28.06.16 立 場 NO.1194
最近裁判所の判決文の中でよく使用される言葉に「立場」という言葉があります。
曰く「消費者は情報収集に置いても」経済的な「立場」においても、生産者や事業者に対抗しう
る「立場」になく、一方生産者や事業者はそういう面で有利な「立場」にあるのだから・・・云々。
弱い立場の者を保護するという趣旨は悪くはないけれど「法律」というモノサシで物事を判断す
る場合に、最近のように頻繁に行使されている「立場」なる言葉は、合理性や合法性の観点か
見れば不適切で、大岡越前や遠山金四郎のような義理と人情が社会の規範だった時代にさか
上った感じがします。
大学教授がその「立場」悪用して女子学生に不適切な関係を強要するなどのいわゆるアカハラ
等の場合、または、高級公務員の天下り等の地位利用の場合には「立場の悪用」という概念
は至当ですが、法治国家の裁判においてみだりに慣用句を用いられるべきではない・・・と思
う。