2610.25 物 書 き NO.584
物書きと言えば今は小説家を指しますが、昔は代書人つまり人に代わって書類を書くことを職業とした人で、奉行所の物書き同心は今でいう書記官でし
た。 司法代書が司法書士になり、その他の行政機関に対する代書が今の行政書士になりました。
ちなみに訴訟の代理人は「代言人」でしたが、これは「弁護士」になりました。
代書と言えば人に代わって書類を書くだけの単純な仕事と見られていますが、なかなかどっこい人前で話すことが難しいのと同様、かなりの薀蓄がないとで
きる仕事ではありません。 平素何気なくしゃべっていることでも、いざそれを書面にしたためるとなると、なかなか容易ではありません。
口から生まれてきたような減らず口を叩く石原慎太郎も、長野では乞われて知事になったものの「鳴り止まない壊れた目覚まし時計」と悪評をとった田中康
夫も、それぞれ若い時に芥川賞を取った「物書き」でした。
彼らはついつい大口をたたくから顰蹙を買うこともありますが、それなりの知識と教養があるんだろうことには相違ないでしょう。
知識・教養は遣い方によって、人の為になる場合とならない場合がありますから、両者のみならず世の知者は世のため・人の為に頭を使って頂きたい。