公園です。
園内には孫子兵法を書き、呉の将軍となった孫武のお墓と資料館、
蘇州生まれの著名な文人、文徴明のお墓と文一族の資料館があります。
最寄り駅は地下鉄4号線と昨年(2024年)の9月に開通した地下鉄8号線の孫武記念園駅です。
現在は高層マンション群に囲まれた公園になっています。
文化施設なのでしょうが訪れる人はそう多くなく、近所の子供たちの遊び場になっています。
公式HPもありますが、長らく更新されていないようです。
孫武の資料館には関連する歴史や、関りを持つ人物、孫子兵法の解説、
世界各国で行われている孫子の研究や書籍などが紹介されています。
現代でもビジネス書などに度々登場する孫子。
もちろん日本の書籍も展示、紹介されています。
孫子が初めて日本に伝えられたのは奈良時代、遣唐使の吉備真備が写しを持ち帰りました。
吉備真備は孫子を実戦に用いて、恵美押勝(藤原仲麻呂)が起こした反乱を鎮めたとされています。
孫武の出身は斉国で、一族の内紛から逃れて呉国にやってきたのだそうです。
蘇州の穹窿山で暮らしている時に孫子兵法を書いたとされています。
なので、蘇州で孫武に関する公園といえば、穹窿山にある大きな孫武文化園の方が有名です。
(ただし孫武文化園も訪れる人はそんなに多くないです)
ここにある孫武のお墓が本物かどうかは知りません。
孫武記念園にもうひとつあるのが明代中期に活躍した文人、文徴明の展示館です。
90歳まで長生きし、亡くなる直前まで絵画や書を書き続け正座した状態で天寿を全うされたのだそうです。
父の文林は科挙に合格した官僚です。
自身も科挙の地方試験に受け続けたものの合格することはありませんでした。
公園の入り口近くにある像は、文徴明と、同様に書家、画家として活躍したその家族です。
しっかり見てこなかったので間違っているかもですが、たぶん文彭、文嘉、文伯仁などではないかと。
像の後ろにある小さな森が文徴明のお墓です。
お墓の池の傍にも有名な絵画のレプリカが飾られています。
文家からは子孫の代に至るまで多くの文人を世に送り出しており、
これらの人達は文派と呼ばれました。
沈周、文徴明、唐寅、仇英は、明四大家と呼ばれ、歴史に名を残す有名な画家です。
文徴明と唐寅は親しい間柄であったようで、様々な逸話も残されています。
交流のあった2人にはこのような違いがあります。
唐寅 = 科挙地方試験を首席合格、奔放な性格。
文徴明 = 科挙地方試験に合格できず、クソが付くほどの真面目な性格。
タッチパネルのついたモニター上で、文徴明の作品などの解説が見られるのですが、
文徴明の書も、孫武の解説も私の語学力ではもう少し勉強してから来ないと内容がすぐには理解できません。。
孫武記念園の文徴明エリアには絵画や書の教室もあります。
行った時はちょうど教室が開かれていたようで、大人も子供も一緒に絵を習っていました。
孫武エリアにはカフェがあったのですが、休憩中の札がかかって営業しているのかは分かりませんでした。
次に来る時はちょっと勉強してからかな。。と思っています。