28.11.05 残 酷 物 語 NO.1335
わが社に出入れをしていたS銀行のK氏の実例です。 勤務先で職場の愛社精神を求めら
れて自社株を購入しました。 当時の株価は1株5000円。 何株購入したかは聞かなかっ
たが、手持ちの資金なんかないから同行から融資を受けて購入したのです。
当時5000円の株価はバブル崩壊後どんどん下落して、一時期最低179円までになりまし
た。 10年ほど辛抱して持ち続けてやっと700円まで回復しましたが、借金の方は「値下が
り」しないから、実質大幅な損失です。 また、住宅ローンキャペーンを進める立場から、自
分が率先してローンを借り入れる「範」をしめすべく、K市に(ローンを利用して)5000万円
ほどのマイホームを取得しましたが、こちらの方もバブル崩壊で10年後の相場は1500万
円ほどになり、その後上昇は全くありません。
仮にいま売却しようとすれば売得金でローンを返済することはできません。
会社を退職すれば破産です・・・と淋しく笑っていました。
彼の説明によると同行の勤務は厳しく、入社した新入社員は2年間で半数が退職し、20年
経って残っているのは20人にひとりと言ってました。 支店長などの管理職に昇進できない
行員の実質定年は50歳。 彼は50歳まであと4年残っていましたが、勧奨退職で外資系
の保険会社に移籍しました。 この外資系保険会社は銀行などの「中途退職者」であふれ
かえっていますが、ノルマが厳しくその多くが続かないで退職して行く。
そのあとの軌跡はどうなるのかはわかりませんが、豊かで明るい将来が約束されていると
はどうも思えません。 このように労働者を食い物にし・消耗品扱いするこの財酷な日本とい
う国をもうちょっとマシな国に、なんとかできませんか?・・・いやしなければなりません!。